カブクワ夜間採集での恐怖体験

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534NOBODY

もう16年前になる怖い話があります。
当時、尊敬して止まなかった昆虫採集の達人のHKさんと共に、能勢地方で様々な
昆虫採集をしていました。HKさんは、関西の昆虫の裏世界の重鎮で、当時、飼育
法が確立していなかったオオクワガタの生息地を完璧に網羅し、能勢地方から遥
かに離れた都市の近郊でさえもオオクワガタを発見する程の達人でした。その他
水生昆虫、小動物等、驚く様な希少種の生息地を把握している人でした。
そのHKさんと猪名川町のとある集落でオオクワガタを探していた時のこと。林道
沿いの台場クヌギにライトを照らしていると、山の斜面から、ミシ…ミシ…と足
音が聞こえてきたのです。距離にして私から10メートル程先です。誰かが居ると
思い、ライトを照らしました。先は深い森だったので、木立が邪魔をして、良く
見えません。何か小動物が歩いていたのか、と再び台場を照らすと、また、ミシ
…ミシシ…と、山の斜面を降りて来る訳でもなく、林道と平行して歩く様な足音
。改めて辺りをライトで照らしていました。ある事に気づきました。車が無いの
です。時刻は、22時を軽く過ぎていました。車が無い…。あの足音は、一体誰…。
流石に気持ち悪くなって来ました。
535NOBODY:2005/10/10(月) 22:31:27 ID:KwaChrlQ
その2

近くに居たHKさんの所に向かいました。そして、その事を話しました。HKさんは、
「何?足音? あほか(笑) そんな事ある訳ないやろ。空耳や空耳」、と私の
話を一笑しました。HKさんの話で私は安心して、その場所から少し林道を上がっ
た所にある台場クヌギを見る事にしました。その台場は、オオクワガタが「普通
に」見つかる木でした。ベストシーズンでは、オオクワガタが、まるでコクワガ
タの様に木の表面を歩いているのです。その木の近くは小川でした。いつもの様
にその木にライトを照らしていると、ほんの一瞬、小川のせせらぐ音が、大勢の
人が話している声に聞こえました。「え?!!」 我にかえると、小川のせせら
ぐ音です。「あ、れ… 空耳か…」 さっきの気持ち悪い足音で、オカルトチッ
クな心理状態になっているのかも、と再び台場を照らすと、また「ワイワイガヤ
ガヤ、ワハハハハ…」 まるで、すぐ近くで、夜桜花見の宴会でもやっているか
の様な、楽しげな人々の声。声の方向にライトを照らしましたが、あるのは小川
だけです。今度こそ、本当に怖くなりました。そして、HKさんの元へ行き、「今
夜は、帰りたい」と告げました。
536NOBODY:2005/10/10(月) 22:51:17 ID:KwaChrlQ
その3

小川の近くで聞いた声は、間違いはありませんでした。ただし、それ程怖くは感じ
ませんでした。敵意は感じず、ただ楽しく宴会をしている、といった雰囲気でした。
帰りの車の中で、HKさんにその声の話をしました。相変わらす、HKさんは、「声な
んかする訳ないやろう? 空耳やって…」、と言いました。しかし、HKさんの顔が
一瞬真面目になりました。私は、それを見逃していませんでした。改めて、「Hさん
、俺の聞いたのは、ほんまに空耳やったんやろか? Hさん、ほんまの事を言ってよ
」、と訊き直しました。すると、HKさんは、「しゃあない。ほんまの事言うわ。お
前が聞いた音や声は、俺はしょっちゅう聞いてる。あの辺は、特に良くあるんや。
足音、話し声、山を歩いていると襟元や袖口を引っ張られる」。絶句した。やはり、
私が聞いた声や音は、本当だったのだ。HKさんが曰く、猪名川、川西、能勢、三草
山が酷く、特に能勢町が最も良くあるとの事。HKさんと共に昆虫採集をしなくなる
直前、HKさんは驚く様な事を口にした。「この前ビックリしたで。近くに買い物を
しに車を運転していると、後部座席から、「早よ急がな○×△■○…」という声が
聞こえてきたんや」。その車は、いつも昆虫採集に出かける時に乗る車だった。
HKさんは、頭にきて、「いつまで俺に付け回すんや!!! 白昼にお前を晒け出す
ぞ!!」、と言おうとしたらしいのだが、酒に泥酔した時の様にロレツが全く回ら
く、言葉を発する事が出来なかったのだそうだ。その後、HKさんとは、親交が無く、
今、どうされているか知らない。
537名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/11(火) 01:53:14 ID:L/e5+Fe8
>>536
乙。こわいっす。


538名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/11(火) 02:21:23 ID:JAxS67yD
>>536
あのあたり一帯は中世に修験道が栄えた場所
天狗化した山伏に惑わされたのよ
539あー:2005/10/11(火) 18:02:03 ID:VeMna7v3
そのあたりに火葬場はないんですか?
540NOBODY:2005/10/11(火) 20:55:18 ID:gKVvLJW5
その5

ごめんなさい。もう一つ別件で話がありましたので、追記します。
前出のHKさんには、小2位の息子さんが居ました。当時、HKさん
は、息子さんとも昆虫採集をする事が良くありました。
前出の体験を告白された後、HKさんは、自身の体験を度々話す様
になりました。その内の話です。 三草山の南部で、息子さんと
二手に分かれてクワガタとカブトを採集していると、息子さんか
ら呼ばれました。「お父さん、こっち来て」。「何や」。HKさん
が息子さんのそばに来ると、息子さんは、「お父さん、僕らの他
にもクワガタ採りに来てる人がいるよ」。HKさん「ん? 何処よ
。誰もおらへんやん」。息子さん、「え? お父さん、何言うと
るん。直ぐそこに居るやんか」。HKさん、「はあ? 何処にぃ。
誰も居れへんがな」。息子さんは、「ホラ! あそこ。台木(関
西地方の台場クヌギの呼び名)のそばに、親子連れがこっちを見
てるやん」、と10メートル程離れた台場クヌギを指差したのです。
HKさんは、その台場クヌギを見ましたが、何も見えなかったそう
です。息子さんとクワガタ・カブトを採りに行くと、こんな事が
良くあったそうです。HKさんは、「子供には良く見えるらしい」、
と言っていました。

>539 火葬場の近くでも、オオクワガタを採集していました(今
は、度重なる台場(台木)削りで、木が無くなってしまい。普通
種も採れなくなりました)が、そこでは、その様な経験は、あり
ませんでした。

541名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/12(水) 23:37:35 ID:9lbzT26p
http://kemuri.hidamari.info/index.html

冗談じゃなくて、マジで採集するふりして火葬場探してる奴いるよ。
542名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/13(木) 06:08:36 ID:hJKPCcyQ
あのあたりはよーく狐や狸にだまされたもんじゃあ
543名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/13(木) 06:39:29 ID:pnbQeQPB
え!早川さん亡くなったの?
544名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/13(木) 10:50:22 ID:bl6vmeWE
で、車なくなったのにいつの間に車でてきた?
545あー:2005/10/13(木) 12:33:43 ID:5GjgE21m
みなさんの、クワガタ採集に行ったら
「火葬場」があってコワカッタ!
という情報をお待ちしておりますm(__)m
546NOBODY:2005/10/13(木) 14:18:49 ID:3hAp/cEE
>544

すみません。私の文章が不足していました。

「車が無い…。」
は、足音の主の車の事です。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/13(木) 19:39:39 ID:FvGkZo8d
怖えーなぁ。
ちなみに猫とか連れてけば敏感なので察知してくれるぞ。
霊体験した人の話で、真夜中誰もいないのにドアの向こうから階段上ってくる音がして
ドアの前で音が消えた、という人の話を直に聞いたことがあるが、
その時は本人もただならぬ気配に鳥肌が立ったそうだが、一緒にいた猫も
全身の毛を逆立ててドアの方を見ていたというから…。
548NOBODY:2005/10/13(木) 20:52:41 ID:3hAp/cEE
>547

アドバイスありがとうございます。

こんな経験にもめげず、今でも、私はオオクワガタを一、様々な昆虫を探しに
山に行っています。この経験で、何となくですが、「そういう場所」が見当が
付く様になりました。
前出の経験をした場所は、とにかく暗かったです。表現が難しいのですが、ラ
イトが殆ど利かないのです。例えば、その場所に、車で進入すると、途端に前方
が暗くて見えにくくなるのです。最初は、ヘッドライトのどちらかが切れてしま
ったのか、と思いました。月が満月でも、その場所は、不思議と真っ暗でした。
普通の場所では、ライトが利いて、照らした先の広範囲がぼんやりと明るくなり
ますが、その場所では、ライトが照らす極々狭い範囲が明るくなるだけで、周り
全体は漆黒の暗闇といった感じでした。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/15(土) 18:50:48 ID:55W13+cS
う〜っ わんわんっ!
550名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/16(日) 00:54:37 ID:ED/i1fkV
#長文すまんです

今日、来年のポイントを開拓しに息子と出かけました。
ここは、いつも行く火葬場下のポイントから数キロはなれた林間の遊歩道です。
しばらく歩くと、右側にひらけた場所が見えてきました。墓地です。
日当たりの良い、ジメジメ感の無い綺麗な墓地。記されている苗字はことごとく同じでしたので、
このあたりの地主一族が代々祭られるんでしょう。田舎にはよくある光景です。

日中なので特に怖さも感じず、墓場の裏の整備されたクヌギ林に入り込むと、あるある。
ここにおりまっせ!と言わんばかりのクヌギがわんさかでした。こんな季節に、樹液も
たっぷり。次から次へとクヌギをあさりると小さいながらもコクワがちらほら見られます。
こりゃぁ来年の夏が楽しみだなぁと、頭の中のスケジュール帳に来年の予定を書き込んでいると、
横にいる息子が、「ねぇ、パパ、こんなところで子供が遊んでいるの?」と。
うわー言っちゃったよ。言ってほしくなかった....。子供はデリカシーが無いから.....orz

つづきます
551550:2005/10/16(日) 00:55:04 ID:ED/i1fkV

実は私も気付いていました。ここにきてから、3,4人の子供が追いかけっこをしているような
声が聞こえているんです。あまりにもはっきり聞こえるので、本当にいるんだと思っていたほどです。
だって昼間だし、子供が遊んでいたっていいじゃない。別に不思議でもなんでもない。
それにすぐ近くに遊歩道があるからね。子供が遊歩道で遊んでいたっていいじゃん。
でも、でも、でもね。これだけはっきり声が聞こえるのに、姿がまったく見えないんです。
木々の陰になっている?いえいえ、見渡しはとてもよいんです。林も整備されており、
子供の背が隠れるような雑草はまったく生えていない。墓地も狭くは無いけれと、でも、でも、でも、
感覚ってあるじゃないですか。このくらいの声が聞こえれば、どれくら離れているっていう。
声から想定されるあたりには、我々以外に誰もいない.....
いえ、決して真剣に子供の姿を探したわけじゃないですよ。だって、真剣に探しても見つからなかったら
気が狂うだろうし。だから、あえて気にせず、わざとクヌギに熱中するふりして散策していたのです。

なのに子供はデリカシーが無いから。「ねぇ、パパ、こんなところで子供が遊んでいるの?」
息子が口に出したとたん、体中に鳥肌が立つのがわかりました。
「おぉ。今日はみんな休みだからな」
わけのわからない返答に、息子はそれ以上は何も聞いてきませんでした。
別に何も考えていなかったのか、聞いてはいけないことだと悟ったのか...それはわかりませんが。
その声は、ある出来事があるまで聞こえ続けていました。

つづきます
552550:2005/10/16(日) 00:55:35 ID:ED/i1fkV
ある出来事とは....オオスズメバチとの遭遇です。
もう、お化け云々の恐怖なんて屁のように発散しました。

子供が赤いシャツを着ており、1匹の大スズメバチが色にだまされて寄ってきたんです。
「パパ、蜂だ」の声に振り向くと、絵に描いたようなオオスズメ(1匹)が息子のシャツの周りを旋回している。
「絶対動くなよ!動くな、動くな、目をつぶってじっとしてろ!動くな!動くな!動くな!動くな!動くなよ!」。
息子は言いつけどおり、恐怖のせいで小刻みに震えながらも目を閉じてじっとしていました。

つづきます
553550:2005/10/16(日) 00:55:56 ID:ED/i1fkV
1メートル離れた私の場所からでも、あの低音の羽音が聞こえてきます。
オオスズメは息子の赤シャツを執拗にかぎまわっており、ときどき髪の毛や耳、首筋を這い回っています。
耳元で聞かされる蜂の羽音ほど怖いものはありません。そんな恐怖を息子が味わっているのだと思うと、
はやくなんとかしてあげたいと思うのが親心ですが、秘策を持たない私も下手に動くことができません。
息子の手前平静を装いながらも脈拍はどんどん上昇していきます。
威嚇行動をしていないか、他の羽音が近づいてきていないか、耳に全神経を集中しながら、
最悪の場合を想定して、救急病院へのルートを頭の中で探索していました。
1分も経過したでしょうか。オオスズメは息子のシャツにエサが無いと判断したのか、
名残惜しさを残しながらも、私の横を通り飛び去っていきました。
オオスズメバチが遠ざかるのを確認し、二人はいそいで林から遊歩道に出ました。
大げさですが、小さな拳銃を突きつけられた際の恐怖 (なんて知らないけど) を味わった気がします。

つぎ、最後です。
554550:2005/10/16(日) 00:56:25 ID:ED/i1fkV

林から遊歩道に戻ると、私と息子はどちらからともなく笑い出しました。
子供の声のこともあり、わたしはなんだかおかしくて仕方がありません。
二人とも、しばらくクスクス笑いを止めることができませんでした。
6歳の息子が語るところによると、「じっとしようとしたんだけど、勝手に体が震えて止められなかった」とのこと。
私は、しばらく危険な目にあっていなかったため散策ボケしていたのでしょう。
こんな危険な季節に、しかも息子を連れて山林に入り込んだ自分を深く反省しました。
みなさんもお気をつけください。

おわり

#長文すんまへん