『行殺軍団』本部

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43まきひと ◆IuTqvUGzL.
「あたし・・・バイキンマンに抱っこしてもらわなきゃ眠れないクセがついちゃったのかしら?」

ドキンチャンは胸に回されたバイキンマンの毛深い腕をはずしながら身を起こした・・・

「こんなことじゃダメッ!どうしても保険金がいるのよ!!」

ドキンチャンは、カレーパンマンに渡されたオキシドールを握りしめた。

44まきひと ◆IuTqvUGzL. :2007/09/01(土) 08:36:42 ID:aQf2x0ob0
「食パンマンさま!あなたのために、あたしはカレーパンマンに・・・そして今、バイキンマンまでも・・・」

バイキンマンの寝息だけが響く暗闇の中で、ドキンチャンは窓ガラスのむこうの星空を見上げた・・・

「食パンマンさま・・・あなただけ!あなただけが、あたしの北極星なの!そうよ!ね?」

ドキンチャンの手が、バイキンマンが毎日「雪うさぎみたいだ」と口づけをするドキンチャンの真っ白な手が、オキシドールの蓋に伸ばされる・・・
45まきひと ◆IuTqvUGzL. :2007/09/01(土) 08:37:41 ID:aQf2x0ob0
そのときだ 。。。



「ひとおもいに殺ってくれ。長く、苦しむのはゴメンだ・・・。」


いつの間に寝返りをうったのか、背を向けたまま、つぶやくような低いバイキンマンの声が流れてきたのだ!!

46まきひと ◆IuTqvUGzL. :2007/09/01(土) 08:39:53 ID:aQf2x0ob0
「バ、バイキンマンっ?!あんた知ってたのっ!」

ドキンチャンは思わずバイキンマンの背中にしがみついた。

「ああ。・・・でも、お前が正式に籍を入れてほしいって言ってくれた時は、俺はほんとうに嬉しかったさ・・・」

ドキンチャンがバイキンマンのお城に居候するようになってから、バイキンマンが「お前・・・」と呼んだことなど一度もなかった。
いつも、「ドキンチャン・・・」だった。
47まきひと ◆IuTqvUGzL. :2007/09/01(土) 08:41:05 ID:aQf2x0ob0
[いいかい。思い切って雰囲気を変えて結婚をせがむんだよ。結婚入籍が一番怪しまれずに高額の保険金をかけられるw]

カレーパンマンの妙に爽やかな声が、ドキンチャンの頭の中にリプレイされた・・

『あの日、あたしは朝からわざとため息ばかりついてた。
 バイキンマンがお昼に作ってくれた、大好きなクロワッサンのオープンサンドも手をつけなかった・・・』

『そして、夜になって言ったのよ。泣きながら・・いつものようにバイキンマンに、なでなでされながら・・』
48まきひと ◆IuTqvUGzL. :2007/09/01(土) 08:43:33 ID:aQf2x0ob0
そして、あたしは言った・・・。

「バイキンマンさん・・・いままで、ごめんなさい。ほんとうにごめんなさい。
 あたし、わかってたわ。あなたが優秀なエンジニアだって!それだけじゃない!
 不二子姉さんは、あなたのことをルパンの足元にも及ばない、のび太以下だって。
 でも違う、そんなことない。あなたほんとうは、麦わらのルフィーより、一期より、空条承太郎よりイケてる!って!!」

・・・と。
49まきひと ◆IuTqvUGzL. :2007/09/01(土) 08:44:19 ID:aQf2x0ob0
『あの日から、あたしバイキンマンのこと。あなたって呼ぶようにしてた。
 でも、バイキンマンがあたしを「お前」って呼ぶのは今が初めてだわ。
 なにもかも知っていたのね?!いつからわかっていたの?!
 あたし、どうすればいぃの??!!』
50まきひと ◆IuTqvUGzL. :2007/09/01(土) 08:45:30 ID:aQf2x0ob0
『あぁ、でもっ!』


[金が入らなきゃ食パンマンは黒こげトーストじゃあ済まされないぜ?]

カレーパンマンの妙にハイテンションな声、
ニンニク臭い息がドキンチャンの脳裏を横切った・・・
51まきひと ◆IuTqvUGzL. :2007/09/01(土) 08:46:18 ID:aQf2x0ob0
『わからない!どぉしたらいぃの?あたし?!』

ドキンチャンは、バイキンマンにしがみついたままガタガタと震えるしかなかった。






・・・終わり・・・