インフル薬の備蓄は5千万人分 タミフル偏重は見直しへ (09/07 19:30)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/influenza/187308.html 厚生労働省は7日、タミフルとリレンザの2種類があるインフルエンザ治療薬の国内備蓄量が、
卸業者などの在庫分を含めて8月末で5千万人分に達したことを明らかにした。不足が予想される
新型インフルエンザ用ワクチンとは異なり、治療薬は「潤沢にある」(厚労省)状況という。
2種類の薬とも新型インフルエンザへの効果が確認されているが、タミフルとリレンザの割合は
9対1と偏っている。新型の感染者からタミフルが効きにくい耐性ウイルスが見つかっていることもあり、
厚労省は全体の備蓄を積み増すとともにリレンザの割合を増やしていく方針だ。
タミフルの備蓄は国と都道府県の合計で計4095万人分、リレンザは同492万人分。これに加え、
卸業者や医療機関が持っている在庫(8月17日現在)としてタミフルが371万人分、リレンザが
90万人分ある。 タミフルが多いのは、もともと流通量が圧倒的に多いことが背景にある。
厚労省は今年2月に改定した新型インフルエンザ対策の行動計画で備蓄目標を国民の45%相当
(約5700万人分)に設定。海外の例を参考に、リレンザの備蓄はタミフルの1割とした。
だが、最近はタミフルに偏ることのリスクを指摘する声が増えている。リレンザを販売する
英国系製薬会社グラクソ・スミスクライン(東京)によると、英国は今年に入り、リレンザを大量に
追加備蓄し割合を約3分の1まで引き上げた。英国以外でも同様の動きがある。
日本でも東京都は独自判断でタミフルとリレンザを同量の200万人分ずつ備蓄済みだ。
厚労省の担当者は「現計画は鳥インフルエンザを想定して作った。豚インフルエンザ由来の
新型発生を受け、リレンザを増やす見直しは当然出てくる」と話している。