：：：イラクの人質は私の友達：：：

■１■『聖戦士の旅団』犯行声明への疑問。

現在日本名『聖戦士の旅団』を名乗るテロリストによって、日本人３名がイラク西部で拉致・誘拐され
ています。しかし重大な疑惑を抱かざるをえない点があるのです。
何故、日本人だけが政治的要求の人質となっているのか、そのことが不思議なのです。

・このテロリスト達は、誰の指示なのか珍しくＴＶメディアを利用した心理攻撃で自衛隊の撤退を
アピールしています。しかも驚くことに単に殺害するとは言わず、「生きたまま焼き殺す」と言う脅迫文
を残して。
・しかし、最近の事件から考えれば、「復讐で焼き殺したい」のはアメリカ政府こそがイラク民衆に向けて
発したい言葉ではないかと思います。
・もしテロリスト達の本当の狙いが、「日本人３名を焼き殺す」ことを目的とし、その惨殺死体を映像
メディアに流すことを当初から計画しているとしたら・・・どうでしょうか。

・米軍にもっとも敵対した関係にあるサドル氏反米勢力は、日本人拉致事件を完全に否定しています。
・奥大使等の暗殺も「ブッシュ・アメリカ政府による、見せしめ殺人」ではないかと推理する記述を読ん
で、何となくひっかかるものを感じたので、気づいた事を列挙してみます。

■２■『聖戦士の旅団』犯行声明への疑問。

・イラクには日米企業関係者や政府ＮＧＯ職員が多数存在しながら、この争乱期にバグダッド入りしたば
かりの３名が拉致・誘拐されているのは何故なのでしょうか。
・犯行声明では日本が親イラク国家であると認めながら、ムスリムを攻撃し、婦女子を含めた民間人さえ
何百人も惨殺しているアメリカ政府に対して何故、同じことを言い、同じ行為を実行しないのでしょうか。
・自衛隊はいかなる軍事行動もとっておらず、日本軍が撤退してもアメリカ軍の戦力は全く衰えません。

・３名の日本人はいずれもイラク戦争に反対する活動を行っており、世界的な「反米勢力」の仲間です。
・左翼系の青年活動家、反米ジャーナリスト、親イラク活動家であることはコミュニケートすれば直ぐに
分かることで、テロリストの制裁対象としては政治的効果が完全に逆ではありませんか。
・ターゲットを日本人に定めていたのであれば、拉致・誘拐ではなく、テロ行為を何度も繰り返した方が
明らかに効果的であり、危険も労力も少なくてすむのが常識でしょう。

・拉致・誘拐には米軍の諜報網を突破するための大きな組織活動が必要であり、何人もの外国人を拉致して
アジトに搬送したあげく、一部はご丁寧に送迎解放しながら、日本人の人質だけは脅迫的な映像を撮影しこ
れをＰＣでＣＤに焼き、更に犯行の翌日に複数のテレビ局へこの映像を配達するなどは、大きな手間と人員
を要しているはずで、テロ組織としては危険をさらした見返りにはあまりにも効果の薄い稚拙な犯行です。

■３■『聖戦士の旅団』犯行声明への疑問。

・普通映像を見せるのは、リーダー格の男が断固たる口調でアメリカ軍への激しい憎悪、アッラーへの賛歌、
などのメッセージを訴えるためのものです。
・特に親日感情の高いイラク人を納得させるためにも、日本の民間人を犠牲にするだけのその犯行の正当性
を保証する論理を展開しなければなりません。
・首謀者の肉声を流さず、民族組織の誇示もせず、アメリカ軍が行っている宗教施設への空爆、民間人への
虐殺行為を声高に非難もせず、メディア全般にそれを訴えもしないこの組織は、はなから偽者の疑いがある
と思うのです。

・自衛隊基地に迫撃弾攻撃があったことと無縁でないと考えれば、何故迫撃弾攻撃は小規模で実効性がなく、
イラクに入国したばかりの彼らだけは、確実に補足されてしまったのでしょうか。
・自衛隊を侵略軍とみなしているのであれば、人質３人の命で撤退する軍隊など存在するわけがなく、彼ら
はこの程度のことも理解できない能なしなのでしょうか。
・当初よりこの日本人３名を残酷に殺し、その映像を世界全体に配信することが狙いなのではないか。その
推理が杞憂で終わることを祈らざるを得ません。