【超多忙】呑んだくれがゆく6th【日記】

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448はじめまして名無しさん
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/6159/d-6.html#15

台風のフー子 9頁 小二74年9月号(のび太くん、台風をそだてる)

しずかが可愛がっている手乗りの小鳥を見せてもらったのび太は、自分も何かを育ててみたいと言い出す。ドラえもんは卵を出してみるが、何の卵だったか思い出せない。それでも卵を温めるのび太にママは生き物を飼うことを反対するが、パパがとりなす。
だが生まれてきたのは、台風の子供だった。気象台の学者が実験用に作ったものだったのだ。捨てようとするドラえもんだがのび太はいやがり、「フー子」と名づけて育てることにする。えさをあげたり散歩をしたりしてフー子と仲良くなっていくのび太。
しかし大きくなるに連れていたずらが激しくなり、ママに捨ててくるように言われてしまう。だがどうしてものび太にはフー子を捨ててくることが出来ず、なんとか家で飼って欲しいと涙を流して懇願する。
そんなある日、大型の台風が関東を直撃しようとしていた。屋根の傷んでいた所を直していなかったため、このままでは家の屋根がはがれてしまう。それを聞いたフー子は外へ飛び出していく。
フー子が台風と戦っていると知ったのび太とドラえもんは必死に応援する。その結果、台風もろともフー子も消えてしまった。夜空を見つめ、悲しむのび太。
後日、小さな風が舞っているとフー子のことを思い出すというのび太を、ドラえもんは優しい笑顔で見つめるのだった。

(解説)のび太が異端者である動物と心を通わすという、後年になって定番化する話のプロトタイプといった感じの話です。
のび太とフー子の交流も良いですが、結局自分の居場所がなく、台風からのび太たちを護ることで自分の成すべきことを見つけ、それに殉じたフー子の姿には、作者の一種冷徹な視点が生きているような気がします。
ラストのコマも不思議な余韻が残っています。