彼らの肉体的な特徴はいわゆるインスマス面と呼ばれるもので、突出した眼球、
裂けた口、禿げ上がった狭い額である(『不思議の国のアリス』に登場する、
テニエル描くところの蛙と魚の召使を思い出していただければ良い)。若いうち
は人間と殆ど変わらぬ姿をしており、本人も自分が魚人であることを知らない
場合もある。しかし年令と共にこの特徴が顕著になり、更には単なる容貌の変化
に止まらず体構造自体が水中生活に適応できるように変化する。すなわち手足に
水かきが、首に鰓が生じ、皮膚には鱗が現れるのである。またこの血の発現を見た
者は、外的な要因によるものを除いて不死身となる。そして最後にはその祖で
あるダゴンとそっくりの魚とも蛙ともつかない姿と化して海底都市イ・ハ・ンス
レイへと向かい、彼らの神たるクトゥルフに永遠の忠誠を誓うのである。
一度彼らと交わった血は決して浄化されることはない。何代たとうと魚人の血は
その血統を汚し続け、時が来ればその血の持主を故郷へと招くのである。
この血の呪縛こそインスマス魚人の真の恐ろしさではないだろうか。
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