【修行】漫画原作を批評してもらうスレ【練習】

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350上級読者 ◆xQmVoY6/HA
魔剣シナリオ


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薄暗く狭い道具屋の中は珍品・名品が乱雑に置かれていた。甲冑、ミイラ、壺、獣の剥製、古書、兜……。店に訪れた少年はそれらに気を取られることなく、店の奥へ奥へと店主を求め進んでいく。
「いらっしゃい、何をお探しかな?」ローブを頭から被った男がいつの間にか少年の後ろに立っている。
振り返る少年「お前が主か? 情報が欲しい」肩に背負った大剣に手を掛ける。
「私のことを何処でお知りになったのか、確かに情報も取り扱っておりますが……」
男の顔はローブに隠れて全ては見えないが、口元は笑みで歪んでいる。
「貴方さまはお客さまなのでしょうか? 強盗なのでしょうか?」
「どちらもだ、喋れば金を渡す、喋らなければこの剣で喋らせる」少年は大剣を一瞬で引き抜き構えると、その切っ先を店主の喉元へと突きつけた。
「お前がゲハ事件の真相を知っているってことはもう分かってんだよ」
「ほお、そのような大剣を軽々と……人間技ではありませんな、凄い腕だ、いや剣が凄いのか、この国に11本しかない精霊剣、8番のプレステ、となると貴方はソニ公家……ご子息のクータ殿……
1年前に家を出られたと聞きましたが、まさかこんな所でお目に掛れるとは、いやはや恐悦至極に御座います」
「死にたいのか、お前……」
王家と10諸侯が持つ11本の精霊剣についてはこの国の誰もが知っている話ではあるが、剣を公開している訳ではない。
どうして剣を見極められたのか、国一番の情報屋という話はどうやら本当のようだ、今度こそ事件の核心に近づけるかも知れないとクータは思った。
「もう一度だけ言う、ゲハ事件の真相を喋れ」と言って精霊の力を解放させる、剣の刃に青白い炎が纏う。
「おおっ、これが精霊の炎か、綺麗だ、なんて素晴らしい……」男は剣に触れようとして思いとどまり、そして「分かりましたゲハ事件お教えしましょう、但しその剣と交換です」と言った。