2 :
カリスマプログラマー:
俺はカリスマプログラマー。
俺が書くコードは神のコードだ。
俺にプログラムを書いてほしいクライアントは星の数ほどいる。
中には、キャンセル待ちで何年も待っている奴もいる程さ。
そんな俺は朝のんびりと都内のシティホテルから会社に向かう。
俺の席は最上階に個室が用意されている。窓の外の最高の眺め
をしばらく楽しんでから、コンピュータに向かうのだ。
机の上には給与明細が乗っていた。今月は今日が給料日か。
今更いくら貰っても仕方ない。金には全然興味が無く、専任の
弁護士に管理させている。もはやいくら持っているのかさえ全く
想像がつかないのだ。
数人の女性アシスタントが悩ましい格好で近づいてきた。
今日の俺の仕事を届けに来たのだ。
一人はそのまま俺の机の下にもぐりこむ。俺が席につくと情け
容赦ないバキュームだ。毎日午前中から何度も昇天させられてしまう。
今日も仕事は午後からにしよう。
3 :
カリスマプログラマー:2011/02/27(日) 20:56:40.86
・・・さて、そろそろ仕事するか。
君、私の今日の仕事を出したまえ。
ん?今日はどこに隠したのかな?ここか?それともここか?
女性アシスタントたちの身体を検査しているうちに、すっかり夕方だ。
俺は残業が嫌いなんだ。さっさと今日の仕事を済ませてしまおう。
さっき女性アシスタントの身体から取り出した紙を見る。
かなり湿っているが、何とか読み取ることができる。
そこに書いてある文字列をコンピュータに打ち込むのだ。
打ち込み間違いがないよう、細心の注意を払う。これがカリスマ
クログラマーたる所以なのだ。
「MOVE A TO B」
終わった・・・
緊張感から解き放たれ、ほっと一息つく。熱いコーヒーを一口のみ、
ゆっくりと煙草に火を点ける。
そう、俺は世界にただ一人のカリスマプログラマー。
世界でだた一人残った、コボルの技術者のお話でした