真紅OBHNの古希祝い いと目出度きの事 其の70

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895きんしじゃく ◆rMP8CANARY

ある田舎での話。
夜、2人の男が飲んだ後、
酔っ払いながら線路沿いに畑の続く田舎道を歩き帰っていた。
一人の男は、喉が渇いたと言って、道添いにあったスイカ畑に入っていき、
スイカ落として割って、がぶがぶと食べ始めた。
もう一人の男は、その行為をいちおう戒めたが、
酔っ払っていたのと、男が余りにうまそうにスイカを食べるので、
自分もスイカをもぎ取り割って食べ始めた。
なんだか楽しくなって、そこら中のスイカを割り、ぐちゃぐちゃに食べた。
しかし、最初躊躇していた方の男は、酔いも冷めてきて、
電車から乗客に見られたらまずいなと思い、もうやめて帰ろうと呼びかけた。
しかし、反応がない。
もう最終電車の時間だろうし、早く帰らなくては、
畑で寝たりされたら困るな、と思いつつ、暗い畑の中を探した。
するとやはり男はスイカにまみれて横になって寝ていた。
割れたスイカを頭にぶつけて起こしてやろうと、
その辺のスイカを持ち上げたところ、最終電車がちょうど通った。
その明かりで男が見たものは、赤い果汁の滴るスイカ、ではなく、
もう一人の男のちぎれた頭と、赤く染まった首のない体だった。