【テクノポップユニット】Perfume 2587【チョコラBBディスコ!】
Perfume(12歳からステージに上がっている)の音楽世界は、
(私たちヨーロッパの人間にとっては)意表をつくと同時に
効果的でもある。刺激的でセンチメンタルでデジタル的で
肥大したポップ。彼女たちのサウンドは、レース細工というより
太めの毛織物に近い。テクノ、ダンス、エレクトロ、ゲームのシンセ音を
いっしょにミックスし、大きめに切り刻んでよく混ぜれば一丁あがり。
ただし、肝心なのは別のところにある。Perfumeのファンになるのは、
そのグローバルな「美学」、3人が総体として提供するもののためである。
ビタミン強化したような〔エネルギーに満ちた〕奇妙な世界、
生きる喜びによって増幅され、ビヨンセ・ノウルズの亡霊にとりつかれた
「カワイー」の幻影に、困惑し、さらには苛立つ者もいるだろう。
バタクランの観客たちはと言えば、もっと欲しがっていた。
ダンスの細部まで知っていて、その場でまねてみせる。
ステージでは、かしゆか、あ〜ちゃん、のっちが参加を促す。
セクシーなポーズをとる永遠の少女たちは、
リアルじゃないほどのフレッシュさと生き生きした反応で際立ち、
女子中学生的な哲学を元気いっぱいに発散する。
「あなたの夢のために戦って」とフランス語でスクリーンに表示される。
彼女たちは、ほんとうにそう信じているように見えるので、
こちらもそれに乗せられてしまいそうになる……。
日本でセンセーションをまきおこし、いつもチャートの上位にいる
このグループは、2012年にユニヴァーサルに移籍して以後はとくに、
まちがいなくヨーロッパでファンを作ることに成功している。
バタクランの夜は、延々と続く歓声に始まり、数分間のアンコールで
終了した。ポリリズム、エレクトロ・ワールド、SEVENTH HEAVEN……
ヒット曲はもれなく。会場はVOICE(2010年)をアカペラで歌いだす。
ファンたちは、明らかに満ち足りて現実の生活に戻っていった。