コテとの初絡みを『SS風』に語るスレ

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90まきひと ◆sZjCgDQbhQ
…自己紹介@2ch掲示板。
ここを閲覧している方なら知っての通り、今や機械化して腐敗してしまった板だ。
数少ない人間の生き残りがいない訳でも無い。
そんな中その生き残りの一人が道に迷い傷を負い負傷した。 その自己紹介板新人固定ハンドルを救い応急処置をしたのは、意外な人物、かつての自己紹介板の英雄まきひとだった。
しかし自己紹介板の新人コテは、助けてくれた男の正体に気付いていない。

「アナタは…?」と不思議そうに尋ねる、自己紹介板新人固定ハンドル。
「人はその人生の内に、何度も過ちを犯し大切なものを失う、そのいくつかは取り戻せるが、やはり取り返せないものも多くあるんだ。
 俺は…自己板を機械化させてしまった過ちを、そして、自己板の機械達が見て見ぬフリしてた事を見て見ぬフリしてた過ちを、ただ精一杯償おうとしてる者だ…」
と、延々と悲しそうに語る。
「アナタは、もしかして…」
しばしの沈黙の後、まきひとは「もう行った方がいい」と口を開く。

「でも…、」
「?」
「でも、どんな過ちでも、きっと何かの形では取り返せると私は信じています、だって…そうじゃなければ、悲し過ぎますから…」

一寸の迷いも無い強い瞳でそう言って来た。まきひとはただその台詞に驚嘆して返す言葉も無かった。そして去って行く、新人固定ハンドル。

「全く大胆なお忍びをされる方ですね…ハラハラしましたよ、アナタは、今、決して会っては行けない方でしょう」
まきひとの側近が現れそう言う。
「お前か、いや…話をする価値はあった、実際俺は自己板の奴等の見て見ぬフリ体質を、ずっっと見て見ぬフリしていたのも事実だ」
「でもそれは…、」
「いや、それは言い訳にしかならない、あの子みたいな子の為にも、まだ自己紹介板と戦わなければいけない。しかしあの子を見ていると心が落ち着くのだ、おかしな話だが……あの子なら、この腐った板を何か変えられるかも知れないと思った。
 誰かが自己紹介板は99%終わっていると言ったが、残りの1%を、あの子が成長した時の為に、死守しなければな…」
「はい…」

この新旧英雄の運命にも近い偶然の初絡みが、まきひとと出会い「どんな過ちでも償える」と断言した強い瞳の持ち主が、後にこの機械化した板を救う事になるとは、まだ誰も知る由もなかった。
91まきひと ◆sZjCgDQbhQ :2009/08/07(金) 14:13:49 ID:???0 BE:307267564-PLT(12001)
……コズミック・イラ72年……。
一年半にわたった地球・プラント間の戦いは、ヤキンドゥーエ宙域戦をもって、ようやくの終結をみた。
やがて双方の合意のもと、かつての悲劇の地、ユニウスセブンにおいて締結された条約は、今後の相互理解努力と平和とを誓い、世界は再び安定を取り戻そうと、歩み初めていた……。

家族との別れを思い出すシン・アスカ。思えば思うほどあの時の一瞬の惨劇を思い出す。
目の前で忌まわしき悪魔のモビル・スーツ「フリーダム・ガンダム」によって愛する妹が殺された記憶が蘇る……。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!!!!!」
涙が止まらないシン……携帯から聞こえる今は亡き愛する妹マユの声その声を聞き携帯を握り締め泣くシン。泣いたシンは呼吸を整えようと肩でゆっくりと数回深呼吸をして心を落ち着かせた。
そして、慰霊碑の方を見ると、男が立っていた。

「せっかく花が咲いたのに、波をかぶったから、また枯れちゃうね」と、声をかけてくる。
「……誤摩化せない、ってことかも」
「ん?」
「いくら奇麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす……!」
「き、み……?」
「すいません、へんなこと言って……」
話が終わり、立ち去るシン……。

化け物であり不死身の超人怪物「見えない力(脚本家なので、視聴者からは丸見え)」に守られているスーパーコーディネイター、キラ・ヤマトとシン・アスカ。新旧主役同士の『運命』の出会い、初絡みであった。
シンはまだこの時知らなかった。
先程話した前作主人公が、愛する妹を殺した仇だという事を……直属の上官である、アスラン・ザラの親友である事を、
そして……自分が、前作主人公が登場するまでの暫定主人公だと言う事を……知る由も無かった……。

この数ヵ月後、同じ場所でキラは「いくら吹き飛ばされても、僕らはまた花を植えるよ。 きっと……。」と舐めたふざけた事言ってシンに手を差し伸べるのだが、シンは、手の中に画鋲(がびょう)を仕込むのだった……。