152 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :
S-Rはイテ殺の頭をよしよしと撫でると、ベッドの方に連れていって座らせた。
そしてS-Rもその隣にちょこんと座って、彼女の方に向き直った。泣きはらして
いたイテ殺が顔を上げた。S-Rはいつものような優しい笑顔を取り戻していた。
「大丈夫だよ、僕はどこに行ったりもしないのだ ずっとイテ坊だけのものなのだo(´□`o) 」
イテ殺は泣き崩れた。
「ごめんね・・・・・・ごめ、ごめんね・・・・・・漏れも、漏れの心はずっとS-Rと
一つだから・・・・・・絶対裏切ったりしないから・・・・・・だから、信じて・・・・・・
漏れを信じて欲しいんだ((^┰^))ゞ」
S-Rは無言で頭を下げ、イテ殺の頬に唇をつけて彼女の涙をふきとった。
そして猫なで声で、
「うふふ、子供なんだからイテ坊は・・・・・・m9(^Д^) 」
S-Rはイテ殺の肩に手をかけ、彼女を優しく押し倒し、自分も一緒に倒れた。
二人は制服のまま、ベッドの上で仰向けになっていた。
153 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:01:15 ID:I7AWk9aG0
S-Rは脇にあった豹柄の毛布を手繰り寄せ、自分とイテ殺に覆い被せた。
そして、子猫のように丸まったイテ殺を抱きすくめた。はぁ?・・・、とイテ殺が息を呑む
音が聞こえた。背中に回した腕からドクンドクンと彼女の激しい心拍音がする。
イテ殺がS-Rの顔を上目遣いで見ていた。突然のことに口が開き、額にはうっ
すらを汗を掻いている。S-Rが視線を合わせると、イテ殺はどうしていいか
わからないといった風に、目をキョロキョロと微妙に逸らす。S-Rは微笑んだ。
(うぶな子だ・・・・・・本当に可愛いのだ、イテ坊は^^)
S-Rはイテ殺を自分に引き寄せて、あごを彼女のオデコにあてた。かすかに
汗の匂いがした。赤ちゃんみたいな香りだ。一方のイテ殺は、目の前にドアップ
されたS-Rの胸元に釘付けになっていた。同性の胸元をこんな間近で見るのは、
生まれて初めてだったりする。元々イテ殺は少し奥手なところがあったので。
(ああ、S-R・・・・・・・漏れ、漏れ、ずっとこのままでいたいよ。ねぇ、神様・・・・・・><)
154 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:06:16 ID:I7AWk9aG0
イテ殺が至福に浸る間もなく、S-Rが後ろ手でリモコンを使って部屋のあかりを
消した。
(S-R・・・・・・!?)
秘密の部屋は静寂に包まれた。二人にとって、外界は全てシャットアウトされ、
そこではまきひとあにきぃも、ふぅたんも、プリンスたちも関係なかった。
ふと、S-Rが体を少し起こす気配がした。次の瞬間、はぁ?という溜息と、
生暖かい空気がイテ殺の耳元を襲った。
「・・・・・・ひゃっ!」
たまらずにイテ殺は叫んだ。全身に悪寒が走った。しかしその悪寒はたちまちの
うちにゾクゾクする快感へと変わっていった。イテ殺は無意識の内に、S-Rの手を
強く握り締めていた。その手はこう言っていた。
(お願い、続けて・・・・・・もっとやってよ、S-R―――!)
155 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:10:05 ID:I7AWk9aG0
S-Rはイテ殺のそんな反応を見て、続けざまに耳元に暖かい吐息を吐きかけた。
そのたびに、イテ殺のつま先に電流が走った。S-Rは吐息の合間には細くて長いその指で、
イテ殺の髪を優しく掻きあげた。イテ殺は天にも昇る心地だった。
(ああもう漏れ、愛されてるよ!・・・・・・S-Rに、S-Rに、)
S-Rは続けて、イテ殺の喉にそっと口付けをした。まるで蜜柑の果肉のようなプチっと
した感触がイテ殺の神経回路をつたって脳髄に伝わる。イテ殺は、S-Rにされたように
彼女の漆黒の髪に手を伸ばし、ぎこちなく梳いた。彼女もS-Rにお返しをしてあげた
かったのだ。やや縮れがちなイテ殺の髪の毛とは違い、ストレートのS-Rの髪の毛は
すべるような感覚があった。
しかし喉元に口付けしたS-Rの唇が喉を伝って、上の方に上ってくると、イテ殺は
もう反撃ができなくなった。鼓動が高ぶり、何も考えている余裕がない。イテ殺の頭の
中は真っ白になっていた。S-Rはときどき移動速度を緩め、途中でパクパクと唇を
動かし、イテ殺の喉や顎を優しくかんだ。十分に焦らして、そしてあの約束された場所へ―――
156 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:12:56 ID:I7AWk9aG0
「―――――――!!!!!」
あごを伝って上ってきたS-Rの唇が、とうとうイテ殺の唇と重なった。運命の瞬間、
イテ殺にとってはこれが正真正銘のふぁーすと・きすだった。
(・・・・・・しちゃった、しちゃったよ、S-Rと・・・・・・・漏れ、生きてて良かった・・・・・・)
イテ殺は感極まってまた大粒の涙を流した。それを見たS-Rは、イテ殺を攻めるのは
終わりにして、彼女を今までで一番強く、強く抱きしめた。誰よりも強く確かな抱擁を。
30分ほど、そうしていただろうか。イテ殺がそっと口を開いて囁いた。
「ねぇ、S-R。永遠って信じる?(〃⌒ー⌒〃)ゞ」
「急に、何言い出すのだ・・・o(´□`o) 」
S-Rは、あまりに素直なイテ殺の質問に戸惑いながら、笑った。
支給された簡易固定ランプの灯りは消していたけれども、目が慣れてきて、
月明かりでお互いの顔が見えるようになっていた。
157 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:15:56 ID:I7AWk9aG0
イテ殺は真剣な目でいった。
「漏れ、信じるよ、えいえん。ここに、今漏れの目の前に、あるもの―――」
そう言って、イテ殺はS-Rの胸元を指差した。
「馬鹿、なんで胸なのだ。エッチ!m9(^Д^)」
S-Rがイテ殺にからかいの言葉を投げると、さっとイテ殺の頬が紅潮した。
すかさずそのほっぺにS-Rは人差し指を付きたてた。
「あー^^ イテ坊赤くなってるのだー^^」
「ちょっ・・・・・・・S-Rっ・・・!? アウッ(>_<☆θ=(`−´#)o」
イテ殺はほっぺを膨らませて抗議した。そして怒ったような顔できっ、と
S-Rを睨みつけた。
「やれやれ、イテ坊にはかなわんわいo(´□`o)」
S-Rは降参のポーズをとって、折畳み式の小型ベッドから飛び降り、
ベッドの淵をデザインする総統の顔写真に髭を書いて見せた。
そして二人はぷっと吹き出して 笑い出した。
誰も見ていない、誰にも邪魔されない、閉ざされた漆黒のテント部屋を、
二人の笑い声が包んでいた―――――