146 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :
S-Rは高笑いしていた。
「今頃あの女、まきひとあにきぃの餌食になってる頃だね いい気味なのだ・・・!(´□`o) 」
「S-R・・・・・・」
残忍な目で笑い転げるS-Rを見て、イテ殺は当惑気味に呟いた。わかっていたこと
とはいえ、彼女のこんな姿は見たくなかったのだ。しかし当の本人はイテの心模様など
察しているはずもなかった。
「とうとうやった^^ あの女、バカみたいに僕の罠にはまっちゃって・・・
・・・ふっふっふ、だいたいなんであの女が抱かれたいランク(※)1位なのだ o(´□`o) 」
※2008年度自己板anan『抱きたい女固定ランキング』
http://vote2.ziyu.net/html/wrdssa.html S-Rは立ち上がってベランダに出て大きく伸びをし、満月の月明かりを体一杯に
浴びた。そして、夜空を鋭く睨みつけた。
「破滅さ・・・・・・あんな女・・・・・・僕が、この僕が・・・・・・どんなにこの日を
待ち望んでいただろうかo(´□`o) ざまあみろだ^^」
話は二時間ほど前に遡る。
147 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 02:41:28 ID:I7AWk9aG0
クラスメートと共に就学旅行に旅立ったイテとS-R。
ところが、道中のバス車内での団欒から記憶が途切れ、気がつくと見慣れない建物の中に
鎮座させられていた。皆が起きて間もなく、担任のぇりが、黙って黒板にチョークで文字を書き殴った。
バ ト ル ロ ワ イ ア ル
「えぇー、ミンナも知ってるだろうけどー、通称BR法。
今回のプログラムには皆さんが選ばれましたぁ! 先生嬉しいなー。
これで引退しなくても済むみたいだしぃー」
はい! 注目ぅ〜。」
「注目ぁー!!」「注目うぇーー!!」
専守防衛軍兵士たちの耳障りな怒鳴り声と共に教室に物騒な武器が運ばれ、
簡単なゲーム説明と共に配られた後は、山林に放り出されたイテ達だった。
148 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 02:45:52 ID:I7AWk9aG0
仲が良かった二人は、手に手を取り合って逃亡、
しかし、開けた廃村の周囲は、四方八方が樹海となっていて、
逃げるにも林野でノタレ死ぬしかないらしい。
そこで仕方なく、辿り着いた廃校跡に潜んでいて、
抱きたい女コテランキングNo.1の夏美(ふぅたん)と出くわしたのだ。
「やだ。ふぅたん怖い、逃げようよ><」と腕を引っ張るイテを尻目に、
姉役のS-Rは「そこにいて万歳をするのだ」と意味不明な指示、
丸腰のイテを見てアイスピックで襲い掛かって来たふぅたんの背後に回り、
支給されたマイクロウージー(9ミリ)で躊躇うことなくふぅたんを射殺したS-Rだった。
射殺直後、ふぅたんの下着を奪いに駆けつけて来た変態まきひとを柱の影から見て笑い、
そこから小走りで立ち去って、樹海に少し入った所に簡易式のテントを設営する。
149 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 02:51:19 ID:I7AWk9aG0
「あの・・・・・・S-R・・・」
S-Rが振り返ると心配そうに彼女を見つめるイテ殺の姿があった。
「どうしたイテ坊・・・? おまいも喜ぶのだ^^・・・あんな年増がいつまでも
1位とってちゃかなわんのだo(´□`o)」
イテ殺は目をぎゅっとつぶって首を横に振った。
「・・・・・・も、もう止めてよS-R・・・・・・・外に聞こえちゃうよ・・・・・・外道が来ちゃうよ・・・・・・
・・・それに漏れ、S-Rのそんな姿・・・・・・見たくないんだ」
イテ殺はS-Rと目を合わせずに、言った。
「何言ってるんだ・・・・・・僕が、あの女のせいで、どんな悔しい思いしたか
理解してないのではないか・・・どいつもこいつもふぅたんふぅたん・・・って、うるさいわっヾ(`□´o) 」
詰問調でS-Rはイテ殺をなじる。イテ殺はどうしていいか分からない。
「え・・・・・・ごめん、漏れったら・・・」
「あの女のせいで僕はっ!!・・・・・・この1年半、今日だけのために生きてきたよな
もんだ やってられん・・・ってぇ、イテ坊だって分かっとるんだろが^^」
S-Rは両手で小柄なイテ殺の肩を掴み、激しく揺さぶった。イテ殺は、ひっく・・・ひっく・・・。
と泣き出してしまった。
150 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 02:54:31 ID:I7AWk9aG0
S-Rの顔に初めて正気が戻った。その顔は後悔の念が浮かんでいる。
「あ・・・・・・ごめんな・・・・・・イテ殺? 僕、言い過ぎ・・・」
S-Rがそう言い切る前に、イテはS-Rの胸にがしっ!としがみついた。
「ごめんね、S-R・・・・・・>< 漏れ、漏れ・・・・・・S-Rが抱きたい女コテランキングで
1位になりたいの知ってたのに ・・・(-"-;A ... それ知ってたのに漏れ、
もっと喜ばなくちゃいけないのに・・・・・・ごめんね、漏れ。 なんか、S-Rの・・・
・・・今のS-R見て怖くなっちゃって・・・・・・ううん、怖いんじゃないんだけど、
その・・・・・・なんていうか漏れ、復讐に燃えるS-Rの姿なんか見たくないっていうか・・・
・・・S-Rが純粋に心の底から笑ってる時のあの優しい笑顔が好きだから・・・・・・
あの、甘えたこと言ってごめんね^^; でも、今日のS-Rはいつもと違うと
いうか、心がどっかに飛んでいっちゃうような気がして・・・・・・もう戻って
こないんじゃないかって、その・・・・・・漏れ、すごく怖くて・・・・・・・・・
・・・・・・ごめん、漏れ、変なこと言ってるよね? ごめんなさい・・・・・・><」
はっきり言ってツマンネ
152 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 02:58:29 ID:I7AWk9aG0
S-Rはイテ殺の頭をよしよしと撫でると、ベッドの方に連れていって座らせた。
そしてS-Rもその隣にちょこんと座って、彼女の方に向き直った。泣きはらして
いたイテ殺が顔を上げた。S-Rはいつものような優しい笑顔を取り戻していた。
「大丈夫だよ、僕はどこに行ったりもしないのだ ずっとイテ坊だけのものなのだo(´□`o) 」
イテ殺は泣き崩れた。
「ごめんね・・・・・・ごめ、ごめんね・・・・・・漏れも、漏れの心はずっとS-Rと
一つだから・・・・・・絶対裏切ったりしないから・・・・・・だから、信じて・・・・・・
漏れを信じて欲しいんだ((^┰^))ゞ」
S-Rは無言で頭を下げ、イテ殺の頬に唇をつけて彼女の涙をふきとった。
そして猫なで声で、
「うふふ、子供なんだからイテ坊は・・・・・・m9(^Д^) 」
S-Rはイテ殺の肩に手をかけ、彼女を優しく押し倒し、自分も一緒に倒れた。
二人は制服のまま、ベッドの上で仰向けになっていた。
153 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:01:15 ID:I7AWk9aG0
S-Rは脇にあった豹柄の毛布を手繰り寄せ、自分とイテ殺に覆い被せた。
そして、子猫のように丸まったイテ殺を抱きすくめた。はぁ?・・・、とイテ殺が息を呑む
音が聞こえた。背中に回した腕からドクンドクンと彼女の激しい心拍音がする。
イテ殺がS-Rの顔を上目遣いで見ていた。突然のことに口が開き、額にはうっ
すらを汗を掻いている。S-Rが視線を合わせると、イテ殺はどうしていいか
わからないといった風に、目をキョロキョロと微妙に逸らす。S-Rは微笑んだ。
(うぶな子だ・・・・・・本当に可愛いのだ、イテ坊は^^)
S-Rはイテ殺を自分に引き寄せて、あごを彼女のオデコにあてた。かすかに
汗の匂いがした。赤ちゃんみたいな香りだ。一方のイテ殺は、目の前にドアップ
されたS-Rの胸元に釘付けになっていた。同性の胸元をこんな間近で見るのは、
生まれて初めてだったりする。元々イテ殺は少し奥手なところがあったので。
(ああ、S-R・・・・・・・漏れ、漏れ、ずっとこのままでいたいよ。ねぇ、神様・・・・・・><)
154 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:06:16 ID:I7AWk9aG0
イテ殺が至福に浸る間もなく、S-Rが後ろ手でリモコンを使って部屋のあかりを
消した。
(S-R・・・・・・!?)
秘密の部屋は静寂に包まれた。二人にとって、外界は全てシャットアウトされ、
そこではまきひとあにきぃも、ふぅたんも、プリンスたちも関係なかった。
ふと、S-Rが体を少し起こす気配がした。次の瞬間、はぁ?という溜息と、
生暖かい空気がイテ殺の耳元を襲った。
「・・・・・・ひゃっ!」
たまらずにイテ殺は叫んだ。全身に悪寒が走った。しかしその悪寒はたちまちの
うちにゾクゾクする快感へと変わっていった。イテ殺は無意識の内に、S-Rの手を
強く握り締めていた。その手はこう言っていた。
(お願い、続けて・・・・・・もっとやってよ、S-R―――!)
155 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:10:05 ID:I7AWk9aG0
S-Rはイテ殺のそんな反応を見て、続けざまに耳元に暖かい吐息を吐きかけた。
そのたびに、イテ殺のつま先に電流が走った。S-Rは吐息の合間には細くて長いその指で、
イテ殺の髪を優しく掻きあげた。イテ殺は天にも昇る心地だった。
(ああもう漏れ、愛されてるよ!・・・・・・S-Rに、S-Rに、)
S-Rは続けて、イテ殺の喉にそっと口付けをした。まるで蜜柑の果肉のようなプチっと
した感触がイテ殺の神経回路をつたって脳髄に伝わる。イテ殺は、S-Rにされたように
彼女の漆黒の髪に手を伸ばし、ぎこちなく梳いた。彼女もS-Rにお返しをしてあげた
かったのだ。やや縮れがちなイテ殺の髪の毛とは違い、ストレートのS-Rの髪の毛は
すべるような感覚があった。
しかし喉元に口付けしたS-Rの唇が喉を伝って、上の方に上ってくると、イテ殺は
もう反撃ができなくなった。鼓動が高ぶり、何も考えている余裕がない。イテ殺の頭の
中は真っ白になっていた。S-Rはときどき移動速度を緩め、途中でパクパクと唇を
動かし、イテ殺の喉や顎を優しくかんだ。十分に焦らして、そしてあの約束された場所へ―――
156 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:12:56 ID:I7AWk9aG0
「―――――――!!!!!」
あごを伝って上ってきたS-Rの唇が、とうとうイテ殺の唇と重なった。運命の瞬間、
イテ殺にとってはこれが正真正銘のふぁーすと・きすだった。
(・・・・・・しちゃった、しちゃったよ、S-Rと・・・・・・・漏れ、生きてて良かった・・・・・・)
イテ殺は感極まってまた大粒の涙を流した。それを見たS-Rは、イテ殺を攻めるのは
終わりにして、彼女を今までで一番強く、強く抱きしめた。誰よりも強く確かな抱擁を。
30分ほど、そうしていただろうか。イテ殺がそっと口を開いて囁いた。
「ねぇ、S-R。永遠って信じる?(〃⌒ー⌒〃)ゞ」
「急に、何言い出すのだ・・・o(´□`o) 」
S-Rは、あまりに素直なイテ殺の質問に戸惑いながら、笑った。
支給された簡易固定ランプの灯りは消していたけれども、目が慣れてきて、
月明かりでお互いの顔が見えるようになっていた。
157 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :2008/07/26(土) 03:15:56 ID:I7AWk9aG0
イテ殺は真剣な目でいった。
「漏れ、信じるよ、えいえん。ここに、今漏れの目の前に、あるもの―――」
そう言って、イテ殺はS-Rの胸元を指差した。
「馬鹿、なんで胸なのだ。エッチ!m9(^Д^)」
S-Rがイテ殺にからかいの言葉を投げると、さっとイテ殺の頬が紅潮した。
すかさずそのほっぺにS-Rは人差し指を付きたてた。
「あー^^ イテ坊赤くなってるのだー^^」
「ちょっ・・・・・・・S-Rっ・・・!? アウッ(>_<☆θ=(`−´#)o」
イテ殺はほっぺを膨らませて抗議した。そして怒ったような顔できっ、と
S-Rを睨みつけた。
「やれやれ、イテ坊にはかなわんわいo(´□`o)」
S-Rは降参のポーズをとって、折畳み式の小型ベッドから飛び降り、
ベッドの淵をデザインする総統の顔写真に髭を書いて見せた。
そして二人はぷっと吹き出して 笑い出した。
誰も見ていない、誰にも邪魔されない、閉ざされた漆黒のテント部屋を、
二人の笑い声が包んでいた―――――