【京言葉】安田美沙子 41 【癒し系】

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来週以降の聡子が可哀相

第20週「あなたを守りたい」

(略)翌年、優子は里恵を保育園に預け、オハラ洋装店での仕事に復帰した。
同じ頃、直子は自分の店の従業員二人から同時に辞表を叩きつけられ、途方に暮れていた。
それを知った優子は、自分が直子の店を手伝うために上京すると言い始める。
「今のうちの店に、直子の仕事をほんまの意味で手伝える人間は、他にいてへん。うちだけや」
直子は今、高い理想を掲げて東京で悪戦苦闘している。直子の作品のよさが理解できない糸子や昌子では、
その手助けはできないと優子は言いきった。
その言葉に糸子は怒りを覚えるが、結局、優子が里恵を連れて上京することに決まった。
その後しばらくして、聡子が、東京で開かれるテニスの全国大会に出場することになった。
聡子は、優子と直子の住むアパートから試合会場に通い、なんと優勝を果たした。
全国一位という栄誉を手にした聡子に、いくつもの実業団から入団の誘いが来た。
ところが聡子は糸子に、テニスはやめると宣言する。
「もう、さびしい……さびしいさかい」
そう言って、いつも笑顔が絶えない聡子が、珍しく涙をこぼした。
洋裁に情熱を注ぐ母と姉たちの中で、いつものん気に見えていた聡子が密かに疎外感を
抱いていたとは、糸子はまったく気づいていなかった。(おわり)