【テクノポップユニット】Perfume 2592【パットタノシクアテヨウドーム】

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647ファンクラブ会員番号774
>>561
またまた、おじゃまします。
もう十分かと思いますが、半ば惰性で、
訳してしまいました。5分割。

【その1】
Perfume  2013年7月7日、バタクラン(パリ)
2013年7月16日
 もはや確実だ。まちがいなく2013年は、日本の音楽の豊作年だ。
なによりも、数年前には訪仏を望むべくもなかったアーチストの
ライヴが行なわれている。そうしたすばらしいアーチストとして、
バタクランのチケットを数分ないし数週間で売りさばいた
3つのグループがいる。先月のASIAN KUNG-FU GENERATION、
3か月後のONE OK ROCK、そして、2013年7月7日、エレクトロ・ポップ
3人組のPerfume! ジャパン・エキスポでの感動に続けて、
パリ11区の由緒ある会場で、初めて3人を迎え入れる栄誉に
観客は恵まれた。国際的な展開のために、レーベルを
Universal Music Japanに移籍した3人は、WORLD TOUR 2nd
と題されるワールド・ツアーの一環として、ついにフランスの地に足を
ふみ入れた。2012年末に韓国、台湾、香港などを回ったWORLD
TOUR 1stのあと、アジアではなくヨーロッパを対象とした初のツアーだ。

 こうしたアーチストの通例どおり、観客はとても多種多様で、
あらゆる年齢層が大量に押し寄せていた。すでに述べたように、
Perfumeのバタクランの公演のチケットは完売していた。
彼女たちのPVをたくさん流すNo-Lifeチャンネルにより、フランスでは
とても有名なグループの一つで、J-topチャートでほとんどの曲が
1位を獲得している。それでも、残念ながら母国での人気には及ばず、
バタクランのさほど大きくないステージで、満足せざるをえない。
だがそのステージは、段差や光る立方体の装飾、巨大なスクリーンで、
しかるべく準備されていた。
648ファンクラブ会員番号774:2013/07/21(日) 03:04:34.07 ID:ryfmk8We
【その2】
 すでに沸騰しそうなほど熱くなったファンが、必死に名前を呼ぶなか、
8時をすぎ会場の照明がやっと落とされる。エレクトロ・テクノ・ポップ風
のイントロが始まる。Spending all my timeのremixだ。
Nocchi、A-chan、Kashiyukaが暗がりにあらわれ、ステージに並ぶ。
この導入部ではしばらく薄暗い状態が続き、不動のまま口を開かない
3人のドレスに、開花しつつある花のように膨れていく、
色鮮やかな映像と光が映し出される。そう。私たちのまえにいるのは、
まさに開花しつつあり、観客の笑顔も開花させ、perfume
(フランス語ならparfumパルファンと言うべきだが)
を発散する、3本の見事な花々である。長い導入部ではあったが、
観客の期待を高め、すでに一部の観客は呆然自失の状態だ。

 位置について、ヨーイ、ドン! 最新曲の一つMagic of Loveが始まると、
たちまちお祭騒ぎだ。すぐさま限りない幸福感に満たされた観客は、
もう完璧にシンクロして飛び跳ねている。たちまちのうち、
熱狂的なショーが会場の雰囲気を高める。

 狭いバタクランでも演出は凝っている。Perfumeの世界にぴったりの
ステージだ。立方体がきらめき、照明がダイナミックに舞う。次の曲では、
まばゆい緑のレーザーが活用される。まさに「レーザービーム」の
曲名にふさわしく、会場のすみずみまで数十本のレーザーの束が
投じられ、グループのエレクトロ的なスタイルを強調する。
声はオートチューンによって加工され、プレイバックで演じられる部分も
あるとわかっていても、パフォーマンスの説得力は失われない。
3人それぞれのスタイルの、シンプルなかわいいドレスを身にまとい、
ハイヒールを履いて、ときにはシンプルで優雅な、ときには複雑で
圧倒的なダンスを披露する。
649ファンクラブ会員番号774:2013/07/21(日) 03:05:27.46 ID:ryfmk8We
【その3】
 この夜そこにいたファンは、すばらしいパフォーマンスを
眼の当たりにした。彼らは驚くほど、その場の空気に飲み込まれていた。
この種のライヴで、これほどの一体感が生まれたことはほとんどない。
最初から最後までファンはトップギアの状態で、音に酔いまくっていた。
力を抜くことなく、どの曲でも飛び跳ねた。この熱狂の夜のあと、
声が出なくなった者がいても不思議ではない。
Nocchi、A-chan、Kashiyukaの3人は、曲が終わるたび、
喜びと崇拝の歓声で、しかくべく迎えられた。
フランスの観客の姿と声援が示す、これほどの愛情と熱狂にさらされた
3人は、驚きと喜びに満たされ、いっぱいの笑顔で感謝の気持ちを示す。

 冒頭からのすばらしい流れのあと、最初の小休止の時間が来る。
3人が気持ちをこめて、かわいらしいフランス語で挨拶すると、
ファンは大喜び。「エキサイトしています!」「みんなでいっしょに
楽しみましょう!」 MCが続き、メンバーが順番にステージから
離れて休息をとるあいだ、他のメンバーが観客を楽しませて
場を盛り上げる。彼女たちは多くのテレビ、ラジオの番組に
出演しているので、こうした状況はお手の物だ。そもそもPerfumeは、
ファンとのコミュニケーションをとる楽しい時間を持とうとする。
英語がうまくいかなくても、観客に依頼して日本語を訳してもらい、
パリにいてハッピーであること、このライブを忘れられない夜にするつもり
であることを、みんなに伝える。のちに3人は、「シャンゼリゼ」や
「We will rock you」を観客といっしょに歌うことになる。
650ファンクラブ会員番号774:2013/07/21(日) 03:06:13.90 ID:ryfmk8We
【その4】
 休止がときに長すぎるとしても、ライヴはやがて再開され、
次々と登場するエレクトロ的な曲のリズムでテンションはすぐさま高まり、
バタクランの観客はみな、いっそう高く飛び跳ねる。
ほぼ半分がすぎた頃、Handy Manのインスト・ウァージョンが
バックに流れるなか、映像が巨大なスクリーンに映し出されて、
ちょっとした幕間となる。そのあいだに3人は、
少しばかりリフレッシュして、着替えることができる。

 この中断によって雰囲気が変わることはない。それどころか、
会場はとても熱いままだ。「だいじょばない」「エレクトロ・ワールド」
「FAKE IT」が立て続けに来て、レーザーの束が復活する。
ディスコのような沸騰した雰囲気だ! 「ジャンプ! ジャンプ!」と
A-chanがあおり、自分たちも元気に飛び跳ねる。この狂乱のなか
Dream Fighterが来る。フランス語に訳された歌詞が映し出されて、
この日のライヴのなかでも、とりわけ夢のような時間だ。
うっすら青い光のなか、優美さと自信をもって歌う3人、
深い感情が「自分の夢のために戦って」と私たちを励ます。
最後の曲である「チョコレイト・ディスコ」と「MY COLOR」で、
3人はフリを指導する。ファンはそれを、3人といっしょに必死で反復する。
651ファンクラブ会員番号774:2013/07/21(日) 03:06:56.31 ID:ryfmk8We
【その5】
 約2時間のショーのあと、3人はステージをあとにする。
すぐに観客は、3人を呼び戻そうと必死になる。戻ってきた3人は、
アンコールに3曲を提案する。「ねぇ」「GLITTER」「love the world」から、
お気に入りを選べという。結局、公演をしかるべく終える曲として
選ばれたのは名高い「ねぇ」。他の2曲は残念ながら選ばれず。
魅了されて感動した観客に見守られ、最後の歌とステップを
披露した3人はステージをあとにする。

 パリのバタクランでPerfumeはこの夜、このうえなく刺激的な
新しいステージを見せてくれた。メンバーは、まさに熱狂的な
パフォーマンスを行ない、2013年の日本の音楽のなかでも、
特筆するべき、歴史に残るものだった。バタクランという会場に合った
息を飲むような演出、疲れた様子もなく、次々と繰りひろげられるダンス。
加えて、一つになり、忠実で、どこまでも限りなくエネルギッシュな観客。
このあと、2時間かそれ以上の追加があったとしても、
まちがいなくやる気満々の観客たち。
でもそれは、次の世界ツアーの機会までお預けだ。
フランスのファンは早くも、もう一度、体験できるのを待っている。