1960年代の高校野球を語ろう 

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592名無しさん@実況は実況板で
【昭和44年 選抜】その4 秋季大会4

★四国 徳島商2−0帝京五
戦力充実のチーム続出の大激戦地区でしかも戦力差がなく多数の候補が一段に固まっており、今年の最強地区という呼び声
も聞かれる。昨年の出場校である徳島商はエース松村投手がそのまま残っており大会前から優勝候補に挙げられたが評判どおり
頂点に立った。高知を引き分け再試合の末1−0で下すと丸亀商を3−0、決勝で帝京五を2−0で下して全3試合をすべて
完封した。打線のパワーも力感にあふれており、課題は試合運びの上手さにムラがあることくらいだろう。準優勝の帝京五は
初戦で高知商を3−2で下して波に乗り高松一を2−0と完封、見事決勝進出を果たした。愛媛2位でノーマークに近いチームの
上位進出は見事の一言。4強には香川の丸亀商と高松一が入った。この2チームは実力伯仲。3位決定戦では2−0で丸亀商が
勝ったが香川大会は3−2で高松一が勝っており完全に互角。2校の比較になったら甲乙つけるのは難しい。初戦敗退した4校中
完全に見劣りするのは池田のみ。八幡浜は徳島商と並ぶ優勝候補筆頭に挙げられたが初戦で散った。好投手藤沢を擁し打線も協力
だったが丸亀商の粘りの前に突き放せず延長に突入、最後は守備の破綻から失点して延長14回 3−1でまさかの初戦敗退。愛媛
大会で下した2位の帝京五が決勝進出したためセンバツは絶望となった。高知は優勝した徳島商相手に1−1で引き分けたが再戦で
1−0負け、高知商は準優勝の帝京五に3−2負けとどちらも惜敗でこれも僅差。
センバツは徳島商、帝京五は確実だが次の1校は大激論を呼びそう。4強の丸亀商、高松一か、優勝した徳島商と引き分け再試合を
戦った高知か、高知を県で下した高知商か。最も選考が注目される地区だ。

★九州・沖縄 宮崎商3−0博多工
先の明治神宮大会で銚子商、三沢、首里を破って準優勝した小倉が優勝候補の筆頭と見られていたが、その小倉が初戦で鎮西に7−0
で大敗する大波乱が起きて大会は一気に本命不在の混戦となった。この混戦を制したのは大会NO1の本格派投手西井を擁する宮崎商
だった。その勝ち上がりは圧倒的で、初戦の長崎商を16三振を奪って2−0で下すと鹿児島川内を6−0と圧倒、小倉を下して意気
あがる鎮西も10−0のコールドで粉砕し決勝の博多工も3−0と完勝。結局西井は全試合完封で無失点、打線も0.364という驚異的な
数字を残した。昨年センバツ出場の博多工はそのときの投手岩崎が健在で佐世保工を4−0、海星を5−3で下して決勝進出。しかし
決勝ではスタミナ切れで宮崎商の打線に捕まった。投手力の整備が課題になる。夏の代表だった鎮西は小倉を破る大金星を挙げながら
重要な準決勝で10−0のコールド負けを喫してセンバツは苦しくなり痛い敗戦となった。逆に海星は博多工にしつこく食い下がり5−3
の負けにとどめたのは大きい。西九州唯一の4強という地域性も強みになる。問題なのは神宮大会準優勝の小倉。準優勝の実績はあっても
肝心の九州大会で初戦7−0負けではさすがに苦しい。まして小倉を下した鎮西が次に10−0で負けているだけに4強の海星の方が優位か。
沖縄は神宮大会、九州大会共に出場している首里が有力。