次世代iPhone Part27

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635iPhone774G
http://s.nikkei.com/KtUWtb
2012/5/1 6:00

iPhoneとその他のスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)との違いが改めて鮮明になった決算だった。
注目すべきは営業利益率だ。ソフトバンク(21%)がドコモ(20.6%)を2期連続で上回った。
今は音声通話収入の減少に歯止めがかからず、データ通信収入が各社の収益を左右する。
これもソフトバンク(57%)がドコモ(54%)を上回っている。
今は音声通話収入の減少に歯止めがかからず、データ通信収入が各社の収益を左右する。
これもソフトバンク(57%)がドコモ(54%)を上回っている。
この比率の差はiPhoneとその他のスマホの違いによるところが大きい。
iPhone効果はKDDIによって実証された。昨年10月にiPhoneを導入し、12年3月期のデータARPUを
2490円と前期に比べて7%高めた。その結果、同社の移動通信事業は4期ぶりの増益に転じた。

 こうした状況に対して市場関係者の見方は明快だ。クレディ・スイス証券の早川仁アナリストは
「ドコモはiPhoneを導入すべき」と断じる。
試算ではドコモがiPhoneの導入に踏み切れば、13年3月期で営業利益を約700億円押し上げる効果があるという。
 社内でもiPhone導入を望む声がある。しかし、山田隆持社長は決算会見の席で「現状では導入はなかなか厳しい」と、
改めて慎重な姿勢を示した。
iPhoneはもろ刃の剣だからだ。独自サービスにこだわるドコモにとって、アップルがサービスの内容を決めるiPhoneは
扱いにくいうえに、「ボリュームコミットメントが飛んでくる」(山田社長)。
ある経営幹部は「我々から流出した顧客に対する調査によると、その主な理由はiPhoneというより価格の安さなどにある」
と強調する。

 揺れ動くドコモ社内を見つめる業界内には「iPhone導入の可能性は残っている」との見方が根強い。
6月に就任するドコモの新経営陣も「iPhoneのジレンマ」を引き継ぐことになりそうだ。