【FD,MIEL,WTERM作者】出射 厚氏にお礼を言うスレ

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48ナイコンさん
>>29
誠に僭越ながら、字句の訂正をさせていただきます。
それ以外は、これではしません。書いてくださった方に対して失礼ですから。
と書いて、自分でも誤字に気が付かないと、大恥だあ・・・。_| ̄|○

【開発経緯】の叩き台(誤字修正版)

以前書いたものです。

以下長文ですみません。

NECのPC-9801が全盛の時代そしてDOS/Vの黎明期にMS-DOS(PC-DOS)に
必須アイテムだった、FDの作者出射氏が病床に臥せっています。FDの開発を
近くで見ていた一人として開発の思い出話を書いてみたいと思います。
FDの開発は1989年に始まりました。その当時出射氏はファイル管理TOOLに
DM(ディスクメンテナー)を使用していたのですが、他人の作ったプログラムのため、
操作や速度に不満を感じていました。
その後、烏城無線というパソコンショップ常連の晴田氏が「DIRQ」というディレクトリーや
ファイルにコメントをつけられるファイル管理ソフトを
発売されたばかりのMS-Quick BASICで作成しソースも公開してくれました。
このDIRQのコメント機能を削除した「DIRM」を出射氏は高速化と機能アップをしたのです。
しかし作成言語がQuick BASICのため速度UPにも限界があり、しかもランタイムを
必要とするためQuick BASICの実行ファイルも大きくなってしまい、出射氏はどうも
納得がいかないようでした。
そこで一念発起してオールアセンブラーでファイル管理TOOLを開発することを決意しました。
49ナイコンさん:2005/10/11(火) 21:10:19
>>30

まず取り掛かったのが画面表示部分です。画面表示が出来なくては動作の
検証もできません。最初はファイル一覧とカーソルの移動しか出来ませんでした。
(画面表示ができれば後は機能を実装していけばいいだけですし)
私が出射氏から最初にFDを見せてもらったのもこのバージョンです。
この後FDの基本機能を実装していくのですが、FD内部で処理ができるまでは
コマンドライン渡しでDOSに実行させていました。
最初に使ってみてくれと渡されたのはVer0.5ぐらいだったと思います。
0.90で基本部分が完成しこのころからFile View機能を内蔵するため、
別プログラムで「miel」の開発が始まりました。
「miel」も形になったころFDに内蔵されました。
これでファイルの中身の表示を別プログラムに頼らなくてもよくなったわけです。
「miel」を内蔵したことによりFDの実行サイズが1セグメントに収まらなくなってきたので
セグメントを越えて実行するように内部使用を変更したのもこの頃だと思います。
またCOMとEXEに分離し子プロセスの実行時にメモリーをなるべく解放するように
仕様変更したのもこの頃です。
50ナイコンさん:2005/10/11(火) 21:16:05
>>31

Ver1.04で仮想ドライブにも安定した対応が出来るようになった
(それまではFATを直接読みに行くだけだった)のでNIFTYで公開されたのが
このバージョンです。NIFTYで公開されるまではUJO-NETでのみの公開でした。
1.06ではユーザーカスタマイズを可能にし、使用者が画面表示の色や
よく使うプログラムを各キーに割り当てることが出来るようになりました。
FDはファイルがアーカイバファイルの場合はFile VIEW時にアーカイバ収納
ファイルを表示する仕様になっているのですが、拡張子がISHの時
ISH(テキスト<->バイナリ相互変換TOOL)を呼び出す仕様になっていました。
しかも隠し機能で拡張子がMAJの時今となっては存在すらも知る人が少ない
MAJO(ISHと同じテキスト<->バイナリ相互変換TOOL。ISHよりも文字化けによる
エラーに強く、しかもFILEが順番に並んでいなくても復元出来るなど利点があった。
PC-VANのQLDフォーラムの管理人「魔女」氏が開発公開していた。)にも
対応していました。1.06でカスタマイズが可能になったことからMAJ隠れ対応は
外されカスタマイズで使うことに変更されました。

> ファイルを表示する使用になっているのですが、拡張子がISHの時
使用 -> 仕様
51ナイコンさん:2005/10/11(火) 21:23:21
>>32

Ver2.00でTree対応になりましたが、このTreeをどう表示するか、どう動作させるかは
ずいぶん試行錯誤していました。速度が速くしかも使いやすくなくてはいけない。
最終的には公開された表示方法に落ち着いたのですが、Tree取得時に時間がかかるという
問題は一度取得したTreeをファイルとして書き出しておき、その書き出したファイルが
存在する場合はそのファイルを読み込みTree取得の時間を省略するということになりました。
Ver2.10でFILE VIEW 64KBの制限が解除され、それまでの64KB一括メモリー読み込みから
FILEポインタでアクセスするように変更され大きなFILEでも最後までVIEW出来るようになりました。
Ver2.13でそのころ発売になったPC-9801XL2やH98のハイレゾ表示に対応しました。
PC-9801のハイレゾ表示はフォントに24ドットの明朝系の表示を使っていて
(普通の98は16ドットのゴシック系のフォントを使っていました)
出射氏はこのハイレゾ表示をずいぶん気に入っていて、ノーマル表示のフォントを
「ハリガネを曲げたような文字」と揶揄していました。

> Ver20.0でTree対応になりましたが、このTreeをどう表示するか、どう動作させるかは
Ver20.0 -> Ver2.00

> PC-9801のハイレゾ表示はフォントに24どっとの明朝系の表示を使っていて
24どっと -> 24ドット

> (普通の98は16ドットのゴシック計のフォントを使っていました)
ゴシック計 -> ゴシック系
52ナイコンさん:2005/10/11(火) 21:25:43
>>33

そして幻のVer2.14。FDのドキュメントの履歴からも消され出射氏も無かったことに
しておきたいのでしょうが、Ver2.14は存在しました。
このバージョンは1990年2月14日(バレンタインデー)に何を思ったのかたまたま
バージョンナンバーが合致したため、わざわざ日にちをあわせてVer2.14バレンタイン
バージョンとして公開したのです。ところが公開してからすぐこのVer2.14には致命的なバグ
(どんなバグだったか忘れました)があることが判明し、あわてて公開中止し改めて16日に
2.15として出したのが履歴に残っているのです。このため履歴では2.13から2.15になっていますが
2.14は確かに存在したのです。(多分2時間ぐらいの存在だと思います)

この後大きな仕様変更はなく、バグフィックスでVerが上がっていきました。
雑誌でも次々取り上げられパソコンを使う上では必須TOOLとして定着していき、
FDの使い方を紹介した本も販売されました。
1992年ごろよりパソコン界の黒船DOS/Vの時代がやってきたのです。
出射氏はこのDOS/V(IBM PC)にもすぐに飛びつきなんとDOS/V用のFDを作成し、さらに当時
流行りだったV-TEXTにも対応し一画面にたくさんのファイルを表示することが可能になりました。
53ナイコンさん:2005/10/11(火) 21:32:20
>>34

このころより開発のメインがNEC-PC98シリーズからDOS/Vに変わり98シリーズのヴァージョン
アップはDOS/V版のおまけみたいになってしまいました。98シリーズの未来を予言するような事態でした。
この後のバージョンUPはゆっくりとしたペースで進みVer3.00でネットワークドライブに対応し、
バグフィックスを経て1995年9月24日に公開されたVer3.12で開発はストップしています。
足掛け6年半にわたって開発が続いていたことになります。

DOS時代パソコンで使うファイル管理TOOLはFD以後もたくさんのフリーソフトが作られましたが、
FDが一番よく使われていたと思います(NIFTYのダウンロード数等より)。
FDを開発するときに動作速度と操作性が最も重視されましたが、これが多くのユーザーに受け入れられる
理由となったのだと思います。
Windowsの時代となりFDを使うこともなくなりましたが「WINFD」がFDの血脈をついでこれからも
FDというものがあったという記憶を残してくれることでしょう。

終わり

記憶で書いているので誤っているところもあると思いますが、こんなところです。
誤りに気づいた方は教えてください。私もしりたいですし。

そうそう、開発はOPTアセンブラーを愛用していました。

出射氏は映画も大好きで SW EP3を見ることができなかったことが心残りだと思います。

> Windowsの時代となりFDを使うこともなくなりましたが「WINFD」がFDの血脈をついでこれからも
WINFD -> WinFD

> Ver 3.12 09/24 3.11で生じたバグの修正
> Ver 3.13 1996/12/12 Findの仕様変更,バグの修正
という感じで、毒にはあるのですが、これは修正すべきなのでしょうか?
原文を尊重し指摘だけに留め、今はこのままにしておきます。