【テクノポップユニット】Perfume 2367【夏はソーメン。】

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173ファンクラブ会員番号774
そうこうしている内に、先程のボーイが女の子を連れて戻って来た。
「お待たせしました。かしゆかさんです。」
と女の子を紹介し、ボーイは去っていく。

「カシユカデシュ、シツレイシマシュ」と隣に腰を下ろした女の子は、ストレートの黒髪のロングヘアと、
どこまで見せるつもり?と問い詰めたくなるくらい短いスカートから覗く美脚が印象的な女の子だった。
手慣れた様子で水割りを作り、「カンパイ!」とグラスを差し出してくる。
その細かい動作の全てが、計算か無意識か知らないが、一々可愛いのだ。
こりゃ、いい娘がついたな、と内心ほくそ笑みながら話し始める。

彼女との会話はとても楽しいものだった。恐らくはとても頭が良くて、根が真面目な娘なのだろう。
こちらの話に適切なあいづちを打ち、会話の流れを読んで話題を振り、
こちらが気を損ねない適度な範囲でまぜっ返す。
そしていくら突拍子の無い事を言っても、すぐに話を理解して着いてきてくれる。

「ゴメンね、話が飛び飛びで。でも良く着いて来れるね。」と言うと、
「仲の良い友達も話が凄く飛ぶから、それで慣れちゃった。」との事。

話を続ける内にどんどん、「この娘、もしかしたら俺に気があるんじゃ?」と錯覚してしまう不思議な魅力に
すっかりヤられてしまい、これが手のひらで転がされるということか!と戦慄しながら夢中で会話をしていると、
さっきのボーイさんが席に近付き彼女の耳元で2、3言呟く。
どうやら別のテーブルから指名が入ったようだ。
「ゴメンナシャイネ」と心底済まなそうに詫びながら席を立つ彼女に笑顔を返しながら、
いい娘だったな〜などと考えていると、ボーイが別の女の子を連れて来た。

「お待たせしました。のっちさんです。」
新しく席に着いたのは、キャバクラには珍しいパンツスーツを着こなした、ショートカットの綺麗な娘だった。
さっきの可愛い系の娘とは180°方向性の違うクールビューティーの登場に緊張していると、
「どうしたんれすか?せっかく来てくれたんだから楽しまないと!」
といきなり鬼気迫る表情でハッパをかけられた。
圧倒的な目力で見つめられ、反射的に「ハイッ!」と返事しながら、
ヤバいな〜、恐い娘に当たっちゃったなぁ〜とか考えている自分に気付かず、
彼女は水割りを作りつつこちらに話を振ってきてくれた。

彼女の話に耳を傾けながらあいづちを打っているとすぐに違和感に気付く。
彼女のハマっている漫画やゲームの話、休みの日に誰とも話さず一日中寝てしまった話…。
要所要所で見せる噛みっぷりと相まって、そのどれもから漂う若干残念な香り。
え?こんな美人が?とすぐには信じられない程の一種詐欺的なまでのギャップに、
緊張はすぐに解け、気が付けばかなり打ち解けて話を出来るようになっていた。

この娘との会話はとにかく退屈しない。先程の娘との会話をスムーズなキャッチボールとするならば、
この娘とのそれは、どんな球が来るか分からないバッティングセンターのようだ。

とにかく物事に対する捉え方が独特で、予期しない方向から会話に切り込んで来る。
しかもその発想の一つ一つに言いようの無いセンスを感じる。
楽しく話していると、再度ボーイが近付いてきた。どうやらまた指名が入ったようだ。
「せっかく仲良くなれたのに、残念れす」と噛んだのを強引にごまかし微笑みながら席を立つ彼女を見送りながら、
いい娘と連続で当たって今日はツイてるな〜等と考えていると、また次の娘がやって来た。