【テクノポップユニット】Perfume 2367【夏はソーメン。】
「お待たせしました。あ〜ちゃんさんです。」
と紹介された女の子が席に座る。ワンピースを着こなし、ウェーブのかかった髪が目立つ美人さんが、
満面の笑みで話しかけてくる。
「お待たせしました〜。大丈夫だった?ボーイさん無愛想で怖かったじゃろ?」
いきなりの広島弁に戸惑いながら「ちょっとね。」と答えると、
「あの人はいつもそうなんよ。まぁ仲良くなりたかったら、ガンダムの話でもすりゃあええよ。
ザクさんのトランクで旅行行く位のガンダム好きじゃけ。うちはサッパリわからんけどね。」
と、いきなり身内をdisりはじめる。
しかしその表情は慈愛にあふれており、disにもスタッフへの深い愛が感じられる。
そこから始まったトークはまさに彼女の独壇場だった。過剰なまでの擬音を織り交ぜながら繰り広げられる
スタッフや店長のモノマネや自虐ネタ、店に勤めている友達との会話など、話題の幅が非常に広く、
そのどれもが芸人並みのクオリティ。さながら台風のような圧倒的な話術に圧倒されながら何となく聞いてみる。
「その同じお店に勤めてる友達ってどの娘?」
「え、知らんかったん?さっき着いとった2人よ。」と店内を見回して手を振る。
離れたテーブルで水割りをつくっていたかしゆかと、
退店する客を見送っていたのっちが手を振る阿〜ちゃんに気付き、笑顔で手を振り返してくる。
正直に言って以外な交友関係だった。3人ともタイプが違いすぎて、
とても一緒にいるところが想像出来ない。
ふと
「こういうお店ってノルマとかで大変なんじゃないの?
友達同士でもライバルみたいになって、微妙な空気になったりしない?」
と尋ねてみた。
あ〜ちゃんは心底不思議そうに首を傾げて答えてくれる。
「なんで?店の娘はライバルじゃなくて一緒に頑張る仲間じゃろ?
2人がいい売上げだったら私は嬉しいし、
2人も私がいい売上げを取ったら凄く喜んでくれるよ?」