人間の想像力とそれに答え得るだけの宇宙の物質、事象には必ず限界がある。
だが、人間の欲望には残念ながら限界が無い。
人間にはその人生の中で幾度となく訪れる心の空虚感、絶望感を
救ってくれる何かが必ず必要だ。
それは人類史を見れば、見迷うことなく宗教であり、またある時は愛国心である。
常に人間というものの本質をよく理解していなくては、人は人を道無き道へと導いてしまうであろう。
確かに日本しか見ない者には世界は見えてこないかみしれないが
そういう人間ほど醜い人間の本質をよく知り尽くしている。
逆に愛とか平和とかを盲信し過ぎる者達は人間の潜在的な悪性を忘れがちである。
国境が消えても人間の内なる危険性は永遠に消えないことを決して忘れてはいけない。
人が国を完全に捨てた時、我々が同時に何を失うか先見性を持って考えてみよう。
私はそれがあまりにも大切なかけがえの無いもののような気がしてならない。