飼育一年生を応援するスレ

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558:||‐ 〜 さん:2007/02/11(日) 23:16:01 ID:mtLm+oom
菊正宗さん、メール確認お願いします。
559真帆ちゃんに萌 ◆HAXVvRt6oc :2007/02/11(日) 23:17:17 ID:dj1jdR22
元学生さんと、真帆ちゃんも、ここを確認すると思うので書きます。
マタ〜リは確認したと思いますが、僕は真帆ちゃんが実在したら会いたいです。
僕も真帆ちゃんと同じ、厨房です。関東に住んでいるので会うことは可能だと思います。
元学生さんと、真帆ちゃんのレスを待っています。

僕のしたいことは、真帆ちゃんに会うことです。
560えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/11(日) 23:24:08 ID:mvkf7Xqv
出会い系まがいのことをしていたら板に多大な迷惑をかけるぞ。
やめなされ。
561真帆ちゃんに萌 ◆HAXVvRt6oc :2007/02/11(日) 23:33:38 ID:dj1jdR22
えね吉さん。すみませんでした。
スレ違いに反省します。
562えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/11(日) 23:40:46 ID:mvkf7Xqv
スレ違いとかはどうでもよいな。
このスレ終わっているから。
ただ出会い系としての機能をこのスレが果たしたら
昆虫板全体に迷惑がかかる。
ちみは未成年みたいだし。
563通りすがりのオオクワ飼育一年生:2007/02/12(月) 00:48:11 ID:H0IB3p6k
530のURL途中まで読んだけど、文才ないな。
プール男に校正してもらったら、楽しめるかもナwww
564えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 01:03:47 ID:7hp5pjg7
文才もないし、
リアリティーもない。
あれでどうして信じないと言われても困る。

ここもとっとと埋めようよ!
明日は仕事だからあんまりお手伝いできないけれどね。
あっちのスレ見たでしょ?
100%釣だから。
誰も相手していないみたいだわ。
565えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 01:10:13 ID:7hp5pjg7
昆虫板の住人が面白がってURL貼っているはずでしょ?
なのにあのレスの少なさは終わっているよ。
ロリコンからしたら最高のネタがそこにあるのに皆レスせず。
他の板から来た人の方が客観的に見れるからね。
その人達が何のレスもしないで帰る時点で自演は明白。
君達はただ真帆という幻に縛られているだけ。
他の板の連中から見れば爆笑のスレでしかないんだよ。
566えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 01:15:38 ID:7hp5pjg7
証拠はないと電波も言っているからいいんじゃないの?
もう虫してとっとと埋める。
それが一番電波にとって嫌なことなんだから。
早く埋める!
567:2007/02/12(月) 02:12:25 ID:fyrDtJKa
降りしきる雨が枝々を覆う葉を叩く。
朝方から降り始めた雨は次第にその勢いを増し、鈴鹿の山々を覆い尽くすかのようだ。
あたりを満たすのは雨音と、ぬれた土の匂い。そしてむせ返るような新緑の香り。
山肌を覆う樹木は、むしろ雨をその身に受けて、益々枝を伸ばそうとするかに見える。
草木が芽吹き、その葉を伸ばして、山中が緑一色に染まる季節。見廻せば、視界に入るものはすべて、山に息づくものばかりである。
その中に、ちらりと白いものがのぞいた。
よく見れば、それは決して白くは無い。周囲の緑の中に目立つので、そして雨にぬれて冷え切っているので、目には白く映るのである。
日に焼けた傷だらけの足。裏はごわごわと固まり、石を踏んでも、痛みを感じそうにはない。
ひときわ大きく張り出した太い枝に、それはわずかにのぞけて見える。
雨に撃たれ、冷え切ったその足は、やがて新緑の中へと引き込まれた。
枝の上にうずくまる足の主は、一人の少年だ。
年のころは十二、三だろうか。伸び放題の髪を短い荒縄でまとめ、擦り切れた着物も同様に縄で腰のあたりを縛っている。
後ろ腰には山の民サンカの、ウメガイと呼ばれる大ぶりの山刀が一振り。してみるとこの少年、サンカの子供だろうか?しかしその装束は、獣の皮をまとうサンカのそれとは明らかに違う。
右手に握る手槍は、サンカが狩りに用いるものではない。戦場で侍が用いるそれを、少年の手に遣いやすく柄を断ち切ったものだ。柄の端に残る乱暴に折られた跡が、そのことを如実に物語っている。
何より少年とサンカを異にしているのは、その目だ。
サンカは如才の無い、そして冷静な狩猟の民である。その彼らの目が、少年のそれのように獣めいた表情をうかべることは、ありえないと言ってよい。
少年はその目に冥い光を宿し、眼下の山道をじ…と見つめている。これからそこを通るであろう何者かを待って、見つめ続けている。
568:2007/02/12(月) 02:13:06 ID:fyrDtJKa
少年が、鈴鹿山中のこの道を、戦帰りの武士団が通りかかると耳にしたのは、二日前。
知った場所は長島の公界【くかい】。七道往来人【しちどうおうらいにん】、道々の輩【みちみちのともがら】の集う場所だ。
すきっ腹を抱えた少年が、大道の揚げ餅屋に餅を盗みに入ると、店の主人と客らしい傀儡【くぐつ】の男との、こんな会話を耳にした。

…戦に負けた武士の一団が鈴鹿を越え、守護山名殿の庇護の下へ落延びようとしている

…山名殿御配下か、その御味方の武士だろうが、鈴鹿の山は黒蜘蛛【くろくも】が率いる山賊共の縄張りだ。とても生きては越えられまい…

少年は餅をいくつか頂戴すると、その日のうちに鈴鹿を目指して出発したのだ。
獲物がウメガイだけでは心もとないので、途中見つけた兵の死骸から槍を失敬した。
穂先に多少錆びが浮いていたが、使えぬほどの代物ではない。
足早に歩みを進めつつ、餅を食うときも歩みを止めず、ようやくこれと思える場所へ着いたのは、この日の夜明けも間近になっていた。
黒蜘蛛が武士団を襲うとしたら、この場所に違いないと少年は見極めをつけている。
峠をはるかに過ぎ、人がほっと息をつくなら、このあたり。山に対して頂上側はうっそうと森が茂り、断崖絶壁に見下ろされるよりは、待ち伏せや岩を落とされる罠と言った心配も無い。  
茂みから人が飛び出してくるなど、敵兵を振り切ったという思いに比べれば、たやすく消えてしまう杞憂のはずだ。
戦場で死体から獲物を漁るとき、物売りの店先から売り物をかっぱらうとき、彼の勘働きは常に安全な場所、道筋を教えてくれる。そんな自分の勘働きを、少年は信じて待っている。
武士団を助けるつもりは毛頭ない。かといって、黒蜘蛛に味方して配下に加えてもらおうとも思わない。
どちらでもよい。ころあいを見て優勢なほうに味方し、分け前を少しでももらえれば恩の字だ。あとは死体から目ぼしいものを頂いて、さっさと尻をまくってしまえばよい。それだけで、住む家はもちろん親もないこの少年が、一人で食べていくには充分なものが手に入るのである。
降りしきる雨の音も耳に入らぬかのように、少年は眼下の山道に視線を注ぎ続けていた――。
569:2007/02/12(月) 02:13:43 ID:fyrDtJKa
 少年がどこで生まれ、どこから長島の公界に流れてきたのか、知る者はいない。当の本人に話すつもりが無かったからだ。以前の在所を逃げ出したときにそう決めていたし、その時、自分の名前も捨てている。
下手に名前を言って、連れ戻されたりしてはかなわない…その思いと、在所を捨ててからすごした日々が、彼の脳裏から名前の記憶を消し去ったのだ。
山名、細川両氏の争いに端を発する戦乱の中では、名前などなくてもどうと言うことはなかった。その日その日を生きるのに精一杯の暮らしに、名前のある無しは関わりがない。
ただ目の前にあるものを喰らい、他人に隙を見つければ盗み、死に物狂いで逃げ延びる。それが、今日まで少年が送ってきた生活の全てだった。
二親の記憶は、薄ぼんやりとだが、残っている。
それはたとえようのないぬくもりと同時に、屈辱と憤りをともなって、少年の胸奥に沈殿している。
槌を握り、金床【かなとこ】に向かう父。水を汲み、洗い物をし、彼をおぶって小さな畑を耕していた母。時折近在の人々がやってきて、金気の物を父に渡しては、数日後に受け取り帰っていく。
それが彼の記憶に残る二親との生活である。
だが、それにも増してはっきりと、脳裏に焼き付いている記憶があった。
彼方に赤々と燃える近在の村々。
粗末な家と、父の仕事場を取り囲む武士の一団。
目を見開き、血まみれで倒れる父の手には、一振りの大刀が火の色に染まっている。
そして家の中から聞こえてきた、母の断末魔の声。
その一部始終を、逃げ込んだ草むらから見ていた少年は生き残り、母の縁者と言う家に引き取られた。
その家で、少年は牛馬以下の存在としてあつかわれた。家の者からは人間として扱われず、在所のもの達からは常にさげすみの視線を浴びせられる日々。
その中で少年が知り得たのは、彼の父が元々この在に流れてきた、鍛治師【かじし】だったということ。母はその父と想いを寄せ合い、在家を捨てて父と所帯を持ったことだった。
流れ者の子。家を捨てた女の子供。
そう言われ続け、遂にその家を逃げ出した少年が、人を信じる気持ちを失っていても、何ら不思議はない。
帰る家を失い、自ら名を捨てた少年は、いかなる罪を犯した者も全ての縁を断ち切ることで生きることを許される無縁の徒、公界の住人となってからも、人を信じることなく己の生のみのために生きてきたのである。
570:2007/02/12(月) 02:14:23 ID:fyrDtJKa
 雨音の中、ふいに騎馬のいななきが、小さく少年の耳を打った。
 夜を徹した道程の疲れに、ついうとうとと眠っていた彼は、あわてて乱暴に目蓋をこする。
枝を器用につたって葉陰から山道を見下ろすと、いまだ勢いを弱めぬ雨の中を、騎馬武者の一団が黒い影となって近づいてくる。
四頭の馬上の武士は敗残の将とは言え、少年の目にその鎧姿は、あたりを圧するものとして映る。その後に、農民上がりと見える雑兵が幾人か、疲れきった足取りで続いてく。
山賊、黒蜘蛛は…いまだ姿をあらわさず、その気配すら感じ取れない。
だが、少年はそのことに焦りはしない。
少年が感じている黒蜘蛛にとっての好機まで、あと少しかかることを、勘働きが告げているからだ。
黒蜘蛛がどんな手立てで武士団を襲うのかは分からない。だが、少年が彼らの立場に立って考えても、その好機はあと少しで訪れる。勘働きの『お告げ』とともに、少年は自らの経験から、そのことを確信していた。
木々の葉を叩く雨音。
それにまぎれ、どかどかと山土を踏み固めた道を行く騎馬の足音。

…一頭、二頭、三頭…
 
続く雑兵たちの足音が、泥水に疲れをびしゃびしゃとひきずる。

 …ひとり、ふたり……ごにん…

 目に映る武士団の数と、足音のそれを冷静に比べる少年の耳に、その時新たな音が轟いた。峠から山道を下る武士団に対して、その音は道を上る形で近づいてくる。

 …ごくっ…

 少年の喉が生唾を飲み込み、目立ち始めた喉仏が生々しく上下した。
 雨の中、幾頭もの馬がその上に白刃を振りかざす人影を乗せ、馬蹄【ばてい】の響きも荒々しく道を駆け上がってくる。
 武将たちは雑兵に号令を下し、槍や刀を構えさせると、自分たちはその後ろに下がっておもむろに腰の刀を抜き放った。

 …おそすぎらぁ

 少年は武士団の有様に、冷たい一瞥をくれると、再び黒蜘蛛の一党に視線を向ける。
すでに荒くれ者たちの雄叫びが、あたりを震わせるほど近くに迫っている。馬上の山賊共はすさんだ両眼をぎらつかせ、大刀や手槍、逆巻をてんでに振り回している。
雑兵の一人がおびえたような声をあげ、槍を突き出したまま尻餅をついた。しかし、すぐ後ろに控えた武将に叱責され、刀で脅されてへっぴり腰で構えをなおす。
雑兵の歯の根がなる音が聞こえそうなその様に、少年の舌が苛立たしげに音を立てる。
獣のような叫びとともに、山賊共の先鋒が、雑兵たちにぶち当たった。
雑兵たちはやたらめったら槍を繰り出し、刀を振り回し、悲鳴をあげて応戦する。
武将たちはその後ろから、大声で指示を下すばかりである。
盲滅法繰り出す槍は、徒らに馬上の賊共を煽るばかりで、傷をあたえる事もかなわない。
眼下で繰り広げられる戦いを見下ろしつつ、少年は一向に動こうとしない。
571:2007/02/12(月) 02:14:55 ID:fyrDtJKa
…まだ、動いちゃならない…

 勘働きがそう告げているからだ。
 山賊共の数からすれば、雑兵たちを蹴散らして、武将を討ち取るくらいは容易い。
しかし、奴らがそれをしないのは何故か?

 …あいつら、侍共を生かして連れて行きたいんだ

 少年は賊の動きをそう読んだ。
 賊の狙いは武将を無傷で捕らえ、山名氏の敵である細川氏方の陣営へ連れて行くことだろう。武将たちの首を取ることも考えられるが、それでは細川方が山名の陣営の情報を聞き出すことが出来なくなる。それに生かして捕らえた方が、恩賞の額も大きいはずだ。
賊共はそこまで考えに入れているに違いないと、少年は見て取った。でなければ、賊の攻め方にどこか手加減を感じることの説明がつかない。
 このまま力で押し切れば、武将たちを捕らえることは出来るが、手向かいをされて賊共にも犠牲が出るだろう。下手をすれば勢いで武将たちを殺してしまうこともありうる。それをしないための手筈を、黒蜘蛛は打っているはずだ。

 …そう…多分あいつらは…

 少年が賊共の策略に思いを巡らせたとき、新たな馬蹄の響きが沸き起こった。
 武将たちの後方、峠を下る形で新たな賊の一団が、怒号を発しつつ迫り来る。

 …これだ

 唇の端が酷薄にゆがむ。
何もかも、勘働きのお告げどおり。事態は彼に有利な方向へ、順調に流れている。
前面で押され気味の雑兵たちから、数名が武将の後ろへ回りこんだ。馬上からの指示を受けて、だ。
その中に、先ほど尻餅をついたあの男がいた。見るからに臆病なその顔は、おそらく百姓上がりなのだろう。徴用で無理矢理連れてこられたことがありありと見え、よくも戦【いくさ】で生き残れたものだと、少年を不快にさせる。
前面が人数を減らしたため、武士団は次第に峠の上へと押しやられている。それは自然に後方へと回った雑兵たちを新たな賊の一団へと近づけ、同時に少年が見下ろす枝の真下へと彼らを移動させていた。
冷静に事の推移を見下ろしている少年の視界に、賊の一団が殺到する。百姓雑兵が悲鳴をあげ、遮二無二槍を突き出した。
賊の先頭に立つ馬上の男、顔の半分をひげで覆われた賊はそれを太刀で巻き取る。雨粒を弾きながら、槍はくるくると彼方へ飛ばされた。
槍を奪われた百姓の顔が、白く雨の中に張り付いた。その体が、恐怖に硬直する。
転舜、再び太刀が閃き、切っ先が百姓の首筋を断ち切った――
572:2007/02/12(月) 02:15:29 ID:fyrDtJKa
――鮮血――

雨中の淀んだ風景の中に、それは鮮やかな色彩となって、少年の目を釘付けた。
 次に視界に飛び込んだのは、目だった。百姓の、死の間際に見開かれた目。
 瞬間、少年の奥で、何かがはじけた。
 勘働きではない何かが、突然彼を突き動かした。
 獣じみた叫びが爆発し、彼は枝から飛び降りる。
 両腕に衝撃が鈍く伝わった。
 槍。
彼の手槍が、百姓を切った髭の男の左肩に、深々と突き刺さっていた。
 男の手から落ちそうになる太刀を、少年は右手に握り取る。後ろから甲高い悲鳴とともに繰り出された槍が、こめかみをかすめた。
髭の死体を蹴落とすと、少年は腰のウメガイを抜き放つ。
いつの間にか両足は馬の横腹をしっかりと締め付け、彼は左右の手に両刀を操っていた。少年の口が張り裂けんばかりに咆哮を発し、太刀が、ウメガイが振るわれるたび、賊の槍はけら首を飛ばされ、腕が血を撒きながら地面に落ち、死体が馬に投げ出される。
混乱をきたした賊共に、武将たちは好機を見出したらしい。自らも太刀を振るって前面に押し出ると、うって変わった勇ましさで戦い始めた。
賊の一人が苦し紛れに振るった太刀が、少年の馬の足を切り飛ばしたが、飛び降り様に振り下ろされたウメガイが、その男の頭を断ち割った。
前面の賊は総崩れになり、すでに逃走を始めている。
しかし、それに追い討ちをかける武士団の後方では、少年の鬼神の如き殺戮が続けられていた―――。
573:2007/02/12(月) 02:16:01 ID:fyrDtJKa
 雨は依然として降り止まず、勢いを弱める気配もなかった。
 薄暗くけぶった山道に、いくつもの死骸がうち捨てられ、転がっている。
 片腕を切り飛ばされた者。頭を切り割られた者。足のない者も、首筋を切られ、半分もげかけている者もある。
 その中で、濡れ鼠になるのも構わず蠢く影が一つ。
 少年は取り残された賊の死骸から、金に替えられるものを漁り取っていた。
 武将たちは少年に相応の褒美を与えると、早々にこの場を立ち去ってしまった。
銅銭が三枚。
僅かな額だが、少年にはしばらく食うに困らぬメシの種だ。しかしそれをもらう間も、彼の燃える目は武将たちを睨みつけていた。それをさせたのは、殺戮の余韻が原因ではない。
 百姓の、死に際の目。
 大きく見開かれたあの目は、少年の記憶の片隅に残る、父のそれと同じだった。
一人の鍛治師…今思えばおそらくは刀鍛治【かたなかじ】として、自分の仕事場と家族を守ろうとした父親の最期。その記憶の再生が彼を鬼神へと変貌させ、子供ならぬ力を振るわせたのである。そして父を殺したのは、目の前の武将たちと同じ侍だったのだ。
おかげで危機を脱したとは言え、殺戮の場を目撃した上に怒りの眼差しで見られては、武将たちも居た堪れなかったに違いない。逃げるように立ち去ったのも故無き事ではなかった。
山賊共の死体からは、意外なほど金目の物は見当たらなかった。おそらく山中のどこかに隠されているのだろうが、それを探す気は少年にはない。
死体を一つ一つ探るうち、最初に倒した髭の男の懐に奇妙なものがあるのを感じた。
首から紐で下げられたそれを引き出すと、現れたのは古びた守り袋だ。
少年は躊躇なく袋を開け、中を見る。
男の汗と、年月が風化させた一枚の紙切れ。書かれているのは、どうやら髭の男の生まれた在所と、男の名前らしい。
「…次郎衛門…」
かろうじて読めるその名前を、少年は口に出してつぶやいた。公界で住み暮らすうちに憶えた文字は、こうしたときに役に立つ。
少年は、髭の男の名を頂戴することにした。この男の太刀も今は彼の腰に納まっているし、これからも身一つで生きていくなら、名前があっても不都合はないだろう。 
そう。在所を逃げたときに捨てた、あの名前以外のものならば。
雨にぬれた紙切れを袋に戻し、立ち上がってあたりを見渡す。これ以上死体を漁っても、めぼしい物は見つかりそうにない。
 少年――次郎衛門は見切りをつけて、山を下ることにした。死体はこのまま残していくが、雨さえ止めば山犬たちが始末してくれるだろう。山中で事切れた人間は、獣の食料でしかない。その事を身に徹して知る次郎衛門なのである。
 峠を越えるため歩みを進めようとした次郎衛門の目に、ふと一つの死体が映った。
 「……」
 首筋を切り裂かれ、仰向けに倒れたそれは、あの百姓雑兵だ。
 槍を握っても腰が定まらず、尻餅をついて叱責されていたこの男も、今となってはただの死体だ。
しかし……。
次郎衛門は苛立たしげに首を振り、男の死体に歩み寄る。ねじれた頭の横にかがみ込むと、腰のウメガイを抜いた。
ぬれ尽くした髪の毛をぐいとつかむと、それをウメガイで一握り、切り取る。さらに雑兵の粗末な鎧の紐を切り、それで髪の毛を結ぶと、ごそごそと自分の懐に押し込んだ。
彼はこの男の名前を知らない。
どこで生まれたのかも知らない。
だが父と同じ目をして死んだこの男を、なぜかこのままにはしておけなかった。

…どこか無縁寺にでも葬ってやれば、それでおれの気も済むだろうさ…

自らに言い聞かせ、次郎衛門は再び腰を上げると、今度こそ振り向くことなく歩みを進めはじめる。
その姿は雨にまぎれ、やがて泥水を跳ねる音さえ遠ざかり、次第にかき消されていった。
後に残された死体の血を、降り続く五月雨が洗い流していく。今日、この場で行われた殺戮など知らぬかのように、それは無心に降り続け、一向に止む気配を見せない。
地面を打ち、葉を叩く雨音が、山中に途切れることなく響きわたっていた。

574松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:17:25 ID:uu11z7qj
>>573 続きキボンヌ!!!
575:2007/02/12(月) 02:19:28 ID:fyrDtJKa
うわ、よ、読んだの??
埋めの手伝いと思って、書込んだだけなのに…
576松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:21:29 ID:uu11z7qj
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>575 続きキボンヌ!!!
⊂彡
577:2007/02/12(月) 02:24:19 ID:fyrDtJKa
いや、これ昔書いたヤツを貼っただけで、続きは書いてないのよ・・・
578松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:25:31 ID:uu11z7qj
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>577 続きを書いて埋めてくれよ!!!
⊂彡
579松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:27:09 ID:uu11z7qj
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>577 文才無しの元学生より面白い罠WWW
⊂彡
580松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:27:54 ID:uu11z7qj
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>577 続きで埋めてくれよ!!!
⊂彡
581松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:28:31 ID:uu11z7qj
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>577 続編キボンヌ!!!
⊂彡
582松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:30:48 ID:uu11z7qj
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>577 次郎衛門!!!
⊂彡
583松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:32:05 ID:uu11z7qj
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>577 菊&次郎衛門、カムバック!!!
⊂彡
584:||‐ 〜 さん:2007/02/12(月) 02:37:23 ID:Ltp6f7pw
a
585:||‐ 〜 さん:2007/02/12(月) 02:37:56 ID:Ltp6f7pw
e
586松岡 ◆eF1bKcmfhk :2007/02/12(月) 02:40:59 ID:uu11z7qj
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 >>577 菊&次郎衛門、カムバック!!!
⊂彡
587:||‐ 〜 さん:2007/02/12(月) 03:05:33 ID:x4GJk0Oe
こんなところに小説もどきを張り付けて、元学生のエロ日記並みにキモイな・・・
やっぱコテハンって基地外しかいないんだなwwwww
588:||‐ 〜 さん:2007/02/12(月) 03:28:52 ID:PHSmhXWR
>>530
何だこれはwwwwww
589:||‐ 〜 さん:2007/02/12(月) 07:07:49 ID:lZvPHZMS
最後にレシピありがとうございます。
今日作ります。
590えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:43:13 ID:7hp5pjg7
殿岡さんは松岡さん?
591えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:44:33 ID:7hp5pjg7
混乱してきた…
592えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:46:52 ID:7hp5pjg7
どうしたら?
593えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:48:17 ID:7hp5pjg7
中林兄さん!
594えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:50:00 ID:7hp5pjg7
歌は歌わなくていいみたいだ。
595えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:51:40 ID:7hp5pjg7
ネタがないづら。
596えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:53:57 ID:7hp5pjg7
聖さん。
服装は悪くないと思うがファッション雑誌読んで勉強しよう。
597えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:56:22 ID:7hp5pjg7
眠いづら
598えねきち ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:58:21 ID:7hp5pjg7
菊正宗さんは落ち着いたづらか?
599えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 07:59:34 ID:7hp5pjg7
えね吉は尊師の件で頭がいっぱいづら。
600えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 08:00:56 ID:7hp5pjg7
8時半まで頑張るづら。
601えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 08:02:16 ID:7hp5pjg7
ダケンは何してるんだろ?
602えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 08:04:05 ID:7hp5pjg7
独り言はつまらんづら。
603えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 08:05:27 ID:7hp5pjg7
たら密もキチガイづら。
604えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 08:07:34 ID:7hp5pjg7
誰か相手してけれ!
605えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 08:09:16 ID:7hp5pjg7
眠いづら。
606えね吉 ◆vCEiwQ83DA :2007/02/12(月) 08:10:09 ID:7hp5pjg7
まだ混乱中
607えね吉 ◆vCEiwQ83DA
殿岡さんはやっていないんだろうか?