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ルーファウス神羅 ◆IKEMENjrqk :
横浜VS大阪桐蔭。奇しくも2006年夏の初戦、2008年夏の準決勝戦と同じになった第84回選抜高等学校野球大会決勝戦。
前日に7年ぶりの決勝進出を目指した愛工大名電を柳のノーヒット・ノーランで一蹴した横浜。
昨夏ベスト4の作新学院を32安打の大会新記録で捻じ伏せた大阪桐蔭。
選抜決勝に相応しき東西横綱3度目の対決に列島は興奮の坩堝と化した。準決勝2試合の平均視聴率は52.6%。
これはかつて史上最高と言われたPL学園-高知商業を上回る視聴率であった。
ワイドショー、各番組は決勝戦の話題一色。時の首相野田佳彦が甲子園決勝の話題でふる毎日関係者のインタビューに初めて笑顔で応える。
甲子園球場は開門前から長蛇の列、殺気立ち警備員と小競り合いを演じる関西高校野球ファン。
横浜ナインを目撃して興奮のあまり失神する女性ファン。準決勝で敗れた名電・作新ナインも訪れていた。
大挙して押しかけたメジャースカウト陣。「ワールドシリーズを超えるシリーズが日本に存在した」とはCNNのコメント。
瞬時に満員札止め。2chの実況板は試合開始前にサーバーダウン。試合開始瞬間視聴率81%。
全てが空前絶後の中、戦いの火蓋は切って落とされた-
------試合内容は妄想でお楽しみ下さい------
甲子園が歓喜と祝福の荒らしに包まれ横浜高校校歌が流れる。
涙と汗で顔をくしゃくしゃにしながら歌うナイン。
バックネット裏でニッコリと微笑む小倉元部長、視線の先には勇退を決めた渡辺監督。
止め処なく溢るる涙を拭いながら渡辺元智監督の脳裏には数々の思い出が去来していた。
永川による選抜初制覇、史上初の優勝宣言で優勝を果たした愛甲横浜
後に120億円プレーヤーにして世界MVPに輝いた怪物松坂を擁し無敗の9冠を達成し史上最強と称された98横浜。
選抜史上最多得点21-0で優勝した6年前の春。
勇退最後の春に贈られた通算6度目の全国制覇。
日本最高の名門、そして最高の名将のフィナーレを飾るには出来過ぎのドラマであった。
全てを使い果たした名将は僅か6ヵ月後
ワタナベイズムを継承した平馬監督率いるプラチナ世代の春夏連覇達成を病床で瞼に焼き付けこの世を去った―
2012年、オフに横浜高校を訪れた松坂は校内に飾られた名将渡辺の銅像に頭を垂れた。そこには渡辺の座右の銘が記されていた。
「目標がその日その日を支配する。」