【ニッカン】プロレス界最後の夢対決「武藤vs三沢」(2004年5月22日付)
全日本の武藤敬司(41)が、ノア三沢光晴(41)とのノア東京ドーム大会
(7月10日)での対決に名乗りを上げた。武藤は全日本福島・富岡大会の行わ
れた21日、禁断のノア参戦をアピール。ファンから熱望されながら過去に実現
することのなかった2人の天才によるドリームマッチ。日本プロレス界を揺るが
す究極の頂上決戦が、いよいよ実現に向けて動き出した。
日本プロレス界に残された最後の夢対決が、ついに実現に向けて動き出した。
武藤はこの日「三沢選手はかねて許嫁(いいなずけ)。東京ドームでの相手に立
候補する」とプロポーズした。4月のチャンピオンカーニバル(CC)優勝後に
「外に目を向けていく」と他団体進出を宣言。今月には三銃士サミットにも参加し
「蝶野も橋本もあの果実(三沢)をかじっている。おれだけが食べていない」と、
三沢戦への思いを強めた。そして、夢を実現させる舞台を、ノア初の東京ドームに
定めた。
ともに41歳。新日本武藤と全日本三沢の時代から比較され続けた。ともに「天才」
と呼ばれた。99年に武藤は当時全日本社長だった三沢に対戦を求め、三沢も慎重
に言葉を選びながら前向きな姿勢を示した。01年には新日本とノアが対抗戦を開
始し、武藤が秋山と対戦するなど三沢戦実現への機運も高まったが、武藤が全日本
に移籍したことで振り出しに戻っていた。
それでも、かつてのノアとの確執を知らない武藤が全日本社長に就任し、ノアとの
絶縁関係にも変化が生まれた。今年2月の豆まきでは武藤と三沢が顔をそろえ、団体
間に雪解けの兆しが表れてきた。武藤は「プロレス界の流れは速い。おれが先月CC
で優勝したことすら、もう過去になっている。今動かないと」。運命に振り回される
ことなく自分から仕掛けた。シングル、タッグの希望については「相手の返答次第」
と三沢に一任。「三沢戦が実現すれば、その先にはオールスター戦も見えてくる」。
天才同士が、日本プロレス界に大胆な革新をもたらす機会を逃すはずはない。
http://www.nikkansports.com/ns/battle/p-bt-tp0-040522-0001.html