【テクノポップユニット】Perfume 2366【VMAJ Ust配信決定】

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514ファンクラブ会員番号774
>>372 のせいですw
小料理屋「かほり」長文レポその2 こういうの苦手な人は飛ばしてください。

「穴子はれすね…」のっちはが大好きという穴子は、実にふっくらとしていて甘いタレとの
相性も抜群であった。叩いた山椒の葉が別添で供されるのはあ〜ちゃんのアイディアか。
これを、のっちセレクトの「賀茂鶴・常温」で頂く。鼻腔を甘く芳醇な香りが通り過ぎる。
旨い。

小一時間もいると、カウンターの常連さんは次々と入れ替わっているのに気がつく。
座って2〜3本呑んで2品つまんで3千円台。どの肴もあ〜ちゃんの愛情こめた手造り
だから掛け値なく旨いし、なにより女将たちの客あしらいが実に上手い。調理場に詰め
るあ〜ちゃんは、カウンター、小上がり、常連、一見関係なく、細かな気遣いで応じてる
し、かしゆかは皿が空けば「オキニメシマシュタカ?」と必ず声をかけチョコチョコ下げにきてくれる。
酒担当ののっちは、隣席が空いているときなど酒器に注ぎにきては、最近ハマっている
ことを気さくに話しかけてくれるから、こっちも酒が進んでついついおかわりしてしまうのだ。

聞けば、入っている建物のオーナーがつい最近代わったのだそうだ。その話になると
あ〜ちゃんがついつい涙目になるので、常連さんは何気に話を変えるのに必死である。
それを感じ取ってかしゆかが、「ミンナガニコニコシテイルノヲミルノガキモチイイ!」というと、のっちが「うん、
うん」と応じる。阿吽の優しい呼吸を、店と客が共有しているのがわかる。しかもそれを
強要しないのが小料理「かほり」流か。

締めになにかと尋ねると、「北寄貝の握り飯はどうじゃろ?」とあ〜ちゃん。貝刺身の定番
である北寄貝だがご飯物とは意外であった。聞けば、もとは南東北の名物料理だったと
いう。震災やらなにやらですっかり作られなくなったというニュースを聞いて、見よう見まね
でやってみたそうだ。「大好きな日本の郷土料理じゃけ、もしなくなったら悲しいと思って」。
そう言いながら出された小ぶりの握り飯3つ。ほんのりと潮風を感じるうちに、熱いものが
こみ上げてくるのを禁じ得なかった。

あまり長っ尻は無粋と気を取り直し、お会計を頼む。のっちが金額を書いた割り箸入れを
さっと手元においたと思うと、もういないw 相変わらずの良心的価格につい顔も緩む。
財布を出して漱石を何枚か取り出し、これで、と振り返るとのっちがお釣りをもって脇に
いた。早い、早いよ、のっち。

「じゃあ」と席を立つと、3人が「ありがとうございました」と深く礼ををしてくれる。あたりまえ
だが、実に気持ちがいい。もう少し居続けたい気持ちを抑えて、外に出る。笑顔で見送る
3人の笑顔に、笑顔で応えながらゆっくりと引き戸を閉める。

外は、いつのまにかとっぷりと暮れている。たくさんのまぶしい光に溶けないうちに、きょうは
早く帰ろう。きっと明日は楽しいはずだ、そう思える気持ちがいちばんのほんもの。