食料医薬品も、軍部を納得させる上では効果があるが、いちばん大きなのは、
「日朝間の対立の問題」であったラチ問題を、
ジェンキンスさんの反アメリカ・共産主義の自由意志を媒介として、
「米日間の対立の問題」つまり「地位協定の問題」に、スリ換えたことだ。
みごとに米日間に、楔を打ち込んだのである。
小泉の発言する、核の完全廃棄だのなんだののアメリカに命じられたたわごとを、
「あんたらニッポンはそもそも独立国なんですか? ジェンキンスさんが日本に
行きたいというのなら行ってもらいますがね」という、ミラー返しで叩き潰して
きたのである。
また、共同などが伝えていた、よど号グループ(フェニックス作戦実行部隊)の
強制帰国は、どうやら実現も約束もされなかったようだ。北朝鮮という国家を
革命の本拠地として頼って亡命していった者たちを、見捨てなかった、ということだ。
参考
よど号犯の引き渡し要求へ 日朝首脳会談で政府検討
http://ime.nu/news.goo.ne.jp/news/kyodo/seiji/20040518/20040518a1990.html よど号犯引き渡し要求へ 北朝鮮受諾の可能性も
http://ime.nu/news.goo.ne.jp/news/kyodo/seiji/20040519/20040519a1060.html 金正日、むろん、ただものではない。
さすがに、米国と永年わたりあい、ソ連、中国と付き合ってきた金日成の
帝王学を修めた息子だ。母親もさぞかし、頭が良かったに違いない。
小泉は、あれに比べれば、まったくのカス、小物だ。
▲なお、「ジェンキンスさんが日本に帰る」と言っていたバカなマスコミが
三社ほどあったが、これは日本語として不適切である。
「日本に行く」が正しい。