サマワ 陸自車列わきで爆発 走行中破損、日本標的の可能性
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050624-00000000-san-int 防衛庁は二十三日、イラク南部サマワで活動している陸上自衛隊の車両が
宿営地外を走行中、道路わきの爆弾が爆発、フロントガラスが破損したと発表した。
隊員にけがはなかった。昨年十月に宿営地に砲弾が撃ち込まれ、コンテナを
貫通する事件があったが、宿営地外で陸自の装備が被害を受けたのは初めて。
政府は首相官邸の危機管理センターに官邸連絡室を設置した。政府筋は同日夜、
陸自部隊の活動について「(事件の)原因が分かるまでは自粛せざるを得ない」
と語り、休止期間が長期化する可能性を示唆した。
防衛庁によると、爆発事件が起きたのは同日午前九時(日本時間同日午後二時)
ごろ。約二十人の陸自隊員が、高機動車と軽装甲機動車四両に分乗し、サマワ
北西部のマジドで予定されていた道路補修の完成式に向かうため、宿営地から
北東に五、六キロの幹線道路を走行中、道路わきで爆弾が爆発。前から三両目の
高機動車のフロントガラスが破損した。二重ガラスで外側の通常ガラスにひびが
入ったが、内側の防弾ガラスは無傷だった。
車体の右側面などにも傷があったが、爆弾の破片か爆風で飛来してきた石による
ものか断定できていない。爆弾の威力は比較的小さかったとみられ、被害車両は
自力走行で宿営地に戻った。英軍などの情報では、現場の路上には爆弾が二つ
仕掛けられ、不発の一発はイラク軍が押収した。
犯行声明などは出ていないが、サマワ発共同電によると、イラク駐留のオースト
ラリア軍の報道官は陸自を狙った犯行と指摘した。防衛庁は「陸自が狙われたか
断定できない」としている。
事件を受け、陸自部隊は二十四日に計画していた宿営地内での住民との交流行事
を延期した。大野功統防衛庁長官は「事件は深刻に受け止めなければならないが、
人道復興支援活動は継続する」と述べ、宿営地外の活動に向かう際は治安状況の
事前調査など安全確保策を強化した上で、二十五日以降の活動を再開するか判断する。