【テクノポップユニット】Perfume 2588【チョコラBBQ】

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955シベリア便
本スレにあったmcmbuzzのロンドンライブレビュー翻訳しました。
http://www.mcmbuzz.com/2013/07/07/perfume-at-shepherds-bush-empire-5th-july-2013/
例のごとくBBQに参加できなかった悔しさを込めてテキトーに訳しているので、間違い等あったら御免なさい。

「フィッシュ!」

歴史あるShepherd’s Bush Empireの、元々は演芸場だった事を思い出させる金色と白で彩られた2階、3階席が興奮で爆裂し、
響き渡った言葉は観客の叫びと共に小さなステージに反響する。

腕を振って一階のフロアを指し示すジェスチャーの後、

「&チップス!」

同様に、一階フロアからも、呼びかけに応える絶叫がこだまする。手を頭上高く上げ、飛び跳ねる観客達。
そしてステージ上では、Perfumeのあ〜ちゃんが嬉しそうに、眩しげに微笑む。

会場の空気は素晴らしく、Perfumeのこれまでの楽曲のクオリティの素晴らしさを証明するかのように、本当に多種多様な人々が集まっている。
そこにはこのような混雑した観客達(特に普段得られる情報がほとんどなく、取引される輸入品や、ちぐはぐな商品でしか情報を得られないような観客達)
が集まってライブを観る時に見られる、ある種の奇異さも、臆病さも存在しない。
ここにあるのは愛だけ。ステージに立つ3人の女性達と、彼女達が奏でる音楽に向けた純粋な愛のみが、ここには溢れている。

近年リリースされたシングル「Spending all my time」で始まったライブは、最初から格調高い、
グループの特徴である音と映像のシンクロに満ちた賞賛すべきものだった。
照明が瞬き、観客達は歓声を上げ、物販コーナーでグループのロゴの入ったタオルに100ポンド以上使ったファン達が、ステージに向かって突進する。
それに続いてPerfumeの3人 ―あ〜ちゃん、のっち、かしゆか― がステージで披露したのは、
彼女達の衣装と、背後の巨大なスクリーンに投影される光のショーだ。
956シベリア便:2013/07/14(日) 01:36:08.80 ID:e73wwkgS
Shepherd’s Bush Empire、この1903年に完成し、ドイツ軍の電撃戦中の爆撃から奇跡的に生き残った劇場で、
広島からやって来た彼女達が、ノスタルジックであり、かつ魅力的な「未来」の詳細図を示したのだ。
ディティールが展開し、パターンがバラバラになる。それを目にした時に感じる畏怖の感情は、子供の頃に観た映画、
Tronの中に出てくるパターンが展開するコスチュームを見た時の感情以外の何物でもない。
実際、近代的なマルチメディアを最大限に活用しているグループを探すならば、ステージ上に立つPerfume以上に最適な例はいないだろう。

会場にあるものすべてがはっきりとした形で、グループのイメージと存在感をステージから離れた場所でも反映させられるようになっていた。
全てが素晴らしかった。

曲の間にも3人は元気一杯で、今年初めにAngelで行われた、きゃりーぱみゅぱみゅのコンサートの様子と比較すると、
驚くほどおしゃべりだった。
会話は主に日本語で所々に英語が混じっており、ある時には観客に要請して、
バイリンガルの観客にマイクを渡して通訳をお願いしていた。

MCパートは、教育的な性質を見せたきゃりーのパフォーマンスとは明らかに異なる風に発展しており、
この方法は他のレコード会社も教訓にすべき、有望なアイディアだったと思う。

このライブはもともとAngelにあるO2 Academyでの開催が予定されていたが、チケットは3分で完売となった。
ここに来る観客は、決してニッチなマーケットではないのだ。

MCの間に、ツアーの調子や海外でのパフォーマンスに対するメンバー達の考えや気持ち、
さらには最近のFish & Chips初体験についてまで報告を受け、このお喋りが次の曲のセットまでの間を繋ぐアンカーとなった。
これは決してライブで周囲を取り巻く音楽を遅延させるものではなく、むしろ高揚させるものだった。
957シベリア便:2013/07/14(日) 01:36:45.41 ID:e73wwkgS
「フィッシュ!」2階席から上がもう一度叫ぶ。

あ〜ちゃんが手を振る。

「チップス!」フロアからも再度歓声が上がる。

この一連の流れが、演者と観客の間に連帯感を育む。
ロンドンでライブを行った他のJ-Popグループのコンサートでは見られなかった、完全に独自の経験である。

Perfumeに手を上げるよう求められ、観客が手を上げると、3人は親指を立てて「いいね!」(ii ne!)と叫ぶ。
史上最も可愛いFacebookの例えだと言っていいだろう。そこには策略も、観客を手玉に取ろうとする気持ちもない。
ただ純粋に3人も、自分達の目の前にいる観客と同様に楽しんでいるんだ、という気持ちがあるだけなのだ。

次のセットでは、Perfumeの歴史を広くカバーした楽曲達が演奏された。披露された曲は、チョコレイト・ディスコ
―観客達が文字通り一体となってフロアで飛び跳ねた曲― のようなお決まりの定番ソングから、
個人的に大好きな曲であるエレクトロ・ワールド、最新アルバムJPNの曲まで多岐に及んだ。

今回のセットリストに含まれなかったシングルも多数あったが、それは決して観客達の不満にはならなかったし、
グループが突然QueenのWe Will Rock Youを歌い始めた時には、これは海外の観客の事を考えての事で、
決して無視するものではないことははっきり分かった。

ライブを見ながら、まだ寒かった今年の2月、AngelのO2で行われたコンサートの事を思い出さずにはいられなかった。
あの時も叫んだし、空中に手を突き上げた。
しかし、今回Perfumeが成し遂げ、あの時きゃりーぱみゅぱみゅが伝え、或いは伝えきれなかった事の
類似点と相違点がこれ以上無いほどクリアになった。

観客を教育する必要など無いのだ。むしろ説明の必要さえない。
全員がこの3人が誰で、彼女達の高名なプロデューサーが誰で、彼女達の曲がどんなものか知っているのだから。
958シベリア便:2013/07/14(日) 01:37:52.68 ID:e73wwkgS
明りが点滅し、照明と画像の奔流が年季のあるEmpireのインテリアを彩り、観客のテンションも再度上昇し、
楽曲は曲から次の曲へと流れるように進む。あり得ないほどの達成感が空間に漂う。

遂にステージを離れた3人は、殆ど即座にアンコールの為に戻って来た。アンコール候補の曲として3曲挙げ、
観客達がGLITTERに投票した時には、日本の観客とイギリスでの観客のチョイスの違いに驚いているようだった。

最後の曲が終わり、観客達は最後にもう一度だけ3人に歓声を送る。
Perfumeはステージを去る準備をし、ステージを去ろうとする正にその時、真に正直な時間が訪れた。

日本語ばかり使った事を謝罪し、この言葉を我々に投げかけてくれたのだ。
「同じ音楽を感じて、同じ情熱を感じてるよ。」

感情が胸に込み上げる。

3人は手を振り、微笑み、涙ぐみながらステージを去る。舞台を離れる直前に、あ〜ちゃんは立ち止まり、叫んだ。

「フィッシュ&チップス!!」

―翻訳以上ー

次はAlexさんのパリレポを翻訳しようかな〜等とぼんやり考えてます。その時はまたよろしくお願い致します。

関連まとめサイトの方もいつもご苦労様です&ありがとうございます。
もっと良い訳が書けるよう努力します。