【WHO ノルウェーで発見されたウイルスの変異の公衆衛生上の重要性について】
ttp://www.who.int/csr/disease/swineflu/notes/briefing_20091120/en/ 11月20日 ノルウェーの公衆衛生研究所は、WHOに対し、3件のH1N1ウイルスに変異が検出されたと通知してきた。2件は、ノルウェーで発生したパンデミックインフルエンザの死亡例で分離されたものであり、1件は重症例で分離されたものである。
ノルウェーの科学者は70人以上の患者のサンプルを分析しているが、それ以上の変異例は発見されていないことから、変異は広範囲には広がっていないと思われる。
この変異によるウイルスは抗ウイルス薬、オセルタミビルとザナミビルに依然として反応しており、調査によると、現在利用されているパンデミックワクチンで防御が得られることが示されている。
世界中で、インフルエンザの監視がされており、同様のウイルスの変異は、いくつかの他の国においても検出されている。ノルウェーに加え、変異はブラジル、中国、日本、メキシコ、ウクライナ、米国で発見されている。
これらのケース全てについて、情報は不完全だが、いくつかの同様の変異を示すウイルスは死亡例において、また軽症例においても発見されている。世界的に見て、多くの死亡例で変異が発見されているわけではない。よって、この発見の公衆衛生上の重要性は不明である。
変異は散発的に、また自然発生的に生じているようである。現在まで、変異した少数の患者の間の関連性は発見されておらず、変異は拡大しているようには見えない。
変異の重要性については、WHOの科学者によって評価が行われている。遺伝子レベルのウイルスの変化は、絶えずモニタする必要がある。しかし、これらの変化の重要性は評価が難しい。
多くの変異はウイルスや、それが引き起こす病気の重要な特徴を変えるものではない。
このため、WHOは臨床的、また疫学的なデータをリスク評価において使用している。
更なる調査が進行中であるが、現時点で、これらの変異が異常なH1N1の感染数の増大や、重症および死亡例の増加につながるというエビデンスは示されていない。