http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100806/184894/ インターネットの管理団体である米Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は
2010年8月5日,IPv4アドレスの「IANA在庫」が,残り5%(2億3488万1024個)になったことを明らかにした(資料)。
IANA在庫とは,ICANNの前身で,現在はICANN傘下でIPアドレスなどを管理する組織となった
Internet Assigned Numbers Authority(IANA)のIPv4アドレスの在庫を指す。
この結果を受け,インテックシステム研究所の「IPv4枯渇時計」は,IANA在庫がなくなる「Xデー」を2011年6月16日とした。
日本で地上テレビ放送が完全デジタル化する日程より早い。
IPv4アドレスは,「/8」と呼ばれるアドレスの上位8ビットで決まるアドレス・ブロック(1ブロックはIPv4アドレス1677万7216個)
を単位に数えられることが多い。実際,/8はIANAから地域のIPアドレス管理機関「Regional Internet Registry(RIR)」への
割り当ての単位になっている。
最近になって,IANAから世界に5機関あるRIRへの割り当て頻度が加速してきた。RIRは具体的には,
アジア・太平洋地域担当のAPNIC,米国などを担当するARIN,欧州などを担当するRIPE-NCC,中南米担当のLACNIC,
アフリカ担当のAfriNICの5機関である。2010年のこれらのRIRへの割り当て状況は:
2010年1月,APNICに2ブロック割り当て(残り24ブロック)
2010年2月,ARINに2ブロック(残り22ブロック)
2010年4月,APNICに2ブロック(残り20ブロック),
2010年5月,RIPE-NCCに2ブロック(残り18ブロック)
2010年6月,LACNICに2ブロック(残り16ブロック)
2010年8月(今回),APNICに2ブロック(残り14ブロック),といった具合だ。
約7カ月で10ブロック減るという減少ペースは2〜3年前の1.5〜2倍と速い。この減少ペースが続くとすると,
インテックシステム研究所の予測と同様,2011年6月ごろに在庫がなくなる計算になる。
ただし,実際には各RIRへの公平を期すという立場から,残り5ブロックになった時点で,
各RIRに自動的に1ブロックずつ配布するという協定になっている。このため,IANA在庫は,
早ければ約6カ月後の2011年2〜3月にも枯渇する可能性が出てきた。