神戸や大阪で新型インフルエンザの感染が相次いでいることについて、
WHO=世界保健機関の緊急委員会の委員で、 国立感染症研究所の田代眞人センター長は、
「感染が数百人に上っている可能性もある」として、
今後、WHOが新型インフルエンザに対する警戒レベルを最高度の「フェーズ6」に引き上げる根拠ともなりうるとの認識を示しました。
これは、ジュネーブのWHO本部でインフルエンザウイルスに関する政府間会議に出席していた国立感染症研究所の
田代眞人センター長が、16日にNHKなどの取材に答えたものです。この中で田代センター長は、神戸や大阪で新型
インフルエンザの感染が広がっていることについて、「詳しい状況は把握していないが、これまでの報告によれば、
感染者が数百人に上っている可能性もある」と述べ、感染者がさらに増える可能性があるとの見方を示しました。
また感染が広がった経緯について、田代センター長は「メキシコと日本との人の往来は限られていたが、感染がアメリカ
やカナダにも広がるなか、ウイルスが国内に持ち込まれるのは、もはや時間の問題だった。海外でウイルスに感染しながら
症状が軽く自覚もなかった人が検疫をすり抜けてしまい、他の人にも広げてしまったのではないか」との見方を示しました。
さらに田代センター長は、「WHOは日本の感染例に強い関心を寄せており、今後の推移しだいでは新型インフルエンザ
に対する警戒レベルを、最も高く「世界的な大流行が起きている」とされる「フェーズ6」に引き上げる根拠とする可能性も
ある」との認識を示しました。
http://www.nhk.or.jp/news/t10013020431000.html#