<イラク自衛隊派遣>撤退か再延長か? 政府で検討進まず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050702-00000080-mai-pol イラクへの自衛隊派遣期限(12月14日)まで半年を切ったが、派遣を再延長するか、
撤退させるかの検討が政府内で進んでいない。イラク情勢の先行きが不透明な中、
自衛隊員に犠牲の出かねない「延長」の政治判断は重く、かといって「撤退」は日米同盟
に影を落とす。首相官邸は郵政民営化の対応に手いっぱいで、外務省と防衛庁も何も
言い出せない三すくみの状態だ。「最後はなし崩しで延長方針が決まるのではないか」
(政府筋)との見方も出ている。
「自衛隊の活動地域が非戦闘地域であるという状況が変わらない限り、できるだけの
支援はしていきたい」
小泉純一郎首相は先月29日、記者団にこう語り、派遣延長への意欲をにじませた。
ブッシュ米大統領が同日(米国時間28日)の演説で「戦いに勝利するまでとどまる」
とイラク駐留の継続を強調したのに呼応したようにも映ったが、政府内の検討状況
については「12月が近づいてきたら状況をよく判断して決めたい」と述べるにとどめた。
イラク復興特別措置法に基づく自衛隊派遣が始まったのは03年12月。1年間
だった派遣期間を昨年12月、1年延長した際に小泉首相はギリギリまで延長を明言
しなかったが、延長は既定路線だった。今回は延長の是非から検討しなければなら
ないが、「撤収作業に3カ月は必要」(防衛庁幹部)で、期限までに撤退するなら
今秋初めが判断のタイムリミットとなる。
サマワでは600人近くの陸上自衛隊員が公共施設復旧や医療支援などの人道復興
支援活動を行っている。ただ、活動の中心だった給水活動は2月に終了。宿営地外
での活動は縮小しており、「対米協力の象徴的意味合いが強まっている」(外務省幹部)。
このため「延長なら自衛隊の任務見直しも考えないといけない」(同)との意見もあり、
外務省や防衛庁内には方針決定の遅れに焦りも出始めている。