例のサイト8月10日の記事より
ttp://homepage3.nifty.com/sank/jyouhou/BIRDFLU/2008/8tukino1.html ★鳥フルについて判っていることがよくまとめられているので、転載します。
WHOの研究者、フレデリック・ハイデン氏等が、H5N1鳥インフル発病者に関するこれまでの記録や学会での
発表をまとめて、その分析結果を報告した。論文は、New.Engl.J.Medに発表された。(2008年1月17日)
・H5N1鳥インフルウイルスは、現在10系統に分かれている(クレード)。
・クレードによって人に対する病原性が異なっている可能性が高い。3系統のクレードが人に感染を生じて
いる。クレード2.1はインドネシアで蔓延していて、クレード2.2はロシア、ヨーロッパ、中東、アフリカへ
拡大している。
・生存率は国によって異なるが、ウイルスのクレードによる違いか、発見の早さによるのか不明。
・早期の症状が曖昧な場合も多く、そのため抗インフルエンザ薬の投与が遅れているケースが多い。臨床医
の力量が試される結果となる。
・抗インフルエンザ薬は48時間以内に投与されないと効果の発揮は薄いが、それでもこれまでのデータを
見る限り、タミフルを投与された患者の方が生存率が高い(投与時期に関わらず)。
・90%の患者が40歳以下で、患者の年齢の中央値は18歳。
・中高齢者での発症数が少なく、また死亡者数も少ないが、いくつかの研究報告では、15〜20%の高齢者の
血液にH5N1ウイルスに対する抗体が認められる、とされる。しかしハイデンは、それが高齢者の発症率の
低さの原因であるかどうかは不明としている。
・6例の妊婦の発症例があるが、4例は死亡し、2例は生存している。生存例では自然流産を生じている。
・感染地域への旅行者での発症例はない。
・2003年から2006年まで米国で感染地域からの帰国者で、体調不良を呈した41人を経験し、そのうち
27人がCDCのH5N1鳥インフル感染のクライテリアの疑い例に合致した。しかし検査での陽性例は出て
いない。
・カンボジア、中国、タイ、ナイジェリアで家きん殺処分の従事者、家きん市場の労働者、保健医療従事者を
対象とした抗体検査が、7つの研究で行われたが、合計対象者数1100人中、抗体が陽性だったのは1名
のみだった。
・専門家達はこれまで発症している事例は、感染者の中の一部分(氷山の一角)と捉え、軽症例が多く存在する
と考えたい気持ちでいるが(そうならば致死率は非常に低くなる。1割以下?)、上記研究結果は残念ながら
それを否定している。
・2人またはそれ以上の発症者が生じた集団発症(クラスター)事例が、人発病者の発生を確認した国の中で
10ヵ国で認められ、その総数は発病者全体の四分の一に相当する。
・クラスターの中で人人感染が起きた事例の有無について、現在WHOは調査中であるが、明確な見解を保有する
にいたってない。
・クラスターの中で90%以上が血縁者間での発病なので、遺伝的素因が感染に関係していることが疑われている。
・人発病事例の四分の一が感染源が不明。
・環境の中で感染した可能性。
・何人かにおいて、単に家きん市場を訪れただけが感染の原因とされている。
・数人で呼吸器症状を呈する前に下痢がみられている。そしてウイルスが便中から検出されている。しかし消化器
から感染することがあるのか否かは不明。