【べしゃり暮らし 30話 裸の爆笑王 より】
主人公と転校生が、初めて正式な舞台に立つ……漫才コンテストだ。
客も金を払って「さあ笑わせてみろ」と見に来ているので、今までとは違う。
「いやー、さっきそこで泣いてる人いましたね、相方慰めてましたよ、二回もウケたからいいじゃん、二回もって……」
予定ではここでウケル筈だったのが、「シーン」としている……。
そう、何故なら今まで学校でやっていたネタは、
周囲の生徒達に『コイツが言ってる事だから面白いんだろう』という刷り込みがされていたからで『既に面白い空気』が出来上がっていたからで、
『面白い面白くない』は無関係だったのだ。
するとどうだろうか、応援に来てた『何時も笑ってくれてた』友達たちも、
「あ、あれ……? 誰も笑ってないって事は面白くないのかな……? 俺も笑わない方がいいのかな……」
と思えて来た。
自己板にいる人達には説明不要だろうが、「笑い」なんて「面白さ」なんて、
所詮そんなものである。
その後のネタも、全くうけない。
遂には「あぐれっしぶぅ〜〜〜」と言う、何時も学校でウケてたネタを使うが、
やはり、反応は無し……。
怒った主人公は、「なんで俺の面白いネタで笑わないんだ」と怒って、舞台を立ち去るのだった……。
何時も通用してたネタが、所詮身内だけだったのが、
面白い面白くない無関係な現実に、直視出来なかったのだ……。
【 べしゃり暮らし33話 あるあるあーるのるのあーる 】
主人公と転校生の漫才「もどき」が終わった後、
プロの漫才コンビ「るのあーる」がネタをするらしいので、
それを見に行く事にした二人。
「ちょっと聞いてくれよ」
「なんだ? なんだって聞くよ?」
「スタンプ10個貯めるとCD一個プレゼントとかあるじゃん? 俺こないだ、やっと10個溜まったんだよ」
「おー、やったじゃん、CDゲットっ!!」
「後スタンプ一個だからって欲しくないCD買ったのに……なんで期限切れてんだ、ごらぁっ!!」
その後二人がアクション……被らせる……
「あるある♪ あーるの……るのあーる♪ よいしょ♪」と。
どっ、「あはははは」と観客大爆笑。
主人公は「?」と、「何処が面白いんだ、今のクソネタ?」となる。
「『テレビに出てる』から……『よく見る奴等』だから、
こんな内容関係無い『クソネタ』でも観客は笑えるのか?」と……。
「もう『面白い面白くない』関係ねぇじゃん……笑いって、笑いって……なんなんだ……」
と疑問に感じ、この日を契機に、彼の「笑い」のスタンスは大きく変わってしまう事になるのだった……