【手塚・鳥山を越える】◆FANTA/M8CUを見守るスレ15
ココナッツボーイズ
1338年 夏
プリングルズ大陸からずーっと南下していってちょっと西に進んだ先に
ココナッツベリー島 Coconut Belly island という小さな島がある
島の中心部にあるメアリーズストリートには
今から丁度100年前に、メアリー・ブロックハートがここでリンゴ屋を始め
それが大層な評判を生んだ事がきっかけとされている
近隣の島々にまでメアリーのリンゴの噂が伝わり、それを求め往来する人が増えた
それにあやかって島に住み着き商売を始める人が増え…
島人口150人足らず、特に大した名産物もなく名もつかない場所が多かったこの島は
今や2万人もの人々の生活を支える、ここら辺では一番活気のある島へと発展を遂げた
そこに…魚くわえたドラ猫…じゃない
リンゴくわえた3人組の少年が、誰かに追われながら走ってきた
休日の昼下がり、メアリーズストリートの“いつもの光景”である
「待てや!ゴルァ!!今日という今日は絶対に逃がさんぞ!」
マイケル「おい!お前等捕まるなよ」
ボブ「はぁ…はぁ…ヤバい、ばててきた」
エディ「このデブ!もっと速く走れ、追いつかれるよォ!」
「うちのリンゴは売り物だ!今日こそはちゃんと料金払ってもらうぞ!」
追いかけてる人はやはり、いつも通り…リンゴ屋「メアリー」3代目店主のバロンさん
またワルガキ3人組に店のリンゴを盗まれたみたいだ、これで何十回目だろうか
マイケル「3手に分かれるぞ!俺が上手く引き付けるからお前等は近いルートを通って『勝利の丘』に向かうんだ!」
ボブ「はぁ…はぁ…すまねえマイケル、頼んだぞ」
エディ「よし!早く逃げようよォ!」
マイケルは闘牛士のようにひらり、ひらりと
追ってくるバロンさんの「攻撃」を紙一重でかわし、ボブとエディ、2人が逃げられるだけの時間をかせぎ
隙をついて、再びダッシュで逃げ出した
見事な作戦と実行力で少年達は勝利を手にした
そして『勝利の丘』でいつものように勝利の歌を歌うのだ
通りすがりの人「またココナッツボーイズに逃げられたんですか」
店主バロン「ハァハァ…逃げるの上手いな、あのワルガキたちは。特にマイケルの奴は…相当、器用だ
いつか捕まえてぜひウチの手伝いに雇いたいなぁ、それまで何度もトライするさ」
そう言い残してバロンさんは負けて尚、爽やかな顔で店へと戻っていった