【 米大統領選、ケリー氏の躍進は小泉外交へのリスクにはならず 】
米民主党の大統領選候補者選びのヤマ場である3月2日の「スーパーチューズデー」ではケリー上院議員の圧勝が
予想されているが、ブッシュ大統領の再選が阻まれた場合、小泉首相の政権運営にどのような影響が出るか──。
小泉首相が安全保障政策でブッシュ政権との一体化を推し進めている一方、多くの民主党候補者が通商政策で保護
主義色を打ち出しているため、今年11月の大統領選の結果次第では、小泉政権への打撃は避けられないとの見方
もある。
しかし、そうした危機シナリオが現実になる可能性は現時点では少ない、というのが多くの専門家の見方だ。民主
党はもともと保護主義色が強いが、選挙後は通商政策が中道路線に戻ることが多い。安全保障政策については、民
主党候補が政権奪取後はより国連重視に転じるとみられる。自衛隊のイラク派遣に対する国民の支持を取り付けた
い小泉政権にとって、米政権交代は外交上困ることはなく、むしろやりやすくなるとの指摘も出ている。
一連の予備選の際に行われた世論調査では、民主党候補者への支持が序盤から現職大統領支持を上回るという異
例の結果が出た。2月16日、17日にCNNテレビ、USAトゥデー紙、ギャラップ社が共同で実施した世論調査では、
民主党のケリー上院議員とブッシュ米大統領に一騎打ちとなった場合の支持率は55%対43%、エドワーズ上院議員と
ブッシュ氏の場合は54%対44%と、いずれも民主党候補有利との判定が出た。米国民には、対イラク先制
攻撃の理由だった大量破壊兵器の存在に対する疑惑が根強く、ブッシュ氏の支持拡大に影を落としている。
http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml;jsessionid=1ZG25SDYNEPIQCRBAE0CFEY?type=worldnews&StoryID=4474390