911はアメリカの自作自演でした2

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519smac
 弾性エネルギー説の優れているところは、次の3点である。

(1)鉄骨を斜め上に吹き飛ばしたエネルギーの出所が説明できる。
(2)火災が激しくなかった南タワーでなぜビルの強度が著しく低下したのか説明できる。
(3)下層階のコア支柱群が、なぜ崩壊に際してほとんど抵抗を示さなかったのか説明できる。

 これで陰謀論に引導を渡せる・・・と思った人はオメデタイ人だろう。この理論には重大かつ致命的な欠陥が、少なくとも2つある。

 ひとつは、一本の独立した支柱に生じた軸力の変化から変位をはじき出していることだ。コア支柱群は横方向にも高密度で連結されており、一本の支柱に生じた「引っぱり力」は周辺の支柱にも吸収されるため、変位はシミュレーションのように大きくならない。

 もうひとつは著者自身が認めていることで、結合部の力学特性をいい加減に扱っているということである。「結言」から引用しよう。↓

 『今回の解析で用いた接合部の力学特性には仮定や推論が多く、厳密な取り扱いをしたとは言えない。』

 お粗末なのは、支柱接合の方法を「主に厚板34mmのエンドプレート方式で、接合部には4〜6本のボルト接合が施されていた」と紹介しているクダリだ。

 その接合方式は外壁支柱の接合に使われたもので、コア支柱群は縦横斜めに組まれたトラス構造であったことを説明していない。

 故意か過失かは知らないが、これでは読者に「コア支柱群がエンドプレート方式で接合された、頼りない構造だった」と誤解させてしまうだろう。「主に」と書いてあるところを見れば、コア支柱群の接合は違うことを知りながら、あえて言及しなかった可能性が高い。

 他にも、現場で撮影された鉄骨の写真を見ればわかるように、鉄骨は接合部で切断されていない…とか、それなら何故、突入直後に崩壊しなかったのか…などなど、突っ込みどころは満載である。

 しかし、まあ「真面目な研究」であることは評価してもよい。物理学者を名乗るなら、この磯部先生ぐらいの努力を怠るべきじゃないだろう。どっかの教授には見習って欲しい態度である。