身体が、動かなかった。
自分では渾身の力を振り絞っているつもりなのに、指一本ぴくりとも動いてくれない。
真っ暗だった。
そこは、何も見えない真っ暗な空間だった。
いや、本当にそうだろうか。
頬に、陽射しの暖かさを感じる。
それでも、ここが暗闇であって欲しいと願った。自分の目が見えなくなっているのだとは、思いたくなかった。
全身に脂汗が滲んでくる。
叫ぼうとした。助けを呼ぼうとした。
だけど、もちろん。
声を出すことすら、できなかった。
助けて。
誰か、助けて。
悲鳴を上げようとする。
身体を動かそうとする。
それらはすべて、まったく無駄な努力でしかない。私は、何もできずにいた。
それでもまだ、ひとつだけ残されたものがある。
「……紗耶」
どこからか、私を呼ぶ声がする。まだ、聴く力だけは残されていた。
「紗耶……紗耶」
私の名を呼ぶ声。それで、自分が一人きりではないという安心感を得ることができた。
「紗耶!」
声が大きくなる。
すぐ耳元で、叫んでいるような気がする。
「紗耶! 起きろって!」
ザッ!
カーテンを開ける音。
同時に、真白い光が弾けた
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