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基礎疾患を有する人については庵原院長が、ぜんそくや糖尿病など「抗体をつくれないほど免疫状態が悪くない人」と、
白血病や抗がん剤の投与を受けているなど「免疫が著しく抑制されている人」は、「分けて考えるべきだ」と指摘。その上で、
「免疫が著しく抑制されている人」は「2回接種でも大きな上積みはできない」として、「そういう人こそ、アジュバント(免疫増強剤)
入りを1回接種でもよいのではないか」と提案した。ただし、これは抗体反応のみを考えての提案で、「副作用のことを考えると
別だ」とした。また防衛医科大の川名明彦教授は、基礎疾患を有する人の接種開始は11月が予定されているが、ワクチンの
輸入開始は年末から来年1月になる見通しであることを踏まえ、「(輸入ワクチンを待っていて)接種が遅れることがないように
しなくてはならない」と強調した。これを踏まえ基礎疾患を有する人については、基本的には1回接種としながらも、一部の免疫
が抑制されている人には安全性が確認され次第、アジュバント入りの輸入ワクチンを打つことや、主治医の判断で2回目の接種
を行えるようにすることで議論がまとまった。
■重篤な副反応2例も「大きな問題はなかった」
臨床試験の中間報告では、重篤な副反応としてアナフィラキシー反応、中毒疹がそれぞれ1例報告された。
このうち、アナフィラキシー反応を示した27歳の女性には、小児ぜんそくの既往歴があり、25歳から再びぜんそくの治療を
していたことから、「ハイリスク者に打つ際の配慮が必要だ」との意見が出た。
このほかの副反応は、発赤44例(15μg皮下注射38例、30μg筋肉注射6例)、腫脹21例(同18例、3例)などで、副反応は
接種者全体の45.9%に見られたという。庵原院長は「季節性の副反応データがないので、何とも言えない」としながらも、豪州
のCSL(コモンウェルス・シーラム・ラボラトリーズ)でのワクチンの局所反応の発症率46.3%と差がなかったことなどを紹介。
厚労省側も、「局所反応のために2回目の接種をしなかった人はいない。大きな問題はなかった」との認識を示した。
■議論の結果受け「来週にも決断」―足立政務官
今回の議論の結果は長妻昭厚労相に報告され、これを基に政務三役などが接種回数について検討するという。意見交換会後、
正林督章・新型インフルエンザ対策推進室長は、「1回接種になれば、接種対象者(約5400万人)には国内産ワクチンを打ち、
健康成人などほかの人は輸入ワクチンを打つことになるのか」との記者団の質問に対し、「そうなるかもしれない」と答えた。
また、足立信也政務官は同日の記者会見で、「意見交換会の結果を受けて、厚労省としてもワクチン接種体制、スケジュール等、
判断を加えて、来週にも決断をしたい」と述べた。