"Foundations of Library and Information Science"生活、第0日目。
"Foundations of Library and Information Science 3rd ed."(以降、FoLIS)が届いた。
参照URL:
http://www.neal-schuman.com/bdetail.php?isbn=9781555706906 とりあえずメモしながら読もうとしたけど悪い癖で翻訳しようとしてしまい、
Forewordの2ページで3時間くらいかけてしまった。
本当ならIntroduction手前まで読むつもりだったけど、今日はここまでにしとこう。
明日からは大意をとるだけにしてペースをあげていかないと。
Forewordの内容はまあ書くこともないかな。
この本を読む心構えみたいなことが書いてあった。
# ちなみにforewordは著者以外による序文でprefaceは著者の序文なんだって
それにしてもこれだけなのも何なので以下、目次。
* List of Figures ... v
* Foreword (Joseph Janes) ... vii
* Preface ... ix
* Acknowledgments ... xv
* Introduction ... 1
* Chapter 1. The Educational, Recreational, and Informational Infrastructure ... 7
* Chapter 2. From Past to Present: The History and Mission of Libraries ... 35
* Chapter 3. Library and Information Science: An Evolving Profession ... 77
* Chapter 4. The Organization of Information: Techniques and Issues ... 127
* Chapter 5. The Library as an Institution: An Orgaizational Perspective ... 165
* Chapter 6. Redefining the Library: The Impact and Implications of Technological Change ... 225
* Chapter 7. Information Science: A Service Perspective ... 271
* Chapter 8. Information Policy: Stakeholders and Agendas ... 309
* Chapter 9. Information Policy as Library Policy: Intellectual Freedom ... 371
* Chapter 10. The Values and Ethics of Library and Information Science ... 405
* Appendix A. Summary of Major Library and Information Science Association and List of Additional Associations ... 441
* Appendix B. Accredited Master's Programs in Library and Information Scicence in the United States and Canada ... 449
* Index ... 453
* About the Author ... 471
FoLIS生活、第1日目
今日は序文がメインでおまけとして献辞を読んだ。
序文はまずバックグラウンドについて書かれて第3版で新しく追加された部分が列挙されている。
その内訳は
・WWWの発展
・ソーシャルネットワーク
・電子出版
・FRBRといった情報組織化
・デジタルデバイド、ブロードバンドアクセスに関する政策課題、ネットワークの中立性
・出張レファレンスなど図書館サービスの変化
・パトリオット法の影響
・図書館情報学における情報学と図書館学の緊張関係
といったところになる。
次に目的についての節が来る。
ここは
・図書館情報学の基礎を提供
・現在のアメリカの図書館情報学における主要な話題についての議論
・すでに図書館情報学分野についている人の知識のリフレッシュ
・図書館情報学分野に興味がある人に対してその特徴と可能性を示すこと
・社会的、経済的、政治的文脈における図書館情報学を考えること
・図書館情報学に対しての更なる探求を促すこと
が挙げられている。
続くのは構成で、各章の概要。
序論では現在の社会と図書館情報学分野の4つのトレンドについて。
第1章は図書館の背景となる各種インフラについて。
第2章は目的という観点から見た図書館の歴史について。
第3章は図書館情報専門職の発展の歴史について。
第4章は情報の組織化について。
第5章は組織としての図書館についてそのタイプや機能が書かれている。
第6章は情報技術の発展とその影響について。
第7章は情報学について。
第8章は情報政策について。
第9章は知的自由と情報アクセスの公平性といった図書館に関連する政策について。
第10章は図書館情報学の倫理的派生問題について。
実際読み進めていくと違っているかもしれないけど今のところはこんな理解。
次は主題の扱い方や範囲、参考図書について書かれいて
最後に専門職にとって最新の情報に通じていることが重要であるといった話で
その助けとなることがこの本のゴールとなると締めてある。
以上、だいたい5ページくらいが今日の範囲。
このペースだと何日かかるかわかんないのでもっとペースをあげていかないとな。
FoLIS生活、第2日目
今日は序論5ページ。
導入部分はまず図書館や図書館員についてではなくそれらを取り巻く社会制度の最近の傾向について取り上げることが書かれている。
次からは具体的な傾向が挙げられている。
傾向その1:インターネットがもたらす変化
傾向その2:人口構成の多様化
傾向その3:財政の不確かさ
傾向その4:プライバシーの扱いの変化
それぞれを見ていくと
・傾向その1:インターネットがもたらす変化
インターネットの急激な発展により人々はいつでもどこでもどこへでも繋がることが可能になりつつある。
インターネット時代では人々はよりカスタマイズされたサービスを求めるようになり
それに対応できない公的機関は利用者を失うことになる。
我々はインターネットを賢く利用していかなければならない。
・傾向その2:人口構成の多様化
アメリカの人口構成は多様化の一途を辿っている。
移民が増加し(特にラテンアメリカ系とアジア系)、子供と老人の人口も増加している。
多様なコミュニティへの対応が公的機関に求められるがそれには新たなリソースと専門知識が必要とされるだろう。
・傾向その3:財政の不確かさ
公的機関の予算は逼迫し、その一方で市民の需要は増している。
そのためいかに少ないものから多くのものを生みだせるかが要求されることになる。
・プライバシーの扱いの変化
コンピューターネットワークの広まりはプライバシーを巡る問題を引き起している。
しかし、プライバシーの問題はコンピューターネットワークに限ったものではない。
パトリオット法により政府が個人の情報を集めることが可能になった。
その一方で"ミレニアム"世代と呼ばれる人々はプライバシーに対する関心が薄い。
彼らは積極的に個人情報が公開している。
図書館もプライバシーの扱いに変化を求められるかもしれない。
最後に要約があって、狭い分野に留まることなく広いその背景に気を配ることが必要であるとある。
以上が今日の範囲。
ペースが相変わらずあがらない。
うーん、どうしたものか。
FoLIS生活、第3日目。
今日はようやく本論、第1章に突入。
範囲は第1節から第2節A?C項まで約5ペ?ジ。
まず第1節、導入部分。
図書館に要求されるニーズとして教育的・レクリエーション的・情報的(以降、ERI)ニーズの3種類をあげる。
図書館はそれらのニーズを満たしてきた。
また、現在ERIリソースは加速度的に増大しつつある。
このような情報過多について図書館情報専門職ほど知っている集団はない。
図書館は効果的に機能するために社会のERIインフラに頼っている。
一方で図書館の存在はERIインフラの価値を高めることになる。
ERIインフラの構成要素について理解することは図書館のあるべき姿を知ることに繋がる。
次に第2節。ERIインフラについて。
ERIインフラを5つの類型に分けている。
それは
1.知識や情報を創造し、普及し、利用する過程としての情報インフラ
2.知識や情報を伝達するために利用される装置としての情報インフラ
3.知識と情報を伝達する主たる経路を受け持つネットワークとしての情報インフラ
4.知識と情報を生産し配布するメディア産業としての情報インフラ
5.知識の生産や頒布のための基盤を提供する機関としての情報インフラ
の5つ。以下この5つそれぞれについての説明が入る。
第2節A項「過程としてのERIインフラ」
伝統的に過程としてのERIインフラは5つの要素で構成される。
1.創作者(Creators)
2.生産物(Products)
3.頒布者(Distributers)
4.普及者(Disseminators)
5.利用者(Users)
かつて図書館は普及者であった。
しかし、このような性質は過去のものとなりつつある。
WWWの普及によりこれらの境界はあいまいなものとなり、創作者は頒布者や宣伝者に頒布者や宣伝者は創作者になることも可能である。
第2節B項「装置としてのERIインフラ」
装置としてのERIインフラの例としては書籍や雑誌、テレビやラジオ、DVD、各種コンピューターなどがある。
これらのインフラは常に進歩しつづけているが、頻繁な世代交代と新しく出現する競合技術は
装置に依存した情報や知識を保存・組織化・普及を試みる図書館にとって困難を生み出している。
第2節C項「ネットワークとしてのERIインフラ」
ネットワークという観点から見たとき図書館はより大きなシステムに依存していると言える。
伝達経路の役割を果たすこのネットワークとしては電話やラジオ、テレビネットワークといったもの以外にネットワークのネットワークと言えるインターネットがある。
インターネットは地球規模の情報ネットワークを構築している。
かつてウェブは受動的なサイトで構成されていたが"Web 2.0"と呼ばれる革新的アプリケーション群によって進化がもたらされた。
利用者と開発者の垣根は失なわれ、無数の新たな情報源を生み出された。
インターネットに関しては様々な統計がなされている。
インターネットは図書館にとって諸刃の剣である。
図書館員の膨大な情報へのアクセスを可能にする一方で、利用者が直接情報源にアクセスできるようになるため図書館に頼らなくなるようになるかもしれない。
以上、日本語が変なところは御勘弁を。
あとコラムとして情報の増大について様々なメタファー(情報爆発、情報の洪水等々)がなされているといったものがあった。
FoLIS生活、第4日目。
第2節D項「メディア産業としてのERIインフラ」。
知識や情報を流通させるメディア産業を取り上げる。
まずは各種産業の特徴。
a.印刷産業
印刷の発明以来、印刷物は強い影響力も持ち続けてきた。
電子メディアの発達とともに印刷物は消滅するだろうという予測があるが
最近の統計データはそれを示していない。
オーディオブックを始め書籍はゆっくりではあるものの着実に成長している。
一方で電子書籍も急激な成長をとげている。
雑誌は学術誌が苦戦しているが好調な部類にはいる。
新聞の発行部数はインターネットの発展により減少を続けている。
b.電話/携帯電話産業
固定電話は依然重要なサービスではあるが、無線機器の発展とともにその重要性を低下させつつある。
図書館は携帯コミュニケーション機器への対応をせまられている。
c.ラジオ産業
ラジオはアメリカの全世帯の99パーセントが持っている。
ラジオ局は増加しつづけ、幅広い番組を提供している。
ラジオはどこにでもあり、様々な場所で放送されている。
以上。
今日は短めの3ページ。
FoLIS生活、第4日目。
第2節D項「メディア産業としてのERIインフラ」。
d.テレビ産業
テレビはラジオよりも若干劣るものの非常に普及している。
視聴時間は半数がケーブルテレビや衛星放送が占め、地上波テレビが続く。
DVDレコーダーの登場は視聴方法を変えた。
また、さらにオンデマンド配信やダウンロードコンテンツが出現した。
e.データベース産業
データベース産業はあらゆる数字が上昇してる。
かつては公営のデータベースが多かったが最近は商業データベースに逆転されている。
最近の傾向としてはフルテキストデータベースの増加があげられる。
画像データベースや音声データベースはまだまだ数が少ないもの成長を続けている。
またGoogleやYouTube、Flickerといった無料で利用できるデータベースが出現している。
これらのデータベースから大量の情報を得ることができるが、
それが必ずしも正しい情報に繋がっているわけではない。
以上。
今日はちょっと忙しかったので2ページ。
FoLIS生活、第5日目。
まずはコラムで、成人によるメディアの消費傾向ついて書かれている。
次に利用傾向が書かれている。
主な傾向としては個人的な時間が増加傾向にあり
テレビの視聴時間はケーブルテレビによるものが多い。
第2節E項「機関としてのERIインフラ」
1.図書館
図書館はERIの源であった。
また、多くの情報チャンネルを利用者のニーズに合わせて集約している。
そして現在新しい技術に対応し、国家的情報インフラの一部となっている。
2.学校、学術機関
ここではアメリカの教育システムについて統計をまじえて書かれている
3.非正規教育ユニット
非正規教育(NFE)とは学校以外の場所で行なわれる教育のことで様々なものがある。
特徴としては個人のニーズに重点を置き、学習者中心の教育が行なわれる。
図書館は様々なNFEに資料と場所を提供する。
第3節「要約」
図書館の役割はそれを作る社会のニーズによって決められる。
その能力は必要な知識や情報を供給するERIインフラによって可能となる。
図書館情報専門職は自身の背景となるそれらについて知らなければならない。
そして新しい技術の利用の最前線にいなければならない。
図書館は一般市民の関心を映しだす鏡でありつづける。
われわれが直面する問題に簡単な答えはない。
しかし、この本がその理解に役立つことを期待する。
以上、今日で第1章が終った。
今日は13ページ進んだけど、そのうち8ページは図だから実質は5ページ。
統計データが多くてまとめづらかったな。
FoLIS生活、第6日目。
今日から第2章。
タイトルは「過去から現在へ:図書館の歴史と使命」って感じかな。
第1節。
まずは図書館が必要とする条件を3つあげられている。
それは
・人口の集中
・経済的発展
・政治的安定
の3つ。
以降では、図書館の使命に重点を置いた図書館の歴史の概要が述べられる。
A.記録の保管所としての図書館
いつ最初の図書館が作られたかははっきりしないが
二つの要因「文字の発明」と「商業の起り」がその創造に大きな影響を与えた。
最も初期のものがメソポタミアのシュメールにおけるものである。
この図書館は寺院と強い繋がりを持ち、楔形文字で記された粘土板を保管していた。
様々な文書が保存されていたが、主に行政と実務に関するものが中心であった。
また、「本の主」または「粘土板の番人」と呼ばれる図書館員にあたるものがあったが
その仕事についてははっきりと知られていない。
B.宗教的、実務的使命
エジプトでの図書館も寺院と関連を持ち、パピルスにヒエログラフで記録された巻物を保管していた。
コレクションは宗教的、実務的なもので、特に医学に関するものが有名である。
寺院での図書館に加えて王立の図書館もあった。
C.学問と研究の使命
紀元前8世紀ごろアッシリアの王のアッシュールバニパルは図書館を発達させた。
アッシュールバニパル王は図書館を単なる記録の保管所としてだけではなく研究と教育の場所として考えた。
また紀元前5世紀ごろからギリシャでも研究のための図書館が発展した。
それは学者や貴族の私立図書館としてであった。
プトレマイオス一世とその息子によってエジプトのアレクサンドリアに図書館が建設された。
アレクサンドリア図書館の使命は全ギリシャの文献を収集することであった。
アレクサンドリア図書館では書籍は組織化され編集されギリシャ語に翻訳された。
また図書館員は重要な役割を果した。
特にカリマコスはピナケスと呼ばれる主題目録を作成したことで知られている。
アレクサンドリア図書館は研究機関としての特徴を持っていた。
そして知識の独占が戦略的に行なわれた。
D.公共利用
ローマ帝国の発展とともに図書館の使命も変化をとげてきた。
ユリウス・シーザーの時代、文献はすべての市民が利用される公共財であるという考えが広まりつつあった。
そして、シーザーは公共図書館を建築し、その後ローマには29もの図書館が存在した。
図書館にはしばしばオーディエンスホールがあり、そこで著者が著作を朗読することで出版の役割を果していた。
ローマの公共図書館はどこまで一般公開されていたかははっきりしないが
それは一部であったというのが無難なところかもしれない。
1世紀ごろにキリスト教の信者が必要にせまられてコーデックス(冊子体)を発明した。
コーデックスはその利便性から広く普及することとなった。
その後、ローマ帝国の衰退とともに図書館も衰退することになった。
西ヨーロッパは混迷の時代を迎え、図書館は東方の地や修道士図書館でその使命を果すことになる。
以上。今日は6ページ。