251 :
128:
>168氏他
現行犯人と刑訴法198条1項の関係について、私なりに更に調べさせ
ていただきました。
結論から言いますと、はっきりと結論づけるものは見つかりませんでし
た。判例も見つかりませんでした。
刑訴法198条1項は現行犯人には適用されないとする説もあれば、適
用されないとする説もありました。
現行犯人以外の被疑者について取調拒否権が認められるということは異
論を挟む余地はありません。ただ、これについては被疑者は「取調べを拒
否することはできるが、身柄を拘束されるかもしれない」というリスクを
背負うものと解釈されます。
結局重要なポイントは、取調べにおいて任意性が確保されているかどう
かということです。憲法38条1項の供述拒否権はもちろん、同条2項及
び刑訴法319条1項にあるとおり任意にされたものでない疑いのある自
白は、証拠能力が否定されます。
現行犯人に対しては現行犯逮捕が原則です。逮捕しないで任意捜査で行
うことが例外となります。道路交通法違反については交通反則通告制度と
いう特例になります。
現行犯人に対し刑事訴訟法198条1項の取調拒否権を認めたとしても
無意味なものとなります。もともと逮捕してよい現行犯人をあえて逮捕し
ていないだけですから、任意捜査に応じないとなると、逮捕の必要性が生
ずることとなり結局逮捕されてしまいます。
私の今までの見解が間違っていた、偏っていたと思われても結構です。
少なくとも偏っていました。
しかし現行犯人に刑訴法198条1項の適用があってもほぼ無意味であ
ると考えます。