兄貴はそのままサッシ一枚隔てた狭い芝生だけの庭にでて居
間からもれる明かりに照らされながら素振りをはじめた。
親父たちは殆ど気にかけなかったようだが、野球をやめて久しい
兄貴が素振りを始めたことに俺は不審を抱いた。
兄貴はヒットエンドランがかかっていた予選決勝のあのチャンス
でゲッツーフライを打ちあげて最後の打者となってしまったあれ
以来野球をやめてしまったはずではなかったか・・・・
実家から離れてまで甲子園を目指し頑張ったが、結局後ろ指を
差されるだけの理由となったよと一度だけ小学生だった俺にも
らしたことあったよな・・・
あの決勝戦の少しあと、母ちゃんが赴任先の親父に電話で
「インターネットが普及したせいであの子全く無関係の赤の他人
からも傷つけられるんよ。うちよう慰めん」
と泣きながら言ってたっけ。
そんなことが次々と脳裏に浮かんだ。
でも、PCに落としておいたゲームをしたくてうずうずしていた俺は
すぐに空いたPCモニタのまえの椅子に移った。
電源はつけっぱだった。
兄貴が見ていたサイトが俺の目にとびこんできた。
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/mlb/1153653364/674-679 俺は兄貴の怒りの正体を一瞬で理解した。
多分つづく