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1993年4月、当時混乱の最中にあったカンボジアで
国連カンボジア暫定行政機構(UNTAC)でボランティアとして活動していた
中田厚仁さんがテロリストに殺害された。
中田さんの父親、武仁さんはその時こう語った。
「便りのないのは良い便り、と考えていた。
その便りがあったと聞いて、最悪の事態だと思った。
息子がこの仕事に入った時、私達も覚悟していた。
国際貢献という強い希望が全うできて、本人も思い残すことはないでしょう。」
命の危機がいつ迫るとも知れない危険地帯において
「今こそNGOを活用せよ」などという詭弁で思想を押し通そうとする輩共に、
己自身、己の近しい者に危機が迫った時、こういうような覚悟ができているのか?
人質騒動の当人とその家族に、覚悟ができていたとは到底思えない。
覚悟もできていないくせにボランティア活動を思想の道具にすることは許されない行為だ。