【もし世界が100人のイテなら?】
イテ殺は思っていた
世界中の人がもし、漏れみたいに優しく他人を思いやれる人ばかりだったらいいのに
いつものように学校も行かずに部屋にこもりカーテンを閉め切って2ちゃんえんるをしてると
いきなりパソコンに変なメッセージが表示された。
「世界中の人間をあなたのような人間ににかえてしまいますか?」
YES/NO
漏れは世界中の人が他人を思いやる天国のようなユートピアを想像した。
「よし、やってみよう」
YESをクリックした
ビービービー
変な音がする…
音が収まったが周りに異変は感じられない
恐る恐るドアを開けて廊下を見回してみる
誰もいないようだ。
ダイニングを覗いてみた。
誰もいない。テレビがつけっぱなしだ
「では次のニュースです。えーと、日経平均株価はぁ〜
ん〜?これなんて読むの?振り仮名つけておけ
漏れをバカにするなよ」
いきなりキャスターがキレだした。
少し、おかしいなと思いつつも
漏れは3年ぶりに家の外へ出てみることにした
ブーブーブーブー
キィー、ドカ
車が次々に事故を起こしていた。
事故を起こした車の中から頭をさすりながら男が出てきた
「ふざけるなよ、いきなり飛び出してきやがって」
「妄想乙、お前が先にry」
醜い争いを続けている
うわぁ‥凄っ!
こんなにいっぱいの人に想われてるなんて‥
イテさんモッテモテですね!!
内容なんてどうであれ、夢中にさせてるんですもん!
禿同
イテはカリスマだよ!
周りに苦痛と不快をばらまき
煽りまくるカスw
興味があるから構っちゃうんですよね!
本当に嫌いな相手だったら関わりたくも無くなっちゃって、
反応して必死になって食いついたりしないですもんね!
興味?
俺に関して言えばイテの一番の友達だからねぇ^^
イテを見捨てるなんてできないよ!
イテが惨死するまで見守るつもり^^v
389 :
はじめまして名無しさん:2009/04/19(日) 17:31:45 ID:1lgNsjNZ0
>>387が喰らい付いて30さんが人気者だと証明中
390 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2009/04/19(日) 22:49:32 ID:4VPwR1lX0
最悪板バイバイさるさんが出た(汗
猫ちゃん電源押しちゃったんだw
392 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2009/04/20(月) 02:02:00 ID:hCmgUTcT0
バイバイ猿さんでた^^;
イテ様、(*'O'*)お(*'∇'*)や(*'・'*)す(*'ー'*)み♪
(*^-^*)ノ~~マタネー☆'.・*.・:★'.・*.・:☆'.・*.・:★
393 :
◆vN.GA73K1g :2009/04/20(月) 02:12:41 ID:phJmOU230
そっか^^;
今日はマターリお話が出来たね^^
|///|・ω・)ノオヤスミ〜|///|自動ドア
【もし世界が100人のイテなら?】
朝だと言うのにカーテンの閉め切った暗い部屋で一人の女がパソコンに
のめりこんでいる。
その女はネットの世界でイテ殺と呼ばれていた。
学校に行かなくなってかれこれ2年以上
母や父などが「学校に行きなさい」という回数も最近では減ってきた。
2ちゃんねるのイテスレでは相変わらず30がイテ殺を叩き
特厨非FANがそれを擁護し、C3/POなどを煽り叩きまくっていた。
頭のよくないイテはそれを良しとしているどころか
嬉しさすら感じていた。
リアル世界ではだれにも相手にされないイテが唯一、人に
相手にされている空間だった
だが、今日はいつもにもましてイテ叩きが多かった。
そして、そんな日に限ってひーふぁんもいなかった。
「あーあ、この世がみんな漏れみたいに善人ばかりだったらいいのに」
ふと、そう思ったイテはそれをスレに書き込んだ。
すると…
382 :X :2009/04/19(日) 15:47:50 ID:???O
イテ殺さん
その願いかなえましょうか?
謎の人物がイテ殺にレスを返してきた。
383 : ◆vN.GA73K1g :2009/04/19(日) 15:50:55 ID:DHhPj+930
もちろんだよ
もし世界中が漏れみたいに善人だらけだったら
平和になるんじゃないかな?
そう書きこみながらイテは自分を退学にまで追い込んだ
イジメグループのやつらの顔を思い浮かべていた
イテ殺は世の中は善と悪に完全に分かれ、自分はそれを完ぺきに判断できる
人間だと勘違いしていた。
384 :X :2009/04/19(日) 15:53:50 ID:???O
わかりました
その願いかなえましょう
ポン
イテのパソコンに突如、ポップアップが出現した
「世界中の人間をあなたと同じに変えますか?」
yes/no
普通の人間なら、悪質な詐欺を警戒して
シャットダウンするなりポップアップを閉じるなりするのだが
頭の弱いイテはそこまで考えが回らなかった。
イテは迷いもなくYESを押した
「ぽちっとな」
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
なにも起きない…?
イテは試しに更新ボタンを何回かカチカチ押してみる。
Xからのレスは勿論、だれからのレスも付いていない
自分の部屋に置いてあるテレビをつけてみた。
普段はドラマやアニメにしか使われないかわいそうなテレビだ。
だが、その時ちょうどニュースをやっていた。
「続いては佐世保殺人事件の続報です。犯人の男は
警察の取り調べに対し『妄想乙ww 警察は何年も漏れを追うなんて
粘着すぎ 漏れは善人だ』などと意味不明な供述をしているとのことです。
続いては経済です。日経平均株価は…なにこれ、ねぇ、これ何て読むの?
あぁ、終値は…えーと、1てん・・・ 前日に比べて…53ぽいんと…
なんだこれ!!漏れに対する嫌がらせ乙!!」
いきなりニュースキャスターが発狂し始めた。
それを見ていたイテ殺は「醜いな…」と思いつつテレビを消した。
「んー、どこが漏れのような人間の世界なんだろ」
イテはベッドに仰向けに倒れこんだ。
キキーードン
キゥーードン
車がスリップしどこかにぶつかる音が何回かした。
「?」
数か月開けてないカーテンを久々に開けてみた。
街のあちこちで煙が上がってる。
家の前で車が事故を起こしていた
赤い車の運転手が運転席でぐったりしているのが見えた
赤い車に突っ込んだと思われる白い車の運転手が
救急車を呼ぶでもなく言い訳を連ねていた
「お前が悪いんだ。妄想乙。漏れは悪くない。漏れは人が困ってるのを見ると…」
運転手が言い終わる前に突然飛び出してきた別の車にその運転手もはねられた。
イテは知る由もなかったが、すべての人間がイテと同じ知能レベルになったため
アクセルとブレーキを間違う事故が多発。幸い、マニュアル車は動かすことすら
できなかったため、事故は起こらなかったが現代日本で大多数を占めるATを
運転している『イテの分身』は次々に常識ではありえないような事故を起こしていた。
救急車はMTだったため、一台も出動できずにいた。困った救命救急士は
自転車で現場に駆け付けるという暴挙に出た。流石のイテも自転車ぐらいは漕げたので
現場に行くことはできたが、どうやってけが人を運ぶつもりなのかは見当もつかない。
流石のイテも不審に思い、数か月ぶりに家の外に出てみることにした
イテはしみじみと回顧してみた。
最後に家を出たのは心療内科という名前の精神病院に行ったときだ。
眼鏡の中年が「ゆっくりなおしていきましょう」などと知ったような口を
きいてきた。イテは「学校に行け」などとしつこく言う担任、両親、精神科医が
嫌いだった。それゆえ、中年嫌いになるのもイテにとっては必然だったといえる。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いというやつだ。
自分のその差別主義的な考えが世界に及ぼす影響など一寸たりとも考えていなかった。
自分の部屋のドアをゆっくりあける
幸い、いまは家にはだれにもいないようだ
両親は自営業だった。
イテが贅沢にNEET暮らしできるほどの稼ぎがあるわけではなかったが
両親はイテが学校に復帰する日を期待し、イテに出資を続けていた。
もちろん、イテは両親の苦労など知りもしなかった。
数か月ぶりに軽く外出できる格好をして玄関に向かった。
厭味ったらしく玄関にはイテの学生靴が並べてある。
実際はイテがいつでも学校に復帰できるようにという両親の粋な計らいだったが
イテには厭味以外の何物でもなかった
「これだから中年ってやつは…粘着乙」
イテは独り言を言いながら学生靴を尻目に外出用のおしゃれな靴を履く。
その時、玄関の扉がガチャリと開いた。父だった。
「顧客のやつら、妄想乙。オウム返ししかできないのか
漏れはもう限界だ。仕事辞める」
「!?」
内心、自分の快適な無職生活の崩壊の音を聞いたようで穏やかではなかったが
自営業ということで明日には気を直して仕事に出てるだろうと
無理やり楽観視して「でかけてくるね」とぽつりとつぶやくと
振り切るように外に出た。
さっき、家の前で事故を起こしてた車の前に消防庁のヘルメットをした
救急隊員がぼけーっと立ち尽くしている
「漏れ…応急処置とか…わからないんだけど」
救急隊員がぶつぶつ呟いている。
それ以前に、赤い車の運転手はすでに死んでいた。傍目から素人が見ても
それがわかった。
救急隊員に近寄るとイテは
「もう死んでるよ」と言った。
「妄想乙、漏れは何もやってない件」
何もやってないから死んだんだろと突っ込みたいのを我慢して
イテは心療内科に足を運ぶことにした。
先生なら…先生なら何とかしてくれる。
すっかり日が暮れかけた道中、前から3人組の女が歩いてきた。
漏れをいじめてたやつらだ。イテの身勝手な善悪レーダーで言うところの
「悪」の代名詞だった。
イテはどこかに隠れようと思ったが一本道の道中で隠れるところもなく
3人組と直面してしまった
「因数分解ってなんだっけ?」
「Be動詞?妄想乙」
「サ行変格活用ってあるくらいだからタ行変格活用もあるよね?」
「I am a pen.」
3人は定期テストが近いらしく教科書を見ながらごちゃごちゃ話していたが
正面にイテがいることに気がつくと「あら」と声をかけてきた。
「いつ学校に来るの?みんな心配してるんだよ?」
「そうそう、クラスのみんなにもイテ名義で抗議しておいたよ」
「うん、漏れをいじめるなってイテが言ってたって」
おせっかいを焼いた揚句に、勝手に人の代理で滅茶苦茶なことをしでかすのは
まさにイテ本人がやらかすことなのだが、イテは3人の自分勝手さに怒りがわいていた。
「漏れ、急いでるから」
「うん、早く学校に来てね」
やっとこさ、病院についた。
院内に入ると受付カウンター越しに看護婦が話しかけてくる
「予約はありますか?」
「予約はないんですけど、ちょっとみてもらいたくて
何カ月か前に来たことがあります」
「じゃあ、診療カードのほうをご提示ください」
(あ、確かにそんなものがあったな…どっかにいっちゃった)
「もってないんですけど…」
「そうですか…では、お名前のほうを」
イテは自分の名前を述べる。看護婦はコンピューターに向かって名前をカタカタ
入力した。
「残念ですが…記録のほうはありませんね」
「そんな…数か月前に来たんですよ?もう一回確かめてください」
「妄想乙www粘着は嫌いなの」
「粘着って…そんなんじゃないですから、いいから調べてください」
「捏造乙。お前が当病院にきたってソースはあるのか?」
「ソース…もういいです」
イテは病院を立ち去った。
太陽は姿を隠し、辺りは薄ぼんやりとした逢魔が時になっていた。
ぐー。お腹の音が鳴る。
スーパーで何か調達してまたネットにふけろう…
いつも、「出かけてくる」と言って夢の世界へと出かけていたが
リアルで出かけたのは久しぶりだ。
何か妙な充実感があった。
ふと横を見ると『レミオメロン sakura 発売』と書かれたポスターが貼ってあった。
イテは何の違和感もなく通り過ぎた。
スーパーは一見、混乱をきたしていないように見えた。
実はそうではなかった。
「チャーハンセットからあげつき…どれどれ 430円のところを…10%OFF!
こりゃいいや。10%OFFで…43円?」
かごに入れる
「次はっと、お、味噌ヌードルがまとめ売りされてるぞ
3個270円!安いな。一個80円か」
かごに入れる
「メロンがうってる。フルーツ系は6%還元!やった
メロンが437円だから…6円かな」
イテレベルの知能で売り出された商品の価格はめちゃくちゃだった。
結局イテは2430円でこってりした料理を沢山買い上げて行った。
家に帰ると母がダイニングで家計簿をつけていた。
「はぁ…今月も赤字だわ…」などと言いながら電卓をたたいてるが
電卓の数字と家計簿の数字はまったく関連性のないものだった。
ただ電卓を叩いてただけだった。
そもそも、母はそれが赤字がどうか理解してなかったが
赤ペンを使って家計簿をつけていたのでまさしく「赤字」であると
勝手に勘違いしてた。
イテは「ただいま」と小さく母に投げかけると
逃げるように自分の部屋に飛び込んだ。
こんなイテ殺でも罪悪感は感じていたようだ。
脂っこい夜飯を平らげながらイテは数時間ぶりに自スレを覗いた
ひーふぁんが来ているようだった
402 : ◆vN.GA73K1g :2009/04/19(日) 20:17:55 ID:DHhPj+930
ひーふぁん
こんにちはー
今日は大変だったよ><
403 :特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2009/04/19(日) 20:19:00 ID:hCmgUTcT0
姫が漏れを裏切ってたなんてショックだ
姫も煽りのやつらと同じだったんだね
404 :30 ◆RPG8JNHiII :2009/04/19(日) 20:21:34 ID:???0
イテは漏れとは違うよ
漏れはイテとはもう縁切るわ
あとは勝手にやってくれ
スレの雰囲気が一変していた
あの粘着質だった30が一瞬で縁切りを宣言したのにも驚いた。
と、その時
ドガーン
いきなり炎がドアを突き破ってイテに突っ込んできた。
「ぷぎゃぁああああああああああああああああああああああ」
謎の炎がイテの全身を覆う。
「ぎゅぅおおあああああ」
パソコンの画面が乱れ火花を散らして消えた。
「何があったんだ…」イテは窓から外への脱出を試みた
イテは知らないことだが、イテの母親がイテと同レベルの知能になったために
ポテトを作るのに芋をアルミホイルに巻いて電子レンジでチンしたために
大爆発が起きたのであった。
幸い、大火傷というほどの外傷ではなかったが
大けがを負ったことには変わりない
「きゅー…きゅー…しゃ」
ほとんど動かない手をひとさし指だけ使って119のボタンの押す
『はい、消防ですか?救急ですか?』
「た…すけて…救急です…大やけどをを負ってるんです…」
『妄想乙ww本当だって言うなら病院まで来てみなさい』
ガチャ プー
なんてやつだ
いまきた道をボロボロの体を引きずりながら病院へ向かった
ガチャ
「た…すけて…」
さっきの看護婦がまだ受付カウンターに座っていた。
「どうされましたか?」
「見てわかるだろ…大やけど…」
「妄想乙」
「そんな…」
イテは絶望的になった。
看護婦が頑なにイテの治療を拒否したのには理由があった。
医者も全員、イテ並の知能になっていたので誰も手術できなくて
病院をバックれていた。
責任を放棄して逃げ出すところがイテそっくりだったが
それがいま、イテ自身を苦しめていた。
やっと、これがイテ自身が作り出した世界だとイテも気がついた。
ボロボロのからだに鞭を打ってさらにネットカフェまで足を運ぶ。
幸い、ネットカフェ自体はイテ並の知能でも運営できた。
411 : ◆vN.GA73K1g :2009/04/19(日) 21:47:25 ID:DHhPj+930
たすけて…おい
X、出て来い
412 :X :2009/04/19(日) 21:49:10 ID:???O
どうしました?
せっかく、あなたの言う通りの世界になったのに
413 : ◆vN.GA73K1g :2009/04/19(日) 21:51:13 ID:DHhPj+930
どこが
漏れと全然違うじゃないか!
414 :X :2009/04/19(日) 21:54:10 ID:???O
しようがないですねぇ…
では、元の世界に戻しましょう…
それでいいですね?
415 :特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2009/04/19(日) 21:56:00 ID:hCmgUTcT0
姫。何の話してるの?
漏れは善人だよ
その時、イテがまたもよからぬことを思いついた。
416 : ◆vN.GA73K1g :2009/04/19(日) 21:58:13 ID:DHhPj+930
みんな、ひーふぁんと同じになる世界にしてくれ
417 :X :2009/04/19(日) 22:02:13 ID:???O
え?
いいんですか?
ラストチャンスですよ?
418 : ◆vN.GA73K1g :2009/04/19(日) 22:04:38 ID:DHhPj+930
早くしてくれ
またポップアップが現れた
「世界中の人間を特厨非FANと同じに変えますか?」
yes/no
イテ殺は迷わずYESを押した。
携帯をかけなおす
『はい、消防ですか?救急ですか?』
「大けがをしてるんだ。救急車を…」
『大変だ、すぐに出動します』
特厨非FANが医者並の知識があったわけではなかったが
幸い、イテは素人の治療でも助けることができた。
数ヶ月後、イテは全治した
だが、帰る家がなかった
そんなイテにもみんな優しくしてくれた
「帰る家がないの?よかったら私の家に住む?」
「怪我が完治するまで働かなくていいからね」
−数年後
親戚の家に寄生して相変わらずNEET生活を続けているイテがいた
甘やかしてるだけ前よりひどかった
体重はすでに100kgを突破した。
メーターが1周振り切って以降はイテは体重計に乗ったことがない。
「漏れ、月極っていう大手駐車場チェーンに就職しようと思うんだけど」
などと間の抜けた発言をしても
「まだ、働かなくていいよ。ゆっくりしてなさい」
だが、ある日突然
「働かないなら出て行けよ」と親戚はイテを冷たく突き放した。
だが、40を超えたクソデブなど誰も採用するわけなかった。
その時、イテ殺は初めて気がついた
ひーふぁんは「姫を助けている自分」に酔っていただけだったということに
そして、うわべだけの優しさは何も生まないということに
気がついた時には手遅れだった
あの時、なぜ30があっさり自分と縁を切ったのか
夕焼けの中100kgを超える巨大な体を縮こませながら
行くあてもなくただフラフラと街をさまよっていた。
fin