研修医「秋田クソ田舎過ぎワロタw さっさと医師免許取って都会に帰るわw」
http://livedoor.blogimg.jp/ko_jo/imgs/6/e/6e3006d2.jpg 書類の記入方法について看護師(右)の指導を受ける研修医=秋田市の秋田大医学部付属病院
楽しみにしていた買い物は、何も買わずに終わってしまった。「好きなブランドの店がない……」。
神奈川県内の大学病院の女性研修医(29)は秋田大医学部在学中、初めて出かけた
JR秋田駅前で途方に暮れた。車の免許がなく、「車社会」の地方では外出もままならない。
「連休があれば、逃げるように実家に帰っていた」
川崎市出身で慶応大法学部を卒業後、法医学に興味を持って秋田大に入った。
15大学を受験し、「医師免許を取れるならどこでも良かった」。唯一合格したのが秋田大だった。
秋田大の教育環境は気に入っていた。だが今春選んだ研修先は、実家近くの病院だった。
「やっぱり、どうしても東京近辺に住みたかった」と振り返る。
東京都内の大学病院の男性研修医(24)も今春、秋田大を卒業した。
東京都出身で、脳外科医を志望。「自分の学力で受かる大学」と秋田大を選んだ。
暮らしは快適で、教育環境も気に入った。だが、研修先は東京を選んだ。
きっかけは5年生の時の祖母の死だった。「おばあちゃん子だったし、すぐ駆け付けたかった」というが、
帰京は訃報(ふほう)の2日後。長男として、家族のいる東京に住みたいとの思いを強くした。
「東京の方が最先端の研究や専門的な症例に触れる機会が多いとも思った」と話す。
秋田大から今春国家試験に合格した新人医師100人のうち54人は県外へ出た。
研修プログラム策定に携わる長谷川仁志教授は「教育内容は他大学に引けを取らないはず。
さらに充実させ、地道にアピールするしかない」と語る。
かつて新人医師の多くは出身大学で研修を受けたが、04年度の新医師臨床研修制度導入で
研修先の選択の幅が広がり、大学病院、特に地方の大学で研修する医師が激減した。
人手の減った大学は地域の病院に派遣していた医師を引き揚げ、医師不足問題が顕在化した。
国や自治体は「医師不足の主因の一つ」として対策を進めるが、状況は変わらない。