カテナの開発手法Lyee その3

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100Autopoiesis
>前スレ902 名前:改革派 投稿日:2001/05/20(日) 14:59
>Lyeeの事を色々勉強してみました。
>情報システム開発に十分役にたちそうですよ。
>私は、情報システム開発を行う時の要件の曖昧さに注目しました。
>通常、開発要件は非常に曖昧で、要件を明確にするのに大変苦労します。

何故、要件は曖昧なのだと思いますか?

その答えは松尾芭蕉の「おくの細道」の冒頭に示されています。
「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」
そして、漢詩は次のように歌っています。
「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」
つまり、われわれ人は「時空」を前提とした空間に存在します。
その「時」というのは不可逆を前提として止まること無しに
常に流れています。
このことを鴨長明は
「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水に非ず」
と言及しました。
要件というのはその時空という船の上に乗っている人が
決めようとしている条件です。
”決めたっ””決まったっ”と思ったその瞬間
その要件はこれから開発する未来のシステムの要件ではなく
既に過去なのです。
”今”と思ったその今も既に今ではなく今の前なのです。
所詮、明日以降も含め今以降の未来というも無いのです。
あるのは今だけですが、
その今を認識した瞬間その今も無いのです。
要件が曖昧であるというのは、だから、原理的なことなのです。

Lyeeはどうしているか、、と言えば、
要件は決めようとしても決められないのだから決めることはせずに
開発要望を説明する言葉(単語)ごとに論理要素を瞬時に作ってしまい
その論理要素を実行させることによって
その言葉が示唆する意図と要件とを論理要素に委ねて同時に成立させ続ける
という離れ業を実現しているのです。