あの固定に『逝紙(イキガミ)』が届いたら・・・

このエントリーをはてなブックマークに追加
17まきひと
「な、何かの間違いだこれは・・・なんで俺に^^;」

『自分は特別な人種』だと信じて疑わなかった彼は、絶対自分には来る筈は無いと思っていた。

「そうだ・・・何時もの様に『晩飯うp』とレスして、『逝紙(いきがみ)』をうpしよう。みんな悲しむぞ!!」

自分がHNを使い馴れ合っている掲示板にアップロードし、周囲からの同情を貰おうと思っていた。
今まで引退宣言や自殺宣言をしてもスルーされて来たが、『逝紙(いきがみ)』をうpすれば、無視してはいられないだろう、と考えたのだ。

「俺の今日の夕飯^^」

彼は何時もの様に平静を装い『晩飯』をうpした。 所が・・・
「ぉお、美味そうだな^^」 「美味そうな晩飯だな、俺は女の方が食いたいけどな!!」
「美味しそうですねぇりさん!!」「それだけで足りるのか?」
誰一人『逝紙(いきがみ)』には触れて来なかった・・・。

「えっ?な、なんで・・・?」

そう、今までも、誰一人ぇりの晩飯内容を開きもしていなかったのだ・・・
適当に『美味しそうだねw』等と相槌を打ち合わせていたのだ・・・

「ははは・・・そうだったんだ・・・コイツ等・・・ははは・・・仲間だと思っていたのに・・・」

彼は落胆し、最後の最後に『二面性のある掲示板の人間関係の希薄さ』を学んだのだった・・・
掲示板の仲間達に憎悪の念を抱いたが、その後、ある事実に気付いた・・・

「そう言えば俺も・・・魚の『今日の一曲』流し読みだっけ・・・」

そう、彼もまた、他の仲間たちのレスを適当に流していた事に気付いたのだった・・・。


彼は残された時間を、仲間達の過去の自分宛の書き込みの閲覧に費やし、その生涯を安らかに終えた。