アラブ連盟 − 自衛隊はイラク撤退を
【カイロ=秦融】
アラブ地域の二十二の国・機構が加盟するアラブ連盟(本部・カイロ)の
アムル・ムーサ事務局長(67)は二十二日、本紙と会見し、イラク南部サマワに展開する
日本の自衛隊について「占領軍は混乱の原因。自衛隊も早期に撤退すべきだ」と述べた。
同事務局長が自衛隊の撤退を求めたのは初めて。
ムーサ事務局長は「外国軍の存在がイラク国内の混乱の原因であることは誰の目にも
明らかだ」と指摘。今月三十日に予定される主権移譲後の暫定政権の課題として
「占領軍の撤退時期を明確にし、イラク国民に知らせることだ」と強調。具体的な時期は
「占領下での選挙は(公正さに)問題を残す」と述べ、来年一月に予定される選挙前の
撤退が望ましいとした。
自衛隊については「人道支援活動は評価されるべきことだが、問題はブルーベレー
(国連平和維持活動要員)ではないことだ。それでは占領軍と同じ。イラク国民は
占領軍に拒絶反応を示している」と国連指揮下でない点を問題視した。
アラブ地域の対日感情については「日本の評判はこれまで非常によかった。しかし、
ブルーベレーでない軍隊を派遣するようでは」と悪化の傾向を指摘した。
アラブ諸国の派兵は「国連安保理が平和維持軍派遣を決定し、さらにイラク国民の
要請が最低限必要だ」と述べ、現状での可能性を否定した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20040624/mng_____kok_____004.shtml