155 :
名無しの車窓から:
召還しる!
156 :
名無しの車窓から:2009/08/04(火) 20:32:06 ID:5SHRdPdZ
中国・「製造大国」の表と裏(5)―先進技術吸い取る“技術”
中国政府は日仏加などから、最先端の高速鉄道技術を導入する決定をしていた。世界的規模の金融危機を克服するための景気刺激策としての意味合い以外に、海外技術の
大量吸収により、高速鉄道設備の製造大国への近代化路線を加速させる思惑もある。果たして、中国企業は如何にして、海外メーカーから先進技術を吸い取ったのだろうか。
青島四方機車での滞在中、座談会から現場視察時の会話、そして中国特有の宴会の席に至るまで、筆者は幾度なく現地の技術担当責任者から「独自の開発」「知識財産権の確立」といった誇らしげな表現を聞かされていた。その度に、北京で鉄道関係者との
懇談で話題に上った高速鉄道設備の「技術改造」の記憶がよみがえる。実際にも製造現場で、部材や補助設備のみならず、高速列車技術の核心部分についても、供給側の海外メーカーのスタッフと導入側の中国企業技術者が協働して改良、改造を行っている光景が見られた。
どうやら、中国政府が海外から高速鉄道技術の導入を決めた際、既存技術を基に中国側技術陣による設計の修正と設備の改造を認めさせる条項が、導入契約の内容に
盛り込まれているらしい。ここで、筆者は十数年前に聞いた「三峡ダムモデル」の話を思い出す。「以市場換技術」(市場を技術と交換する」という一風変わったビジネス・モデルなのである。
1996年、国家級プロジェクトだった三峡ダムの水力発電機(第一期計14機)の国際公開入札が行われた。そのとき、中国政府は入札した諸外国メーカーに三つの条件を付けていた。一つは、中国企業と共同で設計・製造すること。
二つ目は、中国企業に核心技術を提供し、かつ中国側技術者に対する教育研修を行うこと。三つ目は、中国国内での部材調達を全体の25%以上、しかも全14機中の最後2機を中国企業が製造を行うこと。
あまりにも厳しかった条件にも関わらず、欧州重電大手のアルストムとABBグループが三峡ダム向けの水力発電機設計・製造を落札した。市場の魅力に屈した海外メーカーが中国政府の軍門に降った一幕だった。それから8年後の2004年、
三峡ダム第二期公開入札が行われた際、独自の設計・製造能力を有した中国メーカーが大型水力発電機12機中の8機を落札した。さらに、2008年に行われた中国国内他の水力発電施設の公開入札で、水力発電機計26機のうち、
中国重電メーカーが19機という圧倒的な落札率で海外メーカーを圧倒した。中国企業がそれまでに支払った技術利用料と比べたら、強力な設計・製造能力を身につけた中国が手中にした経済的メリットの方は、はるかに大きかった。
常識的に言えば、設計の修正に最先端の技術ノウハウの開示が不可欠で、設備の改造にもその技術を消化して身についた高度な技能と理論が欠かせない。これらすべてを安い「授業料」で入手した中国企業は、
中国が強みを持つ無尽蔵の技術者大軍と持ち前の模造技巧を生かせれば、たちまち高度な製造能力を有する強力なライバルに変身する。現に、中国のハルビン電機と東方電機の二大重電メーカーは、
いまやすでに世界最大級の80万kw水力発電機を設計・製造できる業界屈指の水力発電機製造企業に成長している。
この「三峡ダムモデル」に象徴された中国政府の海外技術導入方法は、実は発注契約書に「経済約束条項」を付け、導入時の技術移転料と契約実行段階の履行状況に基づいて
技術使用料を支払うものだった。「金は払うが、真似する権限を認めろ」という強圧的な姿勢で、目先の利益に目が眩んだ海外メーカーの技術を力任せで吸い取ってしまうのだった。
十数年前、「世紀の大プロジェクト」三峡ダム流のビジネス手法が、21世紀の国家級プロジェクトである全国高速鉄道網の建設にそのまま流用されようとしている。しかも今度は、
あれだけかたくなに既存製品の販売に固執してきた日本メーカーさえも、巨大市場の旨味に惹きつけられたせいか、中国政府の策略に自ら身を挺して追随するようになったのである。
前回の連載に、中国政府の景気刺激策として高速鉄道建設が急ピッチで進められたと述べた部分があったが、筆者はここであらためて強調しておきたい。当面の景気対策だけが中国政府の高速鉄道技術導入の唯一の目的ではない。高速鉄道建設と
車両設備設計製造の近代化を図る上で、世界最大規模であろう中国の高速鉄道網に必要な建設・設計・製造の総合能力を自前で持たなければならない、と中国政府は判断し、その近道として海外から最先端の技術を強行にかき集めているのである。
(執筆者:王曙光 拓殖大学教授)
サーチナ 2009/06/10 15:03
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0610&f=column_0610_002.shtml
157 :
名無しの車窓から:2009/08/04(火) 20:48:51 ID:5SHRdPdZ
中国・「製造大国」の表と裏(6)―国産新型高速列車がこうして生まれる
日本のE2−1000を原型としたCRH2型高速列車を川崎重工などの日本企業と共同生産する青島四方機車。ここに全国各地の大学、研究機関からの高速列車研究開発者が
招集されている。むろん、海外メーカーから既存技術の教習を受けるだけが目的ではない。彼らは中国の高速鉄道時代を背負う使命感に心が燃えているのである。
筆者の青島滞在最終日に、鉄道部所管スタッフと現地の研究開発チームのメンバーと私的な懇談を持つ機会を得た。別れを告げるつもりで設けた一席で、訪れた彼らは担当者ならではの逸話をいろいろと聞かせてくれた。これまでの高速鉄道技術導入
プロセス決定の裏話や、海外メーカーとの交渉での体験談など、次から次へと飛び舞う酒場の話題から、筆者が青島滞在中にずっと考え続けたことと一致したものがあり、そこに中国政府の高速鉄道発展戦略の「断面図」が透けて見えるようになった。
中国の企業が海外メーカーとの高速鉄道技術提携交渉で、第一段階としての技術導入商談の手法は、核心技術の提供を最大限に引き出すための「市場を技術と交換する」戦術だった。これには、
開発ノウハウの開示と運用技術、製造技能に関するセミナー、研修などによる人材育成なども含まれ、中国政府は複数メーカー落札という結果を生かし、競争心を煽られた海外メーカーを最大限に奮い立てた。
そして第二段階のパッケージ設定では、中国企業がコスト管理の主導権を握ることができるよう、落札した海外メーカーに譲歩を引き出していた。具体的には、海外提携メーカーに対して部品資材および関連設備の
国内調達率に下限数値を設けたり、国内での部品メーカー、付帯設備メーカーの育成を義務づけたりするなど、中国国内のコスト優位性を生かして製造コストの削減を図ろうとする計算が随所に見られていた。
さらに重要な仕掛けは、初期の技術導入交渉から中国側は、新型高速列車の開発主導権を海外メーカーに握られてはならない、との判断の下で、海外提携メーカーの設計者、技術開発者と中国側技術者との協働で、
新型車両の国内開発製造体制の構築に最後までこだわっていた。その結果、日仏加諸国のメーカーから、高速列車の設計から製造までの主要プロセスにおいて、中国側による改良、改造を認める譲歩をさせた。
これまでにすでに提供または開示された技術ノウハウが加わると、今後中国独自の高速鉄道の建設・開発と製造・運営が実質上可能になったのである。
続く
158 :
名無しの車窓から:2009/08/04(火) 20:49:37 ID:5SHRdPdZ
続き
たとえば、高速鉄道の駅舎、線路の施工、車両製造と維持補修などの規格基準と品質管理ノウハウなど、いずれも高度な技術が内包されている部分だが、
中国側にとって極めて有利な形で技術開示・供与協定が結ばれたため、現在中国企業はすでにこれらの技術ノウハウを相当吸収できている。
どうやら、長年の懸案だった中国市場への参入がようやく認められた海外メーカーの焦りを利用した中国企業は、技術対価として計量化されにくい、いわば「目に見えない技術移転」の面でも、大きな実利を得ていたようである。
そもそも、高速鉄道のような近代的な産業技術は、多方面にわたる複合的なもので、ハード面とソフト面の技術移転がともに実現された場合、中国側が供給側に技術導入の対価としての技術使用料を支払ったときから、
技術供給側の海外メーカーはすでに複製や改造されて不利益を被るリスクを背負った、といえよう。それでも、日仏加メーカーはリスクを承知の上で中国への技術供与とノウハウ開示要求に応じた。もしかしたら、
技術供与側は、最先進技術の固まりのような技術ノウハウをたとえ後発国に提供したとしても、技術進歩という一本のレールの上で、後発国からの追いかけがあっても追い越されることは不可能だ、という過信があったのかもしれない。
ところが、中国政府が考案した高速鉄道技術の導入プロセスには、旧来の常識だった一本レールではなく、中国側が吸収、消化、さらに自前技術との結合による発展が可能となるもう一本のレールが敷かれていることに、海外メーカーは果たして気づいたのだろうか。
現に、中国の高速列車開発・製造企業の技術進歩を象徴するニュースが流れている。青島四方機車が主体として開発中の次世代・新規格高速列車(運営時速350キロ)が2011年に実用化される見込みである。北京・上海間、武漢・広州間とハルビン・大連間の
三大幹線に導入されるこの国家級プロジェクトには、青島四方機車が製造担当のほか、全国複数の大学・鉄道研究機関の技術者が開発に参加している、と中国高速鉄道事業の統括者である鉄道部運輸局長張曙光氏は発表している(2009年6月12日付『人民日報・海外版』)
こうして、中国企業は海外との技術提携とその消化過程で、技術改造ノウハウを手に入れ、さらに独自開発による自前の技術を組み入れた結果、中国はいま、独自で新規格の国産高速鉄道を
設計製造する能力をほぼ手中にしていると見てよかろう。ここまできたら、もはや中国流の高速列車技術導入の手法を非難するだけでは、高速鉄道大国へ邁進する中国の突進を止められなくなっている。
(執筆者:王曙光 拓殖大学教授)
サーチナ 2009/06/22 10:30
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0622&f=column_0622_002.shtml
159 :
名無しの車窓から:2009/08/04(火) 20:59:43 ID:5SHRdPdZ
中国・「製造大国」の表と裏(7)−北京−上海高速鉄道の建設現場
済南は暑い! 7月初めの済南は本当に暑い。三面の山に囲まれる済南特有の酷暑に、コンクリートの近代建築物やアスファルトに蓄積された熱が加わり、済南は凄まじい暑さで筆者を迎えてくれた。
実は、山東省済南市は筆者の生まれ育った故郷であり、来日までに32年間も生活した馴染みの深い街である。この町西部の旧工業地帯の一角に、
かつて筆者が8年間勤めた国営工場の敷地があった。大学生募集中止となった文化大革命(文革)中、毎日通っていた工場周辺は、いま巨大な新興住宅地に変貌している。
この住宅団地群の西の離れに、旋回式クレーンが林立する工事現場があった。埃に包まれた建設機械の数や出来上がった鉄骨やコンクリートの骨格から見ると、かなり大きな建設物が何棟も連なる巨大な規模になりそうだ。
「京滬高速鉄道済南高速站工程建設指揮部」の名刺を持ったスタッフが案内してくれたのは、建設面積が20万平方メートルを誇る巨大ターミナル駅舎の工事現場の一角だった。段店鎮于莊村と呼ばれるこの一帯は、昔あった野菜農家の畑が完全に姿を消し、
建設重機がフル稼働する突貫工事の現場に様変わりしている。大規模な開発が急ピッチで進められているこの辺りは、ターミナル駅に直結する市内交通網、大型商業・教育付属施設などを擁する「蝋山新区」に生まれ変わろうとしている。
中国各地の国家級プロジェクトと同様、「済南西客站」プロジェクトもわずか数年の間、省都済南の西部に斬新な開発地帯をもたらしている。
ここはいま、世界的な不景気から全く影響されない「元気さ」に満ちあふれている。中国政府が高速鉄道建設に託した景気刺激効果が、ここでも顕著に表れている。
済南西駅は完成後、京滬高速鉄道と膠済(済南青島間)高速鉄道の終着列車が乗り入れる重要なハブ駅として、北京まで2時間、上海まで3時間、という近代的高速鉄道網の中枢になる、と案内役の若手スタッフが丁寧に説明してくれた。
汗が滲んだこの好青年の話を聞きながら、若き頃に経験した「上海行き列車の旅」を思い出した。済南発超満員の鈍行列車連結部に立ったまま、上海までの18時間を過ごした辛さが一瞬よみがえった。
いまから20年前の18時間と、いまから2年後の3時間、済南と上海間の空間的距離はこのままだが、高速列車が時間軸を一気に縮めてくれる。まさに「隔世の感」という言葉の通り、故郷済南で「夢の超特急」がいよいよ現実化しようとしているのである。
続く
160 :
名無しの車窓から:2009/08/04(火) 21:03:31 ID:5SHRdPdZ
続き
ところで、済南地域で高速鉄道を作るのは決して簡単なことではない。東南西三面に山に囲まれ、北に黄河が流れる済南は、高架化する高速道路建設に不向きといわれた。京滬高速鉄道の「五大重点工事」の一つである黄河特大橋(次回連載に取り上げる予定)
のほか、山間部を抜けるためのトンネル工事だけでも、大小計11箇所が予定されるという。また、「泉城(泉の都)」でも知られる済南の地下水位が高く、トンネル掘削や他の土木工事には高水準の防水対策が求められるだろう。
筆者の要望を聞き入れた案内スタッフは、市の西南部にある西渇馬トンネル工事現場へ向かうよう運転手に命じた。中学校時代の「学農労働
(学生が農作業を学ぶために農村へ出向くこと)」時に泊まり込みで行ったあの農山村のことを思い浮かべると、心拍数がいきなり上がったような気がした。
行き着いた西渇馬の山はすっかり変わった。山の斜面が大きく削られ、円形のトンネル出入り口付近にダンプカーやブルドーザが
轟音を立てて行き交っている。「中国水電集団京滬高鉄三工区第二施工処」の看板の前に来ると、現場総技師である荊さんが握手で迎えてくれた。
「ここは、京滬高鉄で最長のトンネルで、全長2800メートルを超えています」
最先鋭の掘削機械を持つ施工隊の技術指導者は鼻息が高い。ドイツのリープヘル社、日本のコマツ、米国のビサイラス社、世界トップクラスの建設重機メーカーの製品が勢揃いしたこの工事現場に、「これぞ、世界トップレベル」といったよう雰囲気が漂っている。
「国産重機車両の比率がかなり上がっていますよ。一昔と違いますから」
荊さんは工事現場の重機車両類の製造メーカーの見分け方を教えてくれた。なるほど、「徐工」「龍工」「山推」「合力」など国内メーカーのマークが
記された掘削、運搬、荷役、舗装機械が意外に多く、「中国重汽」の本拠地でもある済南地元製のダンプトラックも圧倒的な数になっている。
西渇馬トンネル工事は2008年7月着工し、わずか11カ月で貫通し、年内にも全工事が竣工する予定になっている。この驚異的な施工速度を聞かされた筆者の脳裏に、ふと東京の圏央道八王子ジャンクション近くのトンネル工事のことがよぎった。筆者が勤務する大学の
すぐ近くを通る道路脇のトンネル工事現場は、数年も前から延々と続いたまま、一向に完成の気配が見られない。その間、日本製の建設機械を使った中国のプロジェクト建設は、北京五輪施設に続き、上海万博施設も、京滬高速鉄道も完成間近にまで突進しているのである。
高速鉄道を「高速」で建設する中国。高速道路を「鈍速」で作る日本。
大型プロジェクトの建設速度は、まさに国の「元気さ」を象徴しているのである。
(執筆者:王曙光 拓殖大学教授)
サーチナ 2009/07/14 08:52
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0714&f=column_0714_001.shtml
162 :
名無しの車窓から:2009/08/04(火) 21:10:35 ID:5SHRdPdZ
中国・「製造大国」の表と裏(8)―北京・上海高速鉄道の「特大橋」
済南市の北郊外に流れる黄河。その水面が済南市中心部のビルよりも高いと言われるほど、昔から水害の危険にさらされている済南住民は恐怖の目で黄河を見つめている。土砂の沈殿で河床が年々高くなり、川水が溢れるのを防ぐための
堤防がどんどん高く作られた結果、黄河は悪名高き天井川(てんじょうがわ)になっている。いつか、行き場を失った川水が氾濫し、町を飲み込んでしまうのではないか。済南人の目には、黄河の姿が恐ろしい「害河」と映っている。
この黄河に最初の鉄橋ができたのは1909年頃。ドイツ人が建設した当時中国最長の鉄道専用鉄橋が古き町・済南の一大景観になっていた。1982年に完成した済南黄河大橋
(当時のアジアで中央径間の最も長い吊り橋)は、典型的な人海戦術の成果であり、筆者も当時建設現場での「義務労働(無給労働)」を余儀なくされていた。
上記二本の橋より黄河上流の方向に目を移すと、両岸を大きく膨らませたように巨大な臨時建築物群が、ほこりを立てながら黄土の広がる広野に構えている。全長5143メートルにも及ぶ「済南黄河特大橋」の建設工事は、いまや昼夜問わず急ピッチで進められている。
済南市政府の公用車から黄河南岸の工事現場入り口前に降りた瞬間、異様な匂いが来訪者の列を襲いかかってきた。土砂が発散した乾いた匂いに交えて、
排気ガスの重く淀んだ臭いが鼻を強烈に刺激した。酷暑の済南に慣れたはずの筆者も、この工事現場に溢れ出るさまざまな熱さに息が詰まった。
済南特大橋の工事現場には、かつて筆者が義務労働者として体験していた橋造りの現場とはまったく異なる雰囲気が漂っている。革命歌謡曲の音楽放送もなく、騒々しい政治的なシュプレヒコールも聞こえない。
耳に注がれたのは各種機械が出した騒音のみである。フル交代で稼働する建設機械や慌ただしく往来する輸送車両の音が、黄河河畔のすべての空間を支配している。
工事現場の奥に向かってしばらく進むと、架橋機械などが多く設置されている吊り橋の主塔らしきものが目前に迫ってきた。施工企業「中鉄一局集団」の案内者の説明によると、中国企業の独自開発による
900トン級の架橋設備が主力として活躍しているという。なるほど、「JQ900B型架橋機」という銘板が付けられる大型機械が全長32メートル、重量が900トンにも達する橋梁ユニットを軽々と吊り上げている。
続く
163 :
名無しの車窓から:2009/08/04(火) 21:15:25 ID:5SHRdPdZ
続き
鉄橋設計を担当する鉄道第三勘察設計院集団有限公司のスウェーデン籍技師は言う。制限重量が厳しく、高い設計・製造技術が求められる黄河特大橋に、中国最高の橋梁建設技術が生かされている。
とりわけ、主塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接つなぎ支える構造の斜張橋(しゃちょうきょう)の長さ(中央径間)で、世界トップ10のうち7本も誇る設計建設能力を擁する中国のレベルが比較的に高い。
高速鉄道建設と高水準の橋梁架設に、多くの中国製架橋機械や橋体運搬機械が使用されていることに大きな意義がある。中国製造業全般のレベルアップを測る指標としても、大型機械設備の国産化の進捗具合が注目されている。
思えば、すでに中近東や東南アジア地域などでも、中国の道路・橋梁建設企業が多数進出し、近代的なプロジェクトにおいて、中国の技術と設備を生かした競争力が発揮されていることが近年しばし伝えられている。
中国製建設重機や架橋機械の性能と競争力について、筆者の耳に正反対の評価が届いた事実が示唆的である。青島の高速列車製造現場では、ある日本人の中年技術者が中国の高速鉄道技術開発に独創的なものも
多々あると認めるのに対し、同じ現場に居合わせた日本の経済紙ベテラン記者が「すべてが日本技術のパクリ」と酷評したのである。それぞれの根拠を問いただしてみたら、「独創説」の技術者が
車輪部図面の細部を指さしながら指摘してくれたが、日本人記者の方は自ら執筆した古い新聞記事(北京石景山公園のディズニー模造品キャラクターを報じたもの)のコピーだけを渡してくれた。
ミッキーマウス紛いのネズミ人形から、北京天津間のCRH2−300型高速列車へと、中国企業は知的財産権無視の違法模造から、国際公開入札による企業間契約での技術導入へと進歩を遂げた。
また、世界最大級の「JQ900B型架橋機」に見られるような近代的架橋機械の独自開発に成功し、これから中国企業はおそらくもっと大きな技術的進歩を成し遂げていくだろう。高速鉄道建設関連の
テーマを終えようとする今回の連載執筆において、筆者は自らの見聞を披露するとともに、実は一方ではさらなる大きな課題を抱えるようになったのである。
次回からは、済南特大橋建設現場に近いショッピングセンターの家電売り場で見た「家電下郷」キャンペーンの様子を紹介する予定である。
(執筆者:王曙光 拓殖大学教授)
サーチナ 2009/07/31 09:31
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0731&f=column_0731_002.shtml
164 :
名無しの車窓から:2009/08/04(火) 21:45:09 ID:N6oACVhh
>>161 仮に日本が中国に技術を供出しなくても日本にとっては割りに合わなそうだな
ベネズエラ…以前180`とかの内燃「動車組」が
チャイナから輸出された記憶があったので、
今回のは電化されるのか検索したが欧文のウェブには記述は見当たらず
CRECのチャイ語ホムペみたらニュースがあって双線電気化と出てた。
www.crecg.com/cn/nnews/200983636626471.html