イラク議会選、成功強調 米大統領演説 駐留軍 来年削減を示唆
【ワシントン=有元隆志】ブッシュ米大統領は十八日午後九時(日本時間十九日午前十一時)、ホワイトハウスの執務室で、
米国民に向けてイラク政策に関する演説を行った。執務室からの演説は二〇〇三年三月のイラク開戦以来。
十五日のイラク国民議会選挙について「立憲民主主義の始まりだ。われわれは勝利を収めつつある」と成功をアピールするとともに、
民主化の進展によって、二〇〇六年に駐留米軍を削減することは可能との認識を示した。
大統領は今回の選挙について、「テロとの戦いで、強さを増している同盟国を持つことを意味する」と意義を強調。
イスラム教スンニ派も参加するなど、民主化が着実に進展しているとして、イラク政策の正当性を訴えた。
そのうえで、イラク治安部隊の育成などにより、「任務の達成に必要な米軍はより少なくなるはずだ」と削減の可能性に言及した。
一方で、「この選挙は、暴力の終わりを意味しない」とも述べ、今後も武装勢力の襲撃は続くとの見通しを示した。
また、大統領は「私のいくつかの決定で大きな損失をもたらしたことを知っている」と述べるとともに、
「この戦争の価値や方向性に多くの国民が疑問を持っていることを知っている」と述べ、国内にイラク政策に異論が強いことを認めた。
ただ、「任務完了前の撤退はイラクの友人を見捨てることになり、米国は信用できないとのシグナルを世界に送ることになる。
しかも、世界的なテロ活動が勢いを増し、従来に増して危険になる」と述べ、選挙後も駐留が必要との考えを改めて示した。
(産経新聞) - 12月19日15時42分更新
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